ヘッドラインニュース

若手移住者の活躍光る

【金曜記者レポート】「大津島海の郷」オープン4年、利用者増加傾向、課題も
 周南市の離島、大津島の市体験交流施設「大津島海の郷」がオープンから4年を迎えた。県内外の企業や学校などの団体が宿泊しながらカッター訓練や釣り、野外炊事、石風呂体験、平和学習にも取り組んでおり、利用者は毎年増加している。パートを含めた従業員は当初の5人から現在は8人と島民の雇用の創出にもつながり、昨年は20歳代の若者が移住するきっかけにもなった。現状や課題を追った。(安達亮介)

カッター訓練=海の郷提供

カッター訓練=海の郷提供

釣り体験=海の郷提供

釣り体験=海の郷提供


【リピーター根強く】
 海の郷は2013年4月、本浦地区の大津島中旧校舎跡地にオープン。鉄骨造2階建て床面積602・68平方㍍で、最大100人が宿泊できる。解体も含めた総事業費は約3億円で、指定管理料は毎年約2,000万円。大津島研究所(小池良太代表)が運営している。
 利用人数は13年度が57団体の1,736人、14年度が58団体の1,985人、15年度が74団体の2,078人、16年度が93団体の2,654人。当初掲げた17年度に5,000人の目標には届きそうにないものの、順調に伸びている。
 増加を支えているのがリピーターの存在で、特に新入社員研修として利用する企業が多く、今年の4月は稼働率93%と過去最高の利用だった。
 しかし昨年度全体の稼働率は49%。5,000人の目標達成に向けて今後は利用率の低い冬場に馬島地区の大津島小体育館を活用したスポーツ合宿を増やすなどしていきたい考えで、2月には輸送用の2台目の車も導入した。

【奉仕作業で喜ばれ】
 4月1日現在で人口278人、高齢化率は79.9%という大津島。力仕事などは高齢者には大きな負担だが、島中の溝にたまったごみや木の枝、落ち葉などをさらうなどの奉仕作業が新入社員などの研修プログラムに組み込まれ、住民を喜ばせている。
 研修では大戦末期の特攻兵器、人間魚雷「回天」の発射訓練基地があったことから馬島地区にある回天記念館も訪れ、平和学習をしながら島の歴史を知ってもらう機会になっている。

溝をさらう奉仕作業=海の郷提供

溝をさらう奉仕作業=海の郷提供

吉本さん(左)と安在さん

吉本さん(左)と安在さん


【若手移住の呼び水に】
 昨年2月には20歳代の若者2人が市外から移住して海の郷に勤めて活躍している。
 熊本県出身の吉本岳史さん(24)は海の郷施設長の小池さん(33)がかつて勤めていた周防大島町の旧大島青年の家に中学時代から手伝いに通って高校卒業後にその運営会社に入社し、インドネシアで地域おこしをする業務も体験。その後、小池さんに誘われて海の郷に入ることになり、小池さんと2人でメーンの指導員として活躍している。
 一緒に移住した恋人の安在志穂さん(27)は長崎県出身で、大学卒業後は下松市内で働いていた。海の郷では4月から本格始動した利用者に食事を提供する「海の郷工房」の副代表を務め、大津島支所の臨時職員にもなっている。
 漁師を志していることもあって移住を決めた吉本さんは「釣りが日常的にできるのがうれしい」としながら「海の郷では“日本一厳しい”を目指し、同時に漁師の仕事もしたい」と抱負を語る。安在さんも当初は島に生鮮食料品の売店がないことや、使ったことがなかったボイラー式の風呂などに戸惑ったというが「いろいろな人に仲良くしてもらっている。工房では利用者の要望を聞いてなるべく応えていきたい」と話している。
 島ではほとんどが島内産というイノシシ肉のコロッケがお気に入り。最近は「新しく作った畑でスイカを収穫するのが楽しみ」と海辺で笑顔が光る。

フランス雑誌に周南市が登場

水素の先進的取り組みで、水素ステーションなど取材
 “水素先進都市”を掲げる周南市の水素に関する取り組みが、フランスの季刊誌「ハイドロジェニウム」に取り上げられた。木村市長がインタビューに答える形式で全国初の燃料電池自動車のカーシェアリング事業、漫画を使った小中学生への普及啓発活動などが紹介されている。

