ヘッドラインニュース

ふるさと納税“収支”

[金曜記者レポート]
周南市、下松市は“赤字”に
周南3市のふるさと納税“収支”
流出超で悲鳴

 生まれ育った故郷など、応援したい自治体に寄付すると住民税などが軽減される「ふるさと納税」制度。全国的に利用が急増しているが、昨年度、周南3市に寄付された金額と、市民が市外に寄付することで流出した市民税の金額を比べると、周南、下松市は「赤字」、光市は「黒字」と明暗が分かれた。ふるさと納税をめぐる3市の現状を追った。(安達亮介)

ふるさと納税のウェブサイト

ふるさと納税のウェブサイト


下松は返礼品後発

 ふるさと納税は任意の自治体へ寄付することで2,000円を除いた額が国に納める所得税、地方に納める住民税から一定の限度額まで差し引かれる仕組み。限度額は年収や家族構成で変わり、実際に住民税が控除されるのは翌年度になる。
 ふるさとへの応援や、税収の異なる自治体間格差の是正などを目的に2008年度に始まった。当初はあまりなかった返礼品も各自治体で取り入れるようになり、豪華な品も扱われて、これらを比較する書籍や専用のサイトもあり、納税が返礼品目当てになって本来の趣旨からはずれているという批判もある一方で被災自治体への納税が増えた例もある。
 周南では周南市と光市は15年度、下松市は16年度に返礼品を導入し、市外在住の寄付者に対して特産品などを贈っている。

周南は大幅赤字、光は黒字に

 周南市の15年度の個人からのふるさと納税収入は1億789万3,000円で、市外の自治体に寄付したことによる市民税の控除額は3,313万円(寄付額7,773万3,000円)で、7,476万3,000円の黒字。しかし16年度は収入が大幅減の448万円、控除額は増加して6,026万6,000円(寄付額1億3,992万2,000円)で5,577万8,000円の赤字になった。
 16年度は、15年度に大口の寄付があったことに伴う収入の減に加えて市外への流出が2倍近くに増えたが、市広報戦略課は「理由がわからない」と困惑。今年度は返礼品の品数を従来の25品から100品以上に増やして収入増を図っている。
 下松市は返礼品のなかった15年度の収入が74万円、控除額がおよそ430万円(寄付額は日本赤十字などと重複があり不明)で約356万円の赤字、返礼品を導入した16年度は収入が359万5,000円へと増えたが、控除額はおよそ970万円(同)で約610万円の赤字だった。
 光市は15年度の収入が1,576万5,000円だった一方、控除額は1,059万5,000円(寄付額2,793万)で517万円の黒字。16年度も収入が2,439万2,000円、控除額が2,072万6,000円(寄付額4,729万8,000円)で366万6,000円の黒字に。16年度は返礼品の購入費やシステム使用料、送料などの経費790万5,000円を含めるとマイナスになるが、返礼品増による地域経済へのプラス効果を考慮すれば一概に赤字とは言えないだろう。

180209h
地域活性化策になるか

 全国各地で返礼品競争が過熱して「寄付の奪い合い」になっている現状。ふるさと納税制度による税収減のうち75%は交付税として国から補てんされ、中には返礼品を廃止している自治体もあるが、税収の確保は各市の重要課題。いかにふるさと納税を増やし、それを地域活性化に結び付けるか、対策が求められる。