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敬老祝い金・周南3市に特徴

【金曜記者レポート】下松市は75歳以上全員に 対象者、負担額は右肩上がり

 9月18日の“敬老の日”に前後して周南3市では敬老祝い金(周南市は長寿祝い金)が高齢者に配られた。配布の対象や金額は3市それぞれだが、3市ともほとんどの対象者に民生委員が直接手渡して安否や健康状態を確認する機会にもなっている。内容を比較してみた。(山上達也)

民生委員から敬老祝い金を受け取る中村さん=下松市桜町

民生委員から敬老祝い金を受け取る中村さん=下松市桜町

【下松市】75歳全員に一律5,000円
 下松市は75歳以上の市民全員に毎年1人5,000円を現金で支給している。2000年4月に初当選した井川成正前市長が「今の日本を築き上げた高齢者は市民みんなの宝物。感謝の気持ちを市を挙げて表したい」と選挙公約を実行する形で同年9月から導入した。
 対象者は年々増えて今年度は全人口の約15%の8,625人に支給した。支給総額は4,300万円を超える。
 配布方法は民生委員が受け持ちの区域の対象者を一軒々々訪問して現金の入った封筒を本人に渡し、受領印をもらう。そこでのやり取りで安否や健康状態を把握して民生委員活動に生かしている。老人ホームや病院など施設の入所者には市職員が届ける。
 桜町の一部を担当する民生委員の中村一男さん(69)は91人を担当。受けとった桜町2丁目の中村菊代さん(91)は「毎年このお金で服を買い替えています。どんな服を買うか、楽しみです」と話す。中村一男さんも「接点の薄い人でもこの制度があるから最低でも年1回はお目にかかれる。届ける件数の多さは苦になりません」と話す。
 県内では70歳代以上の全員に毎年支給しているのは下松市と和木町だけになっているが、小林樹代史市健康福祉部長は「感謝されており、縮小や廃止は考えていない」と現在の形で続ける考えを示している。

光市の商品券とのし袋

光市の商品券とのし袋

【光市】市内共通商品券で節目支給
 光市と周南市は節目支給。光市は88歳に1万円、99歳に2万円、100歳以上は3万円を敬老祝い金用に市が発行する市内約130店で使える共通商品券で配布している。今年度の支給総額は520万円。
 商品券を入れるのし袋は結婚式で使うような豪華なもので、上書きは一筆々々すべて毛筆による手書き。さらに100歳以上の人には市社会福祉協議会と県共同募金会市委員会からのイオン商品券5,000円も添えている。
 配布は民生委員が受け持ちの地域を回り、安否や健康状態を確認するのは下松市と同じ。市高齢者支援課の藤岡信高齢福祉係長は「右肩上がりで対象者は増加しているが、高齢者に感謝の気持ちを込めて制度を続けたい」と話す。

周南市長名入りの祝賀メッセージ

周南市長名入りの祝賀メッセージ

【周南市】市長名の祝賀メッセージ添えて
 周南市も88歳、99歳、100歳以上に支給し、いずれも1万円を現金で支給している。総額は980万円。
 昨年まで88歳と99歳にはフォトフレームを記念品として添えていたが、今年度から100歳以上を含む全員に木村市長名の祝賀メッセージを添えて配っている。配布はやはり民生委員が受け持ち区域の対象者に届けている。
 周南市が発足した2003年から05年までは下松市と同じ75歳以上の市民全員に5,000円を支給していたが、以後は現在の形になった。
 さらに縮小を求める声は市議会にもなく、市高齢者支援課の神本佳代高齢者支援担当係長は「受け取った高齢者からお礼のはがきをいただくことも多い。できるだけ長く続けられるように努めたい」と話している。

周南3市の敬老祝い金の支給状況(9月1日現在)=本社調べ

周南3市の敬老祝い金の支給状況(9月1日現在)=本社調べ


 少子高齢化が進み、所得の再配分が現役世代に比べて高齢者世代に手厚いとして高齢者への医療や介護など社会保障制度を見直す流れにあるが、周南3市では高齢者の長寿を祝う制度は、これからも続けられそうだ。