周南市が特集されている「ハイドロジェニウム」

周南市が特集されている「ハイドロジェニウム」

 ラ・ドキュメンタシオン・パールモンテール社が発行。同社の別の季刊誌はフランスのヨーロッパ選出議員や上下院議員、主要都市の首長、公共・民間企業の代表などに定期購読されており、今回の「ハイドロジェニウム」は「季刊 2017年春 第1号」として発行された。タイトルは「水素+頂点」を表す造語。
 ヨーロッパでもエネルギー転換が課題となる中、フランスと日本の自治体や企業の先進的取り組みをまとめ、燃料電池バスを導入した東京も、小池百合子都知事を登場させて紹介している。
 周南市には2月に日本人記者が訪れて市長に話を聞き、市商工振興課が鼓海のイワタニ水素ステーション山口周南などを案内した。
 記事では「シビックプライド!」の見出しで、全国初の燃料電池ごみ収集車の実証実験や、徳山動物園などの電力・温水供給に水素が使われていることも紹介している。
 全20ページのうち周南市はインタビューが見開き2ページで掲載され、このほか背表紙に鼓海のイワタニ水素ステーション山口周南の写真、裏表紙には水素を製造している㈱トクヤマ徳山製造所の工場写真も使われている。
 同課は「世界に注目され、認めてもらえていることは驚きと同時に自信にもなる。引き続き水素の最先端の取り組みを市で進めていきたい」と話していた。

10年連続で中四国1位!

下松市・住みよさランキング全国30位 財政健全度が県内トップ
 東洋経済新報社は東京都の特別区を含む全国814市・区の都市パワーを統計から算出した今年度の“住みよさランキング”を「都市データパック2017年版」で発表した。下松市は昨年より12ランク下がって30位となったが、中国・四国の92市では10年連続で1位をキープした。(山上達也)
170628
 住みよさランキングは病床数や待機児童数などの安心度▽大型店面積など利便度▽汚水処理人口普及率や公園面積など快適度▽財政力指数や地方税収入額など富裕度▽持ち家世帯比率など住居水準充実度を算出し、偏差値で総合順位を出す。同社はこのほか財政健全度ランキングも発表している。
 下松市の最高位は2011年の13位。2014年度22位、15年度20位、16年度18位と3年連続で2ランクずつ上がったが、今年度は利便度が13位から17位に落ち込んだことなどで12ランク下がった。
 財政健全度ランキングは県内トップの155位。算出根拠の項目別順位も弾力性・自主性が76位と突出し、脱借金体質は138位だった。
 中四国で連続10年1位はマンションや宅地販売など人口増加の一層の追い風になりそうで、子育て世代の流入は続きそうだ。
 全国の住みよさランキング1位は千葉ニュータウンで人口増が続く千葉県印西市で6年連続。2位は富山県砺波市、3位は愛知県長久手市、4位は石川県かほく市、5位は石川県野々市市で、上位10位中、7市が富山、石川、福井の北陸3県。財政健全度の全国1位は愛知県みよし市だった。
 県内の100位以内は下松市のほかは52位の柳井市だけで、中四国では2位。光市は534位、周南市は546位だった。
 国井市長は「全国から“くだまつ”と読んでもらえる知名度の向上に努め、市民の皆さんが住みよさを実感できるまちづくりを進める」と喜んでいる。
 「都市データパック2017年版」は税込み6,480円で、書店で販売中。問い合わせは同社(03-3246-5467)へ。

徳山下松港の国際競争力強化へ

【周南】302億円投じ国際物流ターミナル整備、着工式に190人、2019年度完成へ
 国土交通省中国地方整備局と県は25日、徳山下松港の国際物流ターミナル整備事業の着工式を周南市築港町のホテル・サンルート徳山で開いた。この事業は下松、徳山、新南陽地区の港の水深を深くして周南コンビナート一帯に大型石炭船で共同輸送ができるターミナルを整備するもの。期間は2016年度から19年度まで4年間で、総事業費は302億円。
 徳山下松港は国が国際競争力の強化を目的に集中的に整備する「国際バルク戦略港湾」に宇部港とともに2011年に指定されている。大型石炭運搬船に対応していないことから企業は石炭を個別輸入する非効率さを強いられており、効率的な輸送体制確立が望まれている。
 今回の事業では最初に石炭を下ろす下松地区は水深19メートル、長さ390メートルの桟橋を整備してケープサイズ船(14万トン級)が満載入港できるようにし、徳山地区では今ある水深14メートルの岸壁の長さを現在の280メートルから390メートルまで延ばし、下松で一部積み下ろしをした同サイズの船が入れるようになる。
 新南陽地区でも水深12メートルの240メートルの岸壁を320メートルに延ばして減載したパナマックス船(8万トン級)が入港可能になる。それぞれで船が回転できるよう拡幅もする。
 整備後はコンビナート企業が共同で石炭を輸送することで今までよりコストが約2割削減できる見込み。

