一言進言

さらなる進化を目指して

~今年1年ありがとうございました~
2016年が終わる。今年の漢字は「金」だった。金メダルをイメージしたが、世界がお金に明け暮れた。為替は目まぐるしく変化、株価も上下が激しく、素人目には皆目わからない。大企業と言えども合併、買収が目まぐるしかった。出光と昭和シェルとの統合話など、予想すらできない時代になった。イギリスやアメリカなど、グローバルな世界とは反対の流れが主流になった。
国内的には、地方創生の掛け声は大きかったが、確実に衰退を続けている。人口減、高齢化など歯止めなどかなわぬ事態が進行、若者が確実に減少している。街中のコンビニエンスストアが象徴的だが、留学生か、お年寄りばかり店頭で見かけるようになった。しかし、周南地区はまだ恵まれている。コンビナート企業群が健在で、何とか出荷高も県内最高だ。
周南市の周南ツリーまつりの集中イベントには、今年もどこからこんなにと思えるぐらい若者が繰り出していた。まだまだ何とかいける。下松市の小中学校は満杯状態だ。やりようによっては、もっと元気な地域にできる。
大人たちの工夫次第だ。知恵比べの時代だ。どんな知恵を使うかが勝負だ。周南3市が連携を深め、産業構造の大変換も可能だろう。若者が働きやすい環境を今なら構築できる。
周南地域地場産業振興センターを作ったように、人材育成に力を結集することもできる。IT系の勉強をしたい若者に環境を整備するのは簡単だろう。徳山駅ビルの新図書館も、料理や旅行も面白いが、IT系の力を付ける拠点にだってできる。1脚何十万円の椅子も結構だが、自由に使えるパソコンを並べるのも面白い。高度な講座も開設すればよい。お金をどこにかけるか、若者に特化する分野も必要だろう。
地域の課題は明確だ。高齢化対策と、少子化対策だ。2番せんじ、3番せんじの施策ばかりだと若者から見放される。急激な労働人口減少は目の前だ。先日、30歳代の地域プロデューサーの話を聞いた。3年後、日本経済は急激に落ちると予想していた。国と直結した人物だけに説得力があった。地方創生予算も今回が最後かもしれない。来年は自立した地方を目指す大きな分岐点だ。
日刊新周南も、電子書籍化の分野に取り組んできたが、まだまだ浸透していない。記事の内容ももっと生活に役立つ情報を、経済活動に助けになる情報を、と進化することが肝要だろう。小さな地方紙ながら、存在する意味はまだまだあると信じている。
地域にとってなくてはならない地方紙になるよう、さらなる精進を誓って、今年を終えよう。ありがとうございました。(中島 進)

