一言進言

山口県の維新はおじさん社会からの脱却だ

~島耕作の二の舞にならないように~
来年は明治維新150年。山口県など維新ゆかりの地でさまざまな企画が計画されている。維新に結びつけた人物の掘り起こし、記録発掘など、歴史に興味ある人たちには魅力だろう。山口県は吉田松陰はじめ多くの人物を輩出しているだけに仕掛け方も多様だ。萩は世界遺産に登録され、ますます観光客誘致に有利な状況だ。しかし、果たして思惑通り集客できるか。
維新と言えば、高杉晋作ら志士、初代内閣総理大臣、伊藤博文らの“長州ファイブ”など男性が主役な物語だ。女性にとってはどうだろうか。男たちが中心で革命的な事象を創り出した。NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」が期待したほどヒットしなかったのも、時代は男性のものだったからではなかったか。歴史好き女子、歴女も多くなったが、まだまだだ。歴史をテーマにした売り方は難しい。
以前、山口県は株式会社山口県代表取締役社長として島耕作をぶち上げたが、思うように広がらなかった。漫画のヒーローだが、多くの女性を踏み台にして出世した男性の物語だ。女性の視点は考えずに採用した感が強い。ほとんどがおじさんたちが集まって決めたようだ。おじさんには受けた。しかし全国的に注目されることはなかった。
維新150年も同じ過ちを繰り返す恐れもある。おじさんたちだけで、ああだこうだと論議しても、所せん男目線だ。当時は西洋文化が一気に入り込み、日本文化と奇妙な調和をもたらした。それはファッションや生活様式など、さまざまな所で開花した。当時の華やかさや文化を切り口にするのも面白いだろう。女性が主役のプロジェクトチームを作るのも策だろう。男性だけのロマンを追いかける企画では女性客はつかみにくい。センスのいい女性プロデューサーの登用も必要だろう。
山口県は男社会のイメージが強い。現に、自民党の県議会議員で女性は1人だ。意識的にも女性のセンスを取り入れた観光施策を展開しないと、集客は増えないだろう。食べに行くのも、観に行くのも決めるのは女性たちだ。おじさんたちはそれについていくだけだ。そうでない人もいるだろうが、男たちは胸に手を当てて思い出すがよい。山口県の維新は、おじさん社会からの脱却からだ。(中島 進)