くす玉を割る参加者

くす玉を割る参加者

 着工式には国や県、地元の関係者百91人が出席。あいさつでは中国地方整備局の丸山隆英局長、国交省の菊地身智雄港湾局長のほか村岡嗣政知事が「徳山下松港は山口県の経済の屋台骨。着実に進めてコスト低減、国際競争力強化につなげたい」と述べた。
 続いて来賓の高村正彦、岸信夫、桝屋敬悟衆議院議員、林芳正、江島潔、北村経夫、阿達雅志参議院議員、柳居俊学県議会議長、木村周南市長、国井下松市長もそれぞれ祝辞を述べた。
 最後に利用企業を代表して東ソー南陽事業所の田代克志所長が「事業完了後には常に共同輸送を図りたい」とあいさつし、関係者17人でくす玉を割って祝った。この後は下松市笠戸島の国民宿舎大城で周南、下松市の主催でこの事業に関する意見交換会もあった。

文化基金賞で最優秀賞

山口放送・ラジオ番組「メロディーの向こうに」7月9日に特別放送
 放送文化の発展へ優れた放送番組を表彰する第43回放送文化基金賞の受賞作品が発表され、番組部門ラジオ番組で周南市の山口放送制作のラジオ番組「メロディーの向こうに~童謡・唱歌の世界」が最優秀賞を受賞した。

授業する山田さん=山口放送提供

授業する山田さん=山口放送提供

 今年の同賞には全国の民放、NHKなどから計277件の応募、推薦があり、番組部門はテレビドキュメンタリー、テレビドラマ、テレビエンターテインメント、ラジオの4つで、それぞれ最優秀賞、優秀賞、奨励賞が贈られる。7月4日に東京のホテルオークラ東京で授賞式がある。
 「メロディーの~」は3月26日放送。親子の愛情や命の大切さ、日本語の美しさなどの思いが込められた童謡、唱歌を子どもたちに広める活動をしている萩市の至誠館大学元教授の山田真治さんや、周南市出身の詩人で童謡「ぞうさん」などを作詞し、母校の徳山小の小学生を前に思いを届けた故まど・みちおさんなどを通してメロディーの向こうにある世界を探っている。
 「てらうことなく正面から取り上げて、関係者たちの証言も交えて紹介する。きまじめな態度が、聴取者の心を揺さぶる」と評価された。
 同番組を制作した大谷陽子ディレクター(45)は「童謡、唱歌は時代を生きた大人が人生を表現し、感性をぶつけた質の高い芸術であることを知ったが、音楽の教科書から少しずつ姿を消し、歌われる機会も減ったことは寂しく思う。改めて貴重な日本の文化として長く歌い継がれてほしい」と話している。
 同社は受賞を記念して7月9日午後1時から同番組を特別放送する。1時間。

木造校舎群を教育遺産に

【金曜記者レポート】周南市・地域の誇り伝える施設、休・廃校10校残る
 全国的に少子化のため休廃校する小中学校が増加、その校舎や跡地利用が課題となっている。その中で周南市では今では見ることも少なくなりつつある木造校舎が10校も残っている。負の遺産として見られがちだった木造校舎群だが、市ならではの“教育遺産”として生かす道はないのかを探ってみた。
(延安弘行)

休校11校、廃校も10校
 光市でも1960年代に統合による廃校があったが、校舎が残っているのは2005年に廃校になった牛島小だけ。下松市ではこの3年ほどの間に笠戸島の小学校3校と深浦中が廃校になったが、校舎は公民館や江の浦小は郷土資料展示室「島の学び舎」として利用されている。深浦中は体育館は残っているが、校舎はすでに撤去されている。
 これに対し、周南市の休校中の学校は分校を含めて11校、廃校になった学校も長く休校だった鹿野地区の小学校を含めて2000年以後だけで10校を数える。
楽々谷(ささだに)、大田原小も
 休校中の11校のうち通学する児童、生徒がいないための自然休校は大津島中、大津島小だけで、9校は再開するめどはなく、跡地などの利用が決まらず、そのまま校舎が維持されている側面がある。
 このうち長穂小は市の公共施設再配置計画の中で新施設用地とすることが検討されている。しかしそのほかの八校は具体的な計画はない。
 そのうち木造校舎は小畑小、四熊小、中須小、須磨小峰畑分校、久米小譲羽分校の5校。大向小と須金中、中須中は鉄筋コンクリート造りになっている。
 最近、廃校になった10校では、校舎が新しかった大道理小は改修して向道支所などの大道理夢求の里交流館、翔北中は周南マンガヴィレッジに生まれ変わった。金峰小は跡地に金峰杣の里交流館が建てられ、渋川小は校舎の一部も使ってしぶかわ工房などになっている。
 大島小は借地だったため更地にして返却、長穂中跡は市有地だが、更地のまま。仁保津小も講堂が残っているだけ。木造校舎が往時のまま残っているのは向道湖ふるさと芸術村として使われている向道中、校舎の一部を地域で使っている粭島小、それに鹿野地区の大潮小の3校となっている。

