一言進言

お年寄り詐欺を防げ

まだまだ施策的に可能だ。
お年寄りの詐欺被害が止まらない。あれだけ広報をしているのに止まらない。いかに多くの高齢者が相談相手もなく孤独なのかがわかる。金融機関の窓口で食い止める場面も多くなった。警察の発表では、1人暮らしなのか、子どもがいるのか、近所の関係などはわからない。高齢者の実態がわからないのに対策も考えられない。被害が全国に広がる今、統計的な資料を共有すべきだろう。
被害が後を絶たないことが不思議でならない。ニュースを見ないのか、新聞を読まないのか、周りの人との接触が全くないのか。以前、オレオレ詐欺が流行していたころ、高齢者向けの広報ばかりしているのに、異論を唱えた。親元を離れた子どもたちが1日1度でも、1週間に1度でも親に電話1本かけていれば、被害は相当少なくなると主張した。子どもへのキャンペーンも並行してするべきだと。
ここ周南でも三世代同居が壊滅的になくなり、自治会、コミュニティーが希薄になっている。誰一人相談相手がいない状況が被害を誘発する。過度な個人情報保護の空気がまん延し、個人情報だからと、高齢者の家庭に無関心になっていった。自治会の連絡網も個人情報の名のもとに抹消された。隣近所の付き合いができなくなり、ますます独居老人の孤独は先鋭化している。
プライバシーを守れと言うマスコミ挙げての大キャンペーンは功を奏してきたが、弊害は語られることがない。孤独なお年寄りの情報を、隣近所で共有しようと言えば、必ず誰か「それは個人情報では?」と意義を唱える人が現れる。それから先、話は続かない。確かに圧倒的にダイレクトメールの類は激減した。我が家は電話帳に載せているから勧誘電話はかかってくる。うっとうしい話だ。
昭和30年代、40年代ころの濃密な地方自治の時代に戻ることはないだろう。ただ、1世帯でもいいから、3世代同居、もしくは近くに家族が住んでいる状態を今まで以上に目指すことが肝要だろう。Uターンする若者を優遇する施策を考えるとか、3世代同居家庭への助成を増やすとか、やり方はまだまだあるはずだ。子育てを祖父母が担う家庭には、保育園並みの援助をすることも可能だ。
周南地区も今のうちだ。人手不足で悩む企業が続出している間に、Uターンなどの施策を重点的に取り組むことが10年、20年先の地域の将来に大きな意味を持つ。3世代同居家庭の割合もつかんでいるのだろうか。実態調査も早急に3市ですべきだろう。お年寄りの被害をこれ以上増やさないためにも。(中島 進)