一言進言

効果抜群なのか?

「しゅうニャン市」キャンペーン継続
若手芸人たちは名前を売るために何でもする。熱湯に飛び込むし、危険もいとわない。必死だ。多少売れても次々に新人が出る。勝ち残る芸人は一握りだ。それなりの芸を持ってないと生き残れない。鍛えられた芸がいる。
特産品もそうだ。全国に数100万種類はある。その中でブランド化され、恒常的に人気のある商品は数少ない。近くでは宮島のもみじまんじゅう、大分の鶏の空揚げ、博多の辛子明太子など、工夫を重ね、永年培った味と信用は1、2年でできるものではない。ちょっとしたことで有名になってもすぐ忘れられる。
「しゅうニャン市」キャンペーンにまた予算がついた。結局、市職員の人件費も加算すると、7千万円か8千万円か、いや、もっとかもしれない。少し認知度が上がったそうだ。実にうれしいことだ。周南市に住んで良かった。全国に名前が知られ、子どもたちも胸を張って生きていける。鹿児島に行っても、北海道に行っても、周南市から来ましたと言えば、「えーっ!あのしゅうニャン市からですか」と言ってもらえる。
3年間限定ではすぐ忘れられる。どうせなら恒久的にキャンペーンを続けていけばいい。全国の市町村があの手この手で知名度をアップさせる競争をしている。ゆるキャラ競争も激しい。カーリングで北見市は一躍有名になり、特産品も飛ぶように売れているそうだ。
「しゅうニャン市」キャンペーンは、ふるさと納税を増やすのが目的の一つらしい。ならば、もっと徹底的にお金をかければよい。そんなに効果的な事業ならだ。思いつきならとんでもないことだ。
シティープロモーションという実態がわからない言葉が一人歩きしている。市名をブランド化するのか、市の何を売るためのプロモーションなのか。市職員は皆、理解しているのか。予算を難なく通した市議会議員の皆さんは当然よく理解してのことだろう。1億円近いお金を費やす企画がいかにも簡単に通過した。きっと見合った効果を良しと考えているのだろう。立派な議員の皆さんが、まさか税金の無駄遣いなど許可するわけはない。
先日、徳山駅のホームで小学生の女の子が看板を見て、「あっ!しゅうにゃんしだ!」と指差して笑っていた。父親らしき人は、まぁという顔をして、急いで子どもの手を引いて去って行った。ある転勤族の証券マンが、真顔で「周南市はしゅうにゃんしと読むんですか」と聞いてきた。確かに効果はある。もう一度市職員に聞こう。「周南市の誇れるものは何ですか」。(中島 進)

劣化した大人たち

~児玉源太郎ならどう言うか~
近ごろの政治の劣化を子どもたちはどう感じているのだろうか。大の大人たちが都合の悪いことは隠し、隠した人が出世して、ばれても悪びれる風でもない。製造業でも、流れるニュースは大人たちが深々と頭を下げ、隠していてごめんと言っている。指導する立場の偉い人たちが、自分を守るために平気でうそをつく。そんな大人たちを子どもはどう見るのだろうか。
立法府と行政府が一体になってうそを作る。教科書には、日本は三権分立の民主国家だと書いてある。あれはうそなのか。うそを教えているのか。国を守る大人たちが、集団でうそをつく。それでもいいじゃないかと、大人たちは平気な顔だ。国会議員や官僚たちが教壇に立つなら、何を子どもたちに教えるのだろうか。しっかり勉強して、立派な大人になるんだよと、言って聞かせるのだろうか。
大人たちが劣化している。立場を守るために政治家も企業人も何か欠けてきた。考えの違いはあって当然だし、対立を躊躇(ちゅうちょ)することはない。しかし、ごまかしはいけない。東大出の超エリートたちが記憶にないとうそぶく。担当したノンキャリアの職員を自殺にまで追い詰めても、知らないと言う。国を守る気概や、良い国を作りたいという思いなど、微塵(みじん)も感じられない。しかも厚労省、その前は文科省、防衛省などあらゆる省庁で不祥事が続出している。
超エリート集団と言われる官僚たちの姑息な振る舞いに貧しい心根を感じて、ある種、可哀そうになってくる。劣化した政治家たちの言動に振りまわされ、プライドもかなぐり捨てたのだろうか。劣化の代表作がカジノ法案だ。安倍総理は日本の伝統と文化を守ると宣言、教育基本法まで改正した。和食が世界遺産に認定されるなど、生活習慣を含め日本文化が世界に誇れるものと期待した。しかし、カジノで人を集めることに躍起になっている国会議員たちを見ると愕然(がくぜん)とする。国を挙げてカジノ建設に走る国家に将来像は見えない。
なぜこんな国になったのだろうか。立派な大人になぜなれない。児玉源太郎顕彰会の西崎博史さんから3月2日の日経新聞のコピーが送られてきた。「児玉源太郎に学ぶ」と題したコラム「大機小機」だ。児玉が唱えた「立憲主義の立場から~」など三つの事柄について書かれ、実に先見性と、見識の高さを的確にとらえていて素晴らしかった。
詳細は後日にするが、山県有朋らの権力の恣意(しい)的な拡張に反対し、天皇に上奏する前に閣議でのしっかりした議論をと訴えたとある。チェック機能、抑止力を持とうとした。軍部の独走を止めた児玉だからできたことだ。もし、児玉源太郎が生きて、今の国家運営を見ていたら、なんと言うだろうか。( 中島 進)