大田原自然の家

大田原自然の家

旧粭島小の校舎

旧粭島小の校舎

旧楽々谷小の校舎

旧楽々谷小の校舎

旧楽々谷小の二宮金次郎像

旧楽々谷小の二宮金次郎像

中須小の校舎

中須小の校舎

向道湖ふるさと芸術村

向道湖ふるさと芸術村

四熊小の校舎

四熊小の校舎

中須小の校舎

中須小の校舎

小畑小の校舎

小畑小の校舎

 このほか廃校からかなりの年月がたっている学校では、須金地区の1970年廃校の楽々谷小の校舎が市の倉庫として使われ、校庭には二宮金次郎像や高村坂彦市長が題字を書いた「学び舎の跡」の碑も残る。
 大田原小は中須小大田原分校になったあと大田原自然の家として82年から使われているが、同施設は一部が土砂災害特別警戒区域になっているため早期の移転が計画されている。
景観、規模も多彩
 まとめると木造校舎が残っているのは小畑小、四熊小、中須小、須磨小峰畑分校、久米小譲羽分校、楽々谷小、大田原小、大潮小、粭島小、向道中の10校。校舎が造られた時代や規模、外観も違い、2階建ての校舎もある。
 海辺に立つ粭島小、錦川近くの向道中や楽々谷小、山間の大田原小、進藤兼人監督の映画「石内尋常小学校 花は散れども」の撮影にも使われた大潮小と、景観もそれぞれ特色がある。1校ずつが懐かしさを感じさせるだけでなく、校舎群として見れば近代教育のあり方や各地域の特色を伝えている。
 例えば各校ごとに、楽々谷小なら錦川の開発、粭島小はフグ漁や北洋漁業にも進出した粭島の歴史、四熊小は四熊小出身の教育者、水井文吉、大潮小は映画関係などをテーマに展示室を設ければ、地域の誇りとなるだけでなく、市外からも人を呼べるかもしれない。
 市教委では休校中の小中学校の校舎・跡地について「市長部局とも連携したい」と昨年度から庁内に検討委員会を設置し、地元との話し合いも進めていく方針。いずれも老朽化が進んでいるだけに市民ぐるみで民間の知恵も生かし、夢のある活用方法を早期に見出してほしい。

女王のお召し列車に

「クイーン・エリザベスⅡ」と命名、日立笠戸製列車に「快適、早かったわ」
 下松市の日立製作所笠戸事業所(川畑淳一事業所長)で英国向けに製造された鉄道車両「クラス802」が13日、ロンドン市内を走るエリザベス女王のお召し列車に使われ、快適な乗り心地に女王は「クイーン・エリサベスⅡ」と名づけられた。“下松発”の日立車両の技術がお墨付きを得た形で、英国を拠点とした日立のビジネス展開に追い風が期待される。(山上達也)

「クイーン・エリザベスⅡ」の前で命名に喜ぶ正井常務(左)とボズウェル社長=日立製作所提供

「クイーン・エリザベスⅡ」の前で命名に喜ぶ正井常務(左)とボズウェル社長=日立製作所提供


175年前の国王初の列車旅と同日に
 日立は英国鉄道省から高速鉄道車両866両を受注し、76両は完成品として、残りは英国の工場で内装や組み立てをするため半完成品で出荷する。これまでに約300両を下松第2公共ふ頭から送り出している。
 下松側で製造と輸送が順調に進む一方、英国では今年秋からの営業運転に向けた準備が進む。今回のお召し列車の運行はそのデモンストレーションで、1842年6月13日にビクトリア女王が英国王として初めて列車で旅をしてから175年後の同じ日に、同じ区間でエリザベス女王が追体験した。

