一言進言

小池ブームはなぜ?

~お役人の問題意識にメス~
小池東京都知事ブームはまだ盛り上がりそうだ。第2の橋下徹だ。なぜ彼女、彼が大衆に受けるのか。行政にはっきりものを言える人、管理監督が出来そうな人を望んでいるからだ。既得権者、既存政治家たちに、ひるまず立ち向かう姿に拍手する。行政に期待しなくなって久しい。地方政治に期待しなくなって随分になる。民主党がこけて、ますますその傾向が激しくなった。
あれだけ記者が張り付きながら今ごろになって、文部科学省の天下りを問題にしている大手マスコミのふがいなさにも驚くが、庶民の感覚とずれまくっている公務員の世界をただしてくれるリーダーを求めている。オリンピックにしても、豊洲問題にしても、庶民は役人の無責任な問題意識にメスを入れてくれたと感じている。マスコミがあてにならないからヒーローが出てくる。最近は、多くが週刊誌の後追いだ。
地方も同様で、自己保身と言うより、自分本位な施策しか考えない公務員が増えた。誰のための何のための施策か、課題は何なのか。市民の懐に入り込むような施策が少なくなった。全国どこの自治体も金太郎飴のような内容だ。地方定住ではどこもかしこもビデオを作り、YouTubeにアップする。支援策の中身は全国同じようなものだ。
数年前、高知県のど真ん中の嶺北地区に研修に行った。毎年30組ぐらいが移住してくるという不思議な地区だ。森林率日本一の険しい地域だ。移住者や地元の若者たちと2晩飲みながら過ごした。移住者たちが異口同音に語るのが、いろんなところを見て回ったが、ここが一番、人間的によかった、だった。地元の世話人と移住者ネットワークがしっかりしていて、問題解決も早かったと話していた。
ネット環境は整えられ、農業以外でも何とか生活できると言う。東京渋谷などで3軒のパン屋を経営していたという若者などいろんな業種の若者たちが生き生きとしていた。毎日、御用聞きのように回ってくる行政マンも仲間だ。県庁マンもいた。お役人たちも素敵だった。
廃校は都会から来た若者が民泊所として経営している。お金とほとんど関係ないところで移住者が増えている。今回、周南市は「しゅうニャン市」のPRに合計3,000万円の予算を使う。これは全額市民の税金だ。Uターンする若者が増えれば良いが…。きっと増えるんだろう。いや、知ってもらうための予算か。(中島 進)

同じ過ちをなぜ犯す

~周南市防災無線工事・百条委員会は何だったのか~

5年前、東北などで大変な地震が起きたと知らせが入り、あわてて車のテレビで津波の被害を食い入るように見たのを思い出す。東日本大震災発生の日、周南市の防災行政無線工事に関する市議会の百条委員会が開かれていた。工事発注が決まる直前に仕様書が書き換えられ、落札業者ともめにもめたことから問題が大きくなった。
最初の取材は私がしたので、記憶に鮮明だ。下請け業者に県内でも数人しかいない技術資格を要求したり、不自然な変更があるので、建設部長や河川課などに聞いて回って記事にした。それが発端で百条委員会まで開かれる大問題に発展した。大手新聞社が記事にしない中、執ように取材を続けたが、島津前市長にはさぞや迷惑だったろう。
その年の年末、報告書が作成された。木村市長はその報告書を読んでいるのだろうか。今回同じ過ちをまた繰り返している。システムの構想からやり直して防災無線工事がようやく再開するかに見えたら、またもや設計の問題で中断してしまった。電波が届かないとか、仕様書に外国製の機器を使うという記載があったり、設計会社の選考を含めて、市の管理のずさんさが浮き彫りになった。
報告書には、今後は第三者機関を設けるなど、専門家としっかり協議できる体制で進めるべきとしていた。今回、設計会社は専門家だからと、報告書など無視して第三者を入れる体制もないまま発注。再度調査や設計変更を余儀なくされた。あれだけの時間と労力をかけた百条委員会は一体何のためだったのか。
木村市長はじめ執行部の責任は、単なるミスではすまない。2度と同じことが起こらないようにと報告書は作られた。まさか読んでいないとは言えないだろう。防災無線工事で前市長の責任を追及してきたわが社だけに、のん気な木村市長体制に無言ではいられない。もう少し緊張感を持った市政運営をと望むのは私1人ではない。
イクボス宣言や「しゅうニャン市」など内向けのパフォーマンスだけが目立つ。ほとんどの職員が定時に退庁する職場で、イクボス宣言は必要なのか。家庭第一と言われても市民はピンとこない。市民第一をまず実行してから言ってくれと思うのは失礼か。国民健康保険の個人情報流出など、何か変だ。頼むよ、木村市長殿。(中島 進)