一言進言

明治維新150年、どう取り組む?

~若者たちが勇気を持てる活動に~
今年は明治維新150年。山口県は盛り上がるだろう。萩や下関方面は特に盛り上がるだろう。史跡や逸話も多いから当然だ。多くの若者が国のあり方を語り、決起し、殺し殺された歴史を刻んできた。外国とのかかわり方が大きなテーマだった。250年も続いた徳川幕府の消滅は想像できない変化だったろう。
歴史はあくまで歴史だ。ある作家は、吉田松陰などはテロリストだったと書く。勝った方は美化されるが、敗者は悪者にされる。会津藩士が明治政府の高官になって書いたものでは、長州藩は野蛮な集団だったとある。戦いで敗れた会津藩士の亡骸を葬ることさえ許さず、放置していたそうだ。農民を組織して兵隊にしていたから、武士道などあるわけなかった。
ともかく、ここ周南地区では維新150年がピンとこない。観光に利用しようにも、これと言った有名な人もいない。しかし、毛利藩内部では佐幕派、勤皇派の争いはし烈で、多くの犠牲者が出た。県は維新150年を観光に使おうと必死だ。材料が乏しい周南地区はどうするか。
まずは市民に地域の大変革の歴史を伝えることだ。行政の仕組みが大きく変わったこと、武士がいなくなってどう生活が変化したか検証すること。世の中の大変化に先人たちはどう対応したのか知ることが、今日の私たちのヒントになるかもしれない。多くの逸材を輩出した背景を探ることも重要だろう。
歴史ものは関心がある人と、そうでない人の差が激しい。歴女が増えたと言うが、少数派だ。子どもたちに維新を伝えるのはさらに難解だ。高杉晋作や坂本竜馬などを通じて維新は語られる。ここ周南地区も維新で大きく動いたことを、わかりやすく明快に解説して見せたいものだ。この地でも、志を持った若者たちが、物を言い、行動していたことが重要だ。
当時日本を動かす中心にいたのは、多くの20代の若者だった。どこにそんなパワーがあったのか。歴史を知ることで、子どもたちに勇気と熱情を感じてもらえるかもしれない。維新150年を、観光ではなく、地域の若者たちへのメッセージづくりとして取り組むのも意味がある。(中島 進)