一言進言

新駅ビルオープンでどう変わる?

~商店街の復活なるか~
周南冬のツリーまつりでもそうだが、周南市の徳山地区の底力はまだまだ大したものだ。どこから湧いてくるかと思えるほど人が集まる。イベントなどがあれば、徳山駅がそのパワーの源であることは間違いない。周南地区の交通の拠点だ。しかし、この集まった何万もの人を商店街としてうまく集客に利用できているかと言えば疑問だ。最近は多くなっている飲食店を除けば、どれだけ店の前に人が流れていても、午後7時前にはシャッターが下りる。格別、商店街としてセールするわけでもない。
街中で革手袋を売っている店を尋ねられたが、思い当たらなかった。男性用靴もわからない。本来、商店街は横に連なる百貨店だ。歯が抜けたように必要な商品が欠けているのが今の徳山商店街だ。ネット販売が急増して、ますます物販は大変な時代だ。もう従来のような商店街は望めない。では、どんな商店街なら生き残れるのか。
中心市街地ににぎわいを、と新駅ビルがオープンした。連日多くの人が集まっている。一方で、老舗の鳳鳴館書店が消えた。PH通りのドーナツ屋も見えなくなった。駅ビルが中心市街地に人を流すための施設だけに、これからが注目される。単に駅ビルに人が集まるだけでは、事業的には失敗だ。100万人集まろうが、200万人集まろうが、スターバックスがもうかるだけでは全く意味がない。
動物園が良い例だ。何億円かけて改修しても地域への経済効果はほとんどない。年間35万人とか、人が集まる。ぐるりんバスで街中とつなぐ計画だが、ぐるりんバスは大失敗してきた。田舎では子連れでバスを利用する家族はごくわずかだ。車なしの家族を見かけたことがない。土、日中心の施設で、周辺に食べ物屋が張り付かない。動物園内に周辺からの情報発信装置がない。
さて、駅ビルから街中へどう誘導するか。街中にも良い店はたくさんある。センスのいい子ども服店もあれば、メンズエステもある。もちろんそば屋も、おいしい唐揚げ屋もある。老舗の洋食屋もある。それでも街に人は流れなくなった。パンマルシェなどイベントがあれば人は集まる。しかし、他地域から出店したパン屋はもうかっても、地元の商店街にいかほどお金が落ちているのか。検証作業がない。
ある専門家は、個々の店が力をつけるかどうかが肝要で、イベントで人を集めても売り上げ増につながらない、と語る。仕入れに素晴らしいセンスを発揮する店主、どこにも負けない味を守る店。もう一度食べたい味の商品を持つ店。顧客管理を徹底してできる店。そんな店主が10人そろえば商店街ができる。行列ができる商店街になると言う。
節分の日、銀南街で巻きずしを買った。60年以上続く老舗だ。やっぱりうまい。客も切れることがない。ふむふむ、そうだ。この店を駅ビルに来た人たちに伝える方法は?(中島 進)