民への委託を進めよ

~職員減に本気に取り組め~

観光協会は、周南市では民営化されて周南観光コンベンション協会に、光、下松市は観光協会として公営で運営されている。周南市は春に開かれてきた花☆ワインまんま市場を今年からやめることにした。その前には昔から市が開いていたのんた祭をやめた。民営化したからできた決断だ。
周南観光コンベンション協会は観光案内所の運営に補助金は受けるが、土産品を売ったり、回天関係の商品を開発して、その販売利益などで運営している。花☆ワインものんた祭も設営費などの補助金は出ていたが、ほとんどボランティアによるもので、人件費をお金に換算すると莫大な額で成り立っていた。
周南市にはコンベンション協会が今までの観光課の事業を担っているので、再三、担当職員を減らしてくださいと進言してきた。しかし従来のまま、高給取りの職員を配置している。1人平均700万円の市職員に対し、同じ事業をするコンベンション協会への補助金はそれ以下だ。収益をあげることで数人の職員を抱え、あれだけの事業を展開している。最近は旅行業の資格を取り、免税店の許可も受けた。
新駅ビルはできたが、協会は中に入ることもできず。運営を委託されたカルチュア・コンビニエンス・クラブは駅ビル内に土産物屋まで開店するという。市民が力を合わせてお金を集めて民営化し、まちのポートという周南地区の土産品を扱う店まで作ったのにだ。平和の島プロジェクトを立ち上げ、回天グッズを開発、県内各地を回り、販売拠点を作ってきたのも、みんなボランティアだ。活動しているのは、周南地区のそれなりの会社経営者たちで、学校の先生もいる。
補助金を使い過ぎだと言う勘違い議員もいる。そのためにも市議会では市の職員を減らし、これだけ経費を減額したから、決して補助金は多額ではなく、むしろ大幅に経費が減ったと答弁してほしかった。昨年秋、新たに駅南と街中を結ぶ「周南みなとまつり
ミナトのミーツ」を始めた。みなみ銀座の地酒横丁も大盛況だった。そこに市職員の関与は皆無に近かった。ボランティア活動の協会メンバーに拍手だ。
周南市には、市が作ったふるさと振興財団がある。文化会館前にふるさと産品を扱うこあを運営して特産品開発などしていたが、昨年で店を閉じ、コミュニティー推進に力を入れている。完全な官営組織だ。役所がすべきこととの線引きがわからない。民間組織の強いところは、自分たちがしたいことをするから熱気が違う。地域を元気にしたい思いだけが支えだ。
行政がしていることで、民間に委託すればより効果的で、市民も喜ぶことはいっぱいある。行政改革は遅々として進まない。一番は職員数を極力減らすことだ。100万円の広告を集めるのに、数百万円の人件費を使っていないか。徹底的に業務の見直しをすれば、職員減員はまだまだ可能だ。スポーツ振興もしかりだ。コンベンション協会を見本にする覚悟が行政に求められている。(中島 進)

若者流出は大きな課題だ

~学ぶところをどう増やせるか?~


ひと昔前、田舎の自治体は「雇用を増やす」がスローガンだった。一般の人は「田舎に帰っても仕事がない」が言い草だった。首長がハローワークと一緒に企業を訪ねて雇用を増やして下さいと頼んでいると聞いた。訪問された企業の社長は、ずーっと求人を出しているが人が来ないんです、と訴えたそうだ。有効求人倍率が1.5ていどもあるなど、雇用を増やす以前に、人手不足で経営がおかしくなるところが増えている。
ここ、周南地区は、全国の地方都市と同様、若者の流出が顕著だ。周南市は毎年千人も人口が減少している。若者は1度出てしまうとなかなか帰ってこない。特に女性の流出が激しい。なぜか、将来のために学びたい学校が少ないからだ。
今度、下松市に歯科衛生士の専門学校が進出する。若者を引き留めるのに役立つに違いない。特に女性が学ぶ場所の誕生は、最近では朗報だ。公立高校の統廃合が進んでいる。それに対して3市の取り組みは何もない。今こそ県に、統廃合受け入れの条件として、若者が地元に定着できる学科新設を訴えるべきだろう。市川光市長が提案したが、いま一つ県の動きがない。
最近、夜のコンビニエンスストアや居酒屋で顕著なのが、アジア系の留学生のアルバイトだ。留学生たちが、日本の若者に変わって活躍している。いずれ本国に帰る若者たちだ。居酒屋もそうだ。片言のベトナムからの留学生。ネパールからの留学生などで何とか経営を続けている。日本の若者が急激に減少している証拠だ。
高齢化が急速に進む地方都市の大きな課題は、看護師や介護士不足への対応だ。地域に学ぶところも少ないのに、どう他地区から若者を集めるか。立派な施設をどれだけ作っても、若者がいないことには宝の持ち腐れだ。
公民館もお年寄りのたまり場になっていないか。若者たちに利用してもらえる工夫をしているか。今こそ、若者定住をキーワードに、考えられるあらゆるメニューを考える時だ。
公立高校の入学試験が始まる。応募が多いのは圧倒的に資格が取得できる学科だ。普通科は軒並み定員ぎりぎりか、定員割れだ。なぜ大人たちは若者たちの要求に応えないのか。地元で学び、地元で働ける環境を作ることがどれだけ若者を救い、地域を救えるのか、明白な答えがあるのにだ。
大人たちに聞こう。周南地区に住んでいるが、農業の勉強はどこでできるんですか。調理師の勉強をしたいけどどうすればいいですか。美容師になりたいけど……ちゃんと答えられる大人はいるのか。(中島 進)