一言進言

下松市議選も高齢化

~人材育成に取り組もう~
9回裏2死からの逆転ホームランのように選挙戦になった。人口5万7千人超の下松市で、直前まで市議会議員選挙の無投票が確実視されていた。地方自治への関心が薄くなってはきているが、これほど低調なのも珍しい。4年前もぎりぎりで定数を超える候補者が出現、無投票が避けられた。市民の間から定数を減らせの声が上がるのも無理はない。
なぜ議員になろうとする人が少ないのか。報酬が安く、生活するのが困難だとの声もある。市政が安定していて、論争するテーマがないともいわれるが、論点はいくらでもある。道路行政も一部に偏っていてまだ不十分だし、子育て環境も十分とは言えない。議会が行政の監視役としての役割をしっかり果たしているか。あまりにも与党的になってはいないか。
今回の候補者で一番若いのが47歳だ。せめて30歳台が1人、2人いてもおかしくない。若者がこれほど地方に関心を持てない時代なのか。青年会議所や商工会議所青年部など、地域に関わる活動をしている若者は少なくない。郷土愛もまだまだ廃れていない。ここは一度、行政と議会が一緒に、若者への政治参加をどうしたら増やすことができるか、真剣に考える時だろう。県議会議員も含めてだ。
市議会議員は団体や地域、企業を背景に持つ人が多い。しかし、世代を代表している側面もある。若い世代を背負う議員が1人もいないのは不幸だ。若者対策を年寄りたちが議論しても、良い結果が出るとは思えない。下松市だけの問題ではない。投票率の低下など、地方の危機的側面でもある。新聞など読まないとか、ネット社会になって、地域に目を向けない。足元の事柄に無関心な若者の対策は急務だ。
ひと昔前は各地に青年団があって、地域のことを勉強し、活動して若者が政治家になった。河村和登元周南市長や故藤井真県議など、地方を担った青年団出身者が多かった。選管による青年法政大学という勉強会もあった。
青年団が姿を消したのはいつだったか。コミュニティー組織はできたが、若者が少なくなって育てる環境がなくなった。官民あげて若者を育てる組織ができないものか。人材育成は地方の根幹を作る。(中島 進)