一言進言

ツタヤ図書館で文化度向上?

ツタヤ図書館で文化度向上?~回遊できる街中できるか~(7月20日掲載)
■ 周南市の新徳山駅ビルの指定管理者がTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)にほぼ決まり、ツタヤ図書館がいよいよ起動する。佐賀県武雄市から始まった図書館プラスカフェの流れは全国に広がった。抜群の集客力は若干陰りも見えるが、いまだに集客力に自信を持っている。スターバックスというカフェが持つ力も衰えていないようだ。
■ オープン当初は相当の人が集まるだろう。しかし、テーマはツタヤにどれだけ人が集まるのかではなく、集まった人がどれだけ回遊するかだ。また、大きな問題は、図書館を作り、管理をCCCに任せることで、市の文化度がどれだけ向上するかだ。
■ 現在の中央図書館で市民の不満を聞いたことはそうない。目と鼻の先に同じような図書館を作ったのでは、税金の無駄使いだ。市民は新図書館に何を求めるのか。市民に何をもたらすのか。図書館は何のためにあるのか。そもそも論から議論を深めることは極めて重要だ。市議会でどれだけ議論され、今後どんな議論が展開されるのか。課題は大きい。
■ CCC側からは旅行や料理に特化した図書館との声も聞いたことがある。本当にそれが年間1億5,000万円をつぎ込む価値のあるものなのか。文化にははかりがない。仕掛け方が多様でないと目に見えた効果は現れない。
■ 光市長を務めた松岡満寿男氏は絵画にも造詣が深く、市民が本格的な陶芸ができるようにと、市民窯を作った。そのおかげか、光市には陶芸家が続々生まれ、彫金の山本晃さんのような人間国宝まで生まれた。ここ周南地区で光市が他市より文化人が多いと感じている人は多い。ツタヤ図書館によって、どんな文化を広めていくべきか。興味は尽きない。
■ 駅ビルにいくら人が集まっても意味がない。地元への経済効果が問題だ。街中に足を延ばしてもらう仕掛けをどうするか。最大の難問だ。ここ数年、街中に40店あまりの出店があった。しかし、街中を回遊させるパワーはまだ足りない。誘導装置もない。商店主たちの意識改革も急務だ。銀南街でディスプレイコンテストを実施するなど、おしゃれな空間創造への取り組みも必要だ。中央街もバザール的な改変もあるかもしれない。デザイン力で街を変える決意が必要だ。駅ビルに人が集まっただけで胸を張っていてはいけない。(中島 進)

どこに向かう民進党

どこに向かう民進党 ~地方政治に入り込め~(7月14日掲載)

■ 「幼児化する日本人」とある評論家が最近の世相を嘆いている。物ごとを白か黒だと決めつける。一方的に他を攻撃する。思いやりのある言葉が極端に少なくなった。政治家も一緒で、言葉に寛容さがなくなった。55年体制を懐かしむわけではないが、議場ではやりあうが、議場外では意外につながっていた。政権を担った自民党も、野党の社会党の意見に耳を傾けた。だから世界でも有数な福祉国家に成長させた、相手をとことんやり込める雰囲気はなかった。
■ 参議院選挙は予想通り与党が圧勝した。当然と言えば当然だ。民主党が民進党に党名変更した時点で勝負はあった。大企業の労組や自治労など組合頼り政党の枠から抜け出すことが終始できなかった。大企業寄りの政策を進める自民党に対抗するには、大企業労組と一定の距離を置かない限り、大多数の庶民とはつながらない。大手企業の恵まれた労働環境にある組合は、今や自民党より資本家寄りだ。
■ 周南市は県内で最も平均個人所得が高い。370万円だそうだ。公務員は700万円に手が届きそうだ。山陰側の各地は270万円とさらに低い。しかし公務員に地域格差はほとんどない。いけないと言うのではない。今や公務員や大企業で働く人たちの中に、資本と労働という対立感覚はほとんどなくなっている。そうした人たちの代弁者は今や自民党だ。企業に賃上げを促す自民党に対抗する手段を失った民進党に勝ち目はない。
■ もう一つ、共産党と組んだ時点で、民進党は政権を担う意気込みを捨てたと感じたのではないか。共産党は、その存在感は認めても、政権を託すのを不安視する人は多い。共産党の票が欲しいだけで共闘を組む姿に失望した人も多かった。結局、投票に行かないことで意思表示をしたのではないか。いったい、民進党はどこに向かって活動しているのかが見えない。
■ とりわけ地方での存在感のなさは抜群だ。地方議員が皆無に近い状態では、政権を担う政党要件はない。地方自治に対する指針を持たない。市営住宅一つ、かくあるべきと主張できるのか。地域医療、介護政策に確固たる方針を持っているのか。市民活動の取り組みはどうするのか。とりわけリーダー養成への指針がない。政党支部に一般の人がどれだけ参加しているのか。自民党の底力はその辺りにある。与党圧勝はある意味怖い。政権交代の危機感がなくなると不安だ。(中島 進)