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「徳山公論」に見る徳山製油所開所

[出光徳山60年]企画 長谷川一夫公演も 3日間、シャギリや花火大会で祝う
 17日で周南市の出光興産徳山製油所が操業を始めて60周年を迎える。旧徳山市の徳山湾に面した第三海軍燃料廠跡地に建設された同製油所は1956年3月28日に起工式があり、5月の着工からわずか10カ月という驚異的な期間で完成し、57年3月17日に火入れ式があった。5月29日には国内外から千余人の来賓を招いて落成式が開かれ、徳山市ではこの日から3日間、盛大な祝賀行事が展開された。市民にも一大慶事だった同製油所開所を日刊新周南の前身、「徳山公論」の記事から追った。

徳山公論の徳山製油所の特集記事のページ

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 主に徳山市をエリアに発行されていた「徳山公論」は3月の火入れ式後の試験生産から詳しく取り上げ、ガスの燃焼塔のことなのか、煙突の1本から火炎が噴出して市民を驚かせたが、危険性のない火炎であることがわかり、ほっとしたという記事もある。
 5月29日付は完成したばかりの製油所の主要な設備やタンク群を写真入りで2ページにわたって伝え、製油所完成を「元三燃跡地の早期活用を希求して止まなかった徳山七万市民にとって、永久に記憶に止められるであろう壮挙」と記している。
 祝賀行事は市と商工会議所、観光協会、製油所建設協力会の4者で落成祝賀協賛会を結成して展開。29日の夜が東浜崎海岸での花火大会、30日は町内会のシャギリ隊、31日は向道地区の式内踊りなど郷土芸能参加の郷土民芸大会。市民館では当時の国民的な映画スター、長谷川一夫一行が3日間にわたって公演した。
 記事では製油所の概要のほか、打ち上げ花火の名称や商店街では商店主が清水次郎長一家に扮して練り歩き、どこの店主が誰に扮しているかを当てるクイズもあったと報じている。
 その中でも話題となったのが長谷川一夫来徳公演。3月13日付の記事では長谷川が大スターになる前の1932年、財政的にも地位的にも恵まれなかった時、出光興産の出光佐三社長が7,600万円を出して援助したことから出光社長に常に感謝の気持ちを抱いていることを紹介している。
 公演をめぐっては6月5日付で武藤春茎さんの春茎日記で素晴らしい舞踊公演だったと記している。その中で公演前、招待券を市内各戸に1枚ずつ配ると地方紙が報じたが、実際には自治会長だけに配る予定で、地方紙はすぐに訂正したが「町内に来たのに会長が適当にしたらしい」というデマが飛んだところもあり「結局被害甚大は自治会長であったといえる。出光さんに大いに慰労をいただきたい」と締めくくり、出光と市民の関係が当時から深かったことが伝わってくる。