女王が正井常務らに直接ねぎらい
 運行区間はウインザー城近くのスラウ駅からロンドン・パディントン駅までの約40キロ。関係者によると女王は「快適でとても早かったわ」と上機嫌で、その場で正式にこの列車を「クイーン・エリザベスⅡ」と命名した。
 お召し列車が到着するパディントン駅には日立製作所の前笠戸事業所長の正井健太郎執行役常務や、現地法人の日立レールヨーロッパのカレン・ボズウェル社長が出迎え、女王から直接、ねぎらいの言葉を受けたという。

パディントン駅に停車した「クラス802」=日立製作所提供

パディントン駅に停車した「クラス802」=日立製作所提供


英国の新高速鉄道受注の追い風に
 正井常務は「我々が設計、製造した車両が英国で受け入れられることは大変意義深い。車両の安全性が高い評価を受けたことが、きょうにつながった」と感激。電化区間と非電化区間が混在している英国の鉄道に配慮して電気でもディーゼルでも走れるハイブリッド仕様になっていることに女王は高い関心を示したという。
 エリザベス女王自らの命名は、日立がドイツのシーメンス、カナダのボンバルディア、フランスのアルストムと競っている英国の新高速鉄道「ハイスピード2」の受注へ追い風にもなりそう。下松市内外の日立の関連企業に波及効果も期待される。
 関連企業31社の日立笠戸協同組合の弘中善昭理事長は「エリザベス女王からのお墨付きに感激した。各企業とも異なる分野で長い歳月をかけて継承、洗練させてきた技術を持っている。日立を源流とするものづくりに一層精進していく」と話している。

徳山西I.C.からソレーネへ

立ち寄っても料金同じ 7月15日から一時退出実験
 山陽自動車道徳山西インターチェンジ(IC)からの乗り降りを自由にし、周南市戸田の道の駅「ソレーネ周南」への立ち寄りを可能にする国土交通省の「一時退出実験」が7月15日から始まる。全国では3カ所目、西日本高速道路管内では初めての取り組みで、ソレーネ周南に高速道路のサービスエリアと同等の機能があることから実現した。

ソレーネ周南

ソレーネ周南

 この実験は、全国の高速道路のうち休憩施設の間隔が25キロ以上ある約100区間で、これを半減させることを目指す。全国的には群馬県の関越道の高崎玉村スマートIC近くの道の駅「玉村宿」で5月27日から始まり、愛知県の新東名道の新城 
の道の駅「もっくる新城」で6月24日から始まる。
 ソレーネ周南は国道2号沿いにあり、大型車両の駐車スペースが確保され、観光情報などを入手できる情報発信コーナーやレストラン、軽食コーナー、24時間営業のコンビニエンスストアや直営物産店があり、電気自動車用のEV充電器も設置され、ガソリンスタンドも隣接していることから選ばれた。
 対象車はETC2.0搭載車。徳山西ICから出た車がソレーネ周南に立ち寄り、1時間以内に再流入すると、目的地まで高速道路を降りずに利用した場合と同じ料金になる。実際に立ち寄ったかがわかるよう、ソレーネ周南の入り口付近にETC2.0の送受信機を設置する。
 例えば下関ICから岩国ICまで自動車道を利用し、途中、徳山西ICで降りた場合、料金は普通車のETC2.0利用で下関IC~徳山西IC間の2,710円、徳山西IC~岩国IC間の1,650円を合わせて4,360円になるが、この実験では降りずに利用したのと同じ3,850円になる。このため道の駅でも広域的な利用者増が期待されている。

がん患者支援へウオーク

リレー・フォー・ライフ参加者募集 9月16、17日・周南市陸上競技場
 がん患者などを支援するチャリティー活動の『リレー・フォー・ライフ・ジャパン2017やまぐち』(新周南新聞社など後援)が9月16、17日、周南市陸上競技場で開かれることになった。がん患者や支援者が夜を徹してトラックを歩き続け、がん関連のワークショップや演奏会などのイベントも開くもので、参加者やボランティアスタッフなどを募集している。

