一言進言

教育勅語の復活が目的か

~逃げる政治家に、隠す役人~
今の時代に教育勅語を暗唱させる幼稚園があるなど知らなかった。安倍首相夫人など多くの政治家が素晴らしい教育だと絶賛していたという。国を大切に、親を大切にする素晴らしい教育だと、注目されていたようだ。安倍首相をたたえる運動会など異様な光景だ。教育基本法から逸脱するような教育に、多くの政治家が賛同していたのも異様だ。
日教組が戦後教育悪の根源だと主張する政治家にとっては、素晴らしい教育機関と思えたのだろう。最近は戦前に回帰する発想が増えてきた。病んでいる現代社会に対して、国民が一体になって国家を支えていたと、戦争時の姿を思い浮かべているのだろうか。国家はかくあるべきと思っているのだろうか。
森友学園の問題は、単なる国有地払下げ問題ではなく、現在の思想問題の病巣を表している。稲田防衛相は、教育勅語は素晴らしいと国会で語る。少し前では考えられないことだ。それを追及する勢力はごく少数派だ。文科省は教育基本法にのっとり、公立、私立関係なく補助金を支給している。あくまで政治的中立が原則だ。
なぜ売却の過程が書かれた書類が存在しないのか、思うに、時の権力者が講演するような学校に、公務員たちは敏感に反応したのではないか。過去にあり得ない現象が起こるのは、必ず裏に何かある。新保守主義と言われる人たちが、こぞって教育勅語を読む幼稚園を賛美する現象に、危機感を覚える。
人によって歴史認識が違うのは当然だ。大戦当時の世界は混とんとし、欧米諸国の植民地政策もひどかった。しかし、日本の軍部の暴走もひどかった。教育勅語を評価するのは自由だが、現職の大臣がそれを言うのなら、もっと説明が必要だろう。教育勅語を信じて死んでいった若者たちに説明すべき事象だ。権力者はあくまで謙虚でなくてはなるまい。
森友学園の経営者の傲慢でずるい人間性が表面化する度に、応援してきた政治家たちが逃げている姿を見たら情けない。こんなテーマで国会が紛糾するのも情けない。レベルが低すぎる。公明党までが同調しているのを見ると、税金の使い方に安直な今の政治に愛想がつく。徹底的な調査をすればすむことだ。親を大切に、弱者に優しい人間を育む教育は教育勅語からなのか。目指すものがわからない。(中島 進)