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創意工夫功労者に文科大臣表彰

山口県内7人、周南は3社の4人 コスト削減、生産性、防災能力向上
 文部科学大臣が科学技術の振興のため製造現場の工場などの職場で創意工夫によって技術の改善や著しい実績をあげた人を表彰する今年度の創意工夫功労者が決まり、県内の受賞者7人の表彰状伝達式が21日、山口市の県庁で開かれた。
 全国で各都道府県などから推薦があった約1,000人が選ばれた。県内の受賞者のうち4人が周南の企業からで、周南市の東ソー南陽事業所の今田学さん、柳井宏明さん、出光プランテック徳山の伏見貴宏さん、下松市の日立ハイテクノロジーズの田村英二さんが受賞した。
 表彰式は17日から23日までの科学技術週間にちなんで開かれ、伝達式では村岡嗣政知事が表彰状とメダルを手渡した。

【東ソー南陽事業所】
今田  学さん(30) ポリマー製造部ゴム課第二係運転係員=周南市
「中間製品タンク内の重合物発生抑制方法の考案」

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 ゴムの製造では主原料のクロロプレンモノマーを重合器で重合反応させ、中間製品のラテックスを製造し、ラテックスに残存している未反応のモノマーは回収、再利用している。
 しかし中間製品タンク内に未反応モノマー由来の重合物が常時発生するため、この重合物の抜き出し、配管の頻繁な清掃が必要で、残存モノマーの重合で回収モノマー量が低下する問題も発生していた。
 そこで重合物が発生しないよう、ラテックスを一定の間隔で自動で撹拌(かくはん)するプログラムを作成し、洗浄費用の削減、運転員の負担軽減、これまでロスしていたモノマーの回収を可能にした。

【東ソー南陽事業所】
柳井 宏明さん(43) ソーダ製造部電解課第二係班長代理(職長代理相当)=周南市
「塩水マッド同伴塩廃棄量削減による原塩原単位改善」

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 カ性ソーダは原料塩を水に溶かして塩水にし、電気分解して生産するが、塩水は不純物を含むため、静定槽で薬剤を添加して凝集沈殿させ、固形分(マッド)として泥状(スラリー状態)で抜き出していた。
 しかしマッドが高濃縮すると配管が閉塞して運転できなくなることから、高濃縮を防ぐため大量の塩水(原塩)を使用、廃棄していた。そこでテストを繰り返して配管が閉塞しない上限の濃縮度を見極め、抜出弁の開閉時間を決めて、塩水と廃棄される原塩量を大幅に削減した。

【日立ハイテクノロジーズ】
田村 英二さん(44) 笠戸地区設計・生産本部笠戸製造部製作課主任=周南市
「半導体製造装置組み立て作業における生産性改善」

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 半導体製造装置は多数の機械加工品、電子機器で構成され、個別受注生産方式で生産しているが、工程ごとに作業していた。
 これを1人の組み立て員が組み立て、配線、検査の全行程をする方式に転換した際、作業者階層別に実技指導や知識教育を企画立案・実行し、作業停滞の排除、人員不足解消、組み立て完成時間の低減を実現した。
 機械加工品「チャンバー」の組み立てでも部品着脱、最適な作業位置までの昇降や部品反転機能を搭載した組み立て用の設備を考案。組み立て設備や工具の点検簿の記載でもタブレット端末による電子化を考案して“見える化”などを図った。

【出光プランテック徳山】
伏見 貴宏さん(42) 広域共同防災事務局員=平生町
「水中ポンプ用油圧ホース損傷防止対策の考案」

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 大型タンクの火災の消火に有効な大容量泡放射システムの訓練では水中ポンプの駆動用油圧ホースで海水をくみ上げていたが、油圧ホースが重く、海底に沈み込んで海底の石や突起物でホースが損傷していた。
 そこで防災能力向上のため、配管の保温に使われるポリウレタン素材のパイプを浮上材として取り付けてホースを海面に浮上させ、外面に耐久性に優れた消防用ホースを取り付けてホースの損傷が防げるようにした。
 油圧ホースの点検を容易にするため消防用ホースには着脱用のファスナーも取り付けた。