ザ・グラマシー問題に注目

~平穏な1年に思うこと~
今年も残りわずかになった。周南地区の重大ニュースがいつもテーマになるが、人それぞれで受け止め方も違う。下松市民はやはり新市長誕生、というか井川市長引退が大きなニュースだったろう。そのほかには大きな動きのない1年だった。コンビナート各企業に依存する周南地区だが、それぞれ大小あっても、存続を左右するような話もなかった。強いて言えば㈱トクヤマが本社機能を周南市に持ってきたことぐらいだ。
商業で言えば、ゆめタウン徳山やイオンタウン周南久米がオープン、下松や既存スーパーなどに影響が出ているが、しょせん決まったパイの中での客の奪い合いで、ますます地元商店の疲弊が加速していることが心配だ。大型資本による出店が相次ぎ、地域の個店廃業は加速するばかりだ。
ここ、周南地区に限らず、全国共通の悩みだが、これと言った妙案もないまま、地方商業の衰退に歯止めが利かない。それにしても。イオンタウンオープンのテープカットまで木村市長が出席していたのは驚いた。郊外大型店出店が地域に経済効果を生むとは思えない。
言い換えれば平穏な1年だった印象だが、周南市は終盤、ホテル、ザ・グラマシーのバンケット(宴会)部門閉鎖が明らかになり、にわかに暗雲が漂った。域外から人を呼ぶ中心地最大の施設がなくなる。新幹線ののぞみが停まる駅を持つ町で、域外から集客できないのは、街の機能としては最悪のシナリオだ。大企業の力で何とか延命してきた周南地区だが、企業にしても、宿泊、会議もできない街では影響がないとは言えまい。来年以降の大きな課題だ。
光市は、市川市長再選で堅実な市政運営が続くだろう。病院問題も整理がつき、ハード面よりソフト事業が注目される。ボーイスカウト魂で職員の意識改革を大胆に実行に移してほしいところだ。若手職員に地域に密着せよと号令を掛けたが、具体的な成功例を形にする段階だ。期待値が高い。
国井下松新市長は助走運転中だが、カリスマ的だった前市長の後だけにやりにくさもあるだろう。独自色をどう出すか、来年以降が楽しみだ。学校給食への異物混入が相次ぎ、市長ボーナス支給額を誤ったり、市議会本会議開会後も傍聴席の解錠を忘れるなど職員のたるみが見られただけに、厳しい市政運営が特に求められよう。
全体的に停滞感が一層強い感じがしてならない。全国平均と同じように高齢化が着実に進み、労働人口が急激に不足、会う人ごとに人手不足の話だった。下松市は人口が微増しているが、人口減に歯止めがかからない。防府市などは企業ガイドブックなどを作成、若者定住に力を入れているが、周南地区はどうも本気度が伝わらない。子どもが増えることが将来に希望を持つ最大の要点だ。(中島 進)

集えない中心市街地に

~周南市で「四季の会」終焉~
33年間、周南市で春夏秋冬の年4回、料理を楽しみ、語り合う交流の場となってきた「四季の会」が終焉を迎えた。多い時は百人を超える人が集った。小川亮元市長はじめ各界、各層の人が集まった。丸福ホテル時代からの会だ。ザ・グラマシーが来年1月末で宴会部門を閉鎖するため、今回が最後の会になった。
徳山に帰ってきた当初、誘われて何度も出席した。故近間忠一県議会議員なども健在で、地域の人との貴重な出会いの場になった。当時は出席者の中では若い部類だったが、33年経って、最後の会でも当時から顔を見ていた人たちも見受けられた。I氏、H氏、K氏などなど、いずれも70歳をはるかに超えた年齢になっている。
昭和21年、丸福食堂としてスタートしたザ・グラマシーは、70年という大きな節目で終わりを迎える。丸福旅館、丸福ホテル、アド・ホックホテル丸福、ザ・グラマシーと名前を変えたが、皇族もお泊めできる、周南唯一のホテルだった。70年間、多くの会合、パーティーが開かれた。
高村坂彦市長時代、新幹線駅を街中に作った大きな功績を背景に、県外はもちろん、外国からの客人など、ザ・グラマシーが果たした役割は大きい。街中に都市型ホテルがあることで、どれだけ旧徳山市街地の飲食店が潤ったことか。多くの組織、団体も地域、県、中国地区、全国単位での会合を引き受けることができた。地域経済に計り知れない波及効果を生み出した。
50人、100人以上の同窓会、忘年会など、私的な会合や企業の行事も中心市街地で開かれなくなる。山口市では2,000人規模のコンベンションホール建設が計画されている。周南市はTSUTAYAなどのカルチュア・コンビニエンス・クラブ運営の図書館で対抗する。目的も、結果も違う施設になる。スターバックスに多くの人が集うだろう。しかし、交流の場としての機能はない。感覚の違いと言えばそれまでだ。コンベンションシティー宣言は幻になった。
徳山地区は市民館もなくなった。小ホール復活をと16,000人もの署名も集まったが、市長は新南陽の学び・交流プラザを使えばいいとそっけない。人が集うのに便利さとか、使い勝手は重要な要素だ。新幹線が停まる駅を持つ優位さをどこで発揮できるか。「イクボス宣言」した周南市の力量が問われる事態だ。家庭を大事にするだけでは、地域の元気さは取り戻せない。(中島 進)