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まちづくりに市民憲章を

「世界」「生産」「歴史」3市の特徴くっきり、推進姿勢は温度差
 各市で制定されている、よりよいまちづくりに向けた市民の合意や約束、願いを込めた市民憲章。昭和40年代から全国の自治体で制定されるようになり、周南地域でもすべての市町に市民、町民憲章が作られた。しかし普及や推進体制はさまざまで、周南市のように制定後、目立った動きがないケースもある。周南3市の市民憲章がどう扱われ、地域づくりに役立てられているのかを探った。(山上達也)
◇下松市◇市民憲章マーチで盛り上げ
 3市のうち最も取り組みが熱心なのは1969年に市制20周年記念で制定した下松市。当時の下松青年会議所(JC)が起草や制定の中心的な役割を果たした。
 語尾が「つくる」で統一されているのも特徴で、当時の下松JC理事長の弘中佑児さん(81)は「つくる、と言い切ることで市民の自発的な意識づけを狙った」と振り返る。
 推進組織の市民憲章推進協議会には市内の企業や団体計150団体が参加し、市は2016年度に22万円を助成。会員からも会費を徴収している。
 毎年複数の団体をモデル団体に指定し、活動費を助成して実践項目に沿った活動を要請している。
 「明るいまちをつくりましょう」など実践5項目を歌詞にして振り付けもつけた「市民憲章マーチ」もあり、毎年秋の市民総踊りで踊る。昨年は「コミスポ体操」を制定した。
◇光市◇ひかり太鼓が普及推進に一役
 光市は合併前の旧光市民憲章と旧大和町民憲章をすり合わせて制定した。聖光高校長を務めた故井上需弌さんを会長に6人が起草した。すり合わせたため長文になったが、そこが統合の象徴ともいえる。
 市民憲章推進協議会は202人が加入しているが、市の助成金(28年度は39万6,000円)だけで運営。市内の小中学校から毎年2校のモデル校を指定して実践項目に沿った活動を求め、次世代に市民憲章の精神を植えつけようと取り組む。
 旧光市からの取り組みに「市民憲章推進・ひかり太鼓」があり、太鼓演奏を通じて市民憲章の定着を図ろうと光青年会議所を中心に1973年に発足し、今もひかり太鼓保存会の会長は光JCの理事長が兼ねる。
◇周南市◇推進組織はなく今後の課題に
 周南市は合併前の2市2町の市民憲章、町民憲章をすり合わせる一方で、新しい視点からの起草に心がけた。制定へ市民の意見を公募したパブリックコメントは20件が寄せられ、市民憲章等検討委員会(杉光英俊会長、10人)でこれを反映させたという。
 起草作業と同時に市の木や花も選定し、合併3周年の日に市民憲章と同時に発表した。
 しかし推進組織は存在しない。旧新南陽市には市民憲章推進協議会があったが、合併後には引き継がれなかった。岩崎達也企画課長は「市民の心に深く根づくような取り組みを考えたい」と今後の検討を考えている。
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本文には各市の特徴も織り込まれて
 3市の文言を比較すると、本文には3市とも「緑」が登場。周南市と下松市は「スポーツに親しみ」、下松市と光市は「きまりをまもり」が共通。
 外国との通商が盛んな周南市は「世界に誇れるまち…」、ものづくりの街の下松市は「生産に励み…」、初代総理大臣、伊藤博文公生誕の地のある光市は「輝かしい歴史を持つ…」と特徴的な文言もある。
 市民憲章は一度制定されれば合併などがない限り半永久的に存在する。市民憲章をどう生かしていくかがまちづくりの1つの鍵になるだろう。