リレーへの参加を呼びかける船崎さん

リレーへの参加を呼びかける船崎さん


 リレー・フォー・ライフは米国で始まり、日本では2007年に兵庫県芦屋市で本格的な活動がスタートした。目的はがんを乗り越えて今を生きる患者と家族や支援者、患者の遺族などをたたえ、支えることと、亡くなった人の追悼、がんの早期発見の啓発、あわせて患者の支援活動のための募金活動もしている。
 10年目となった昨年は日本対がん協会などが主催して全国49カ所で開かれ、県内では周南市のライフスタイル協同組合代表理事の船崎美智子さん(59)を実行委員長に昨年10月に初めて美祢市であった。
 この時は秋吉台国際芸術村に300人が集まり、24時間歩き続けるリレーには15チームが参加し、17万2,469円を研究のため医師を海外に派遣する活動や新薬の開発のために寄付した。
 今回の周南市での開催も船崎さんが実行委員長を務める。船崎さんの市職員だった夫の克巳さんは、胃がん、肺がん、肝臓がんを次々に発症して七年半の闘病のあと昨年2月に58歳で亡くなった。
 リレー・フォー・ライフは克巳さんの生前から県内でも開きたいと話し合い、亡くなる前年には広島市で開かれた大会に夫妻で参加していたことから実行委員長を引き受けた。
 船崎さんは父母もがんで亡くしており、この活動を通じて「検診率アップを呼び掛けるとともに患者について伝え、話し合える場を作りたい」と話している。
 9月16日は午後2時からオープニング。一晩、リレーを続けて夜明けを迎え、17日午前11時がフィナーレ。トラックの周囲にルミナリエと呼ばれる高さ40センチ、幅20センチほどのメッセージを記した紙製の灯ろうを並べ、夜はその中に明かりを灯す。
 サバイバーと呼ばれるがんの経験者、患者、家族や医療関係者、一般市民など誰でも参加でき、チームに入っていなくても時間内の都合のいい時に訪れて歩くことができる。
 交流のためさまざまなイベントもあり、昨年の美祢市ではトークショーや金子みすゞの詩の朗読、オカリナ演奏、マジックショーなどをした。シンボルカラーの紫色のTシャツなどグッズも販売した。
 今回の開催に向けて実行委員や、会場の設営、ルミナリエの設置など当日のボランティアスタッフ、参加チーム、メッセージのルミナリエを募集中。
 参加協賛費はサバイバー、高校生以下は無料、そのほかの人は500円。随時、ホームページで情報を発信しており「リレーフォーライフ山口」で検索できる。山口市の県予防保健協会内にある実行委員会事務局の電話は080-8230-4165、FAX083-923-5567。
昨年の美祢市でのリレー

昨年の美祢市でのリレー

昨年の美祢市でのリレー

昨年の美祢市でのリレー

ルミナリエが並ぶ会場=昨年の美祢市

ルミナリエが並ぶ会場=昨年の美祢市

市長、副市長1カ月減給

【周南市議会】防災行政無線工事の遅延で、工事費の増額も可決
 周南市が整備を進めている防災行政無線と無線LANの整備工事が約半年遅れている問題で、市は木村市長と住田英昭副市長を1カ月間減給10分の1とする議案を15日の市議会で提案し、企画総務委員会(岩田淳司委員長)での審議を経て全会一致で可決された。
 遅延は当初の設計に不備があったためで、設計の見直しに伴って7,560万6,000円を増額する補正予算もすでに可決されている。この日は工事請負契約の金額を5,654万7,720円増額して12億4,454万7,720円にし、当初の2018年10月末までの工期を19年3月25日までに変更する議案も提案、可決された。
 企画総務委では減給の議案について市長に出席を求めて質疑があった。市長は「市長として大変申し訳なく思っている。具体的な形で示したいと思い、けじめとして減給をお願いする」などと説明。当時の担当職員だった企画総務部長、総務部次長兼防災危機管理課長に厳重注意を考えていることや、副市長の減額については職員全体の監督責任を有するという立場からだと理由を述べた。
 採決は全会一致で可決され、その後に減給議案に対して「今後、実施設計業者の責任に対する行政側の対応を明確に示すこと」「今回のような設計変更による工事遅延問題などの再発防止へ行政組織としての改善策を明確に示すこと」を求める付帯決議案も提出されて全会一致で可決された。
 この日の議会では一般会計補正予算案などあわせて14議案を可決。2件の陳情を採択し、現行の高額療養費制度、高齢者の窓口負担の継続、介護保険制度の現状維持を求める意見書採択を求める陳情は賛成少数で不採択▽国民宿舎湯野荘に対して現行の観光施設としての形態の存続などを求める陳情は可決した。
 議案の審議はこの日までで、会期末の22日は申し合わせで1年ごとに改選している正副議長などの議会人事がある。