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周南3市の生活保護現状は?

【金曜記者レポート】
世帯数 ほぼ横ばい
周南3市の生活保護現状は?

 病気など何らかの原因で働けなくなるなどして収入が途絶え、生活が立ち行かなくなった場合のセーフティーネット(安全網)となる生活保護制度。厚生労働省によると、全国的には2007年以降の世界金融危機で受給者が急増したが、近年はほぼ横ばいになっている。周南3市ではどうなっているのか、現状をまとめた。(安達亮介)

周南市は「2級地-2」
 生活保護制度は生活困窮者に憲法で定められた“健康で文化的な最低限度の生活”を保障するとともに自立を助ける公的扶助制度。必要に応じて生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の八つに分けて支給される。
 受給者の大半が対象となる食費、光熱費などの生活扶助は地域によって基準額が変わり、6階級の上から4番目の「2級地―2」の周南市の場合、30代の夫婦と3歳の子ども1人の3人世帯で約14万1,000円、65歳の単身世帯の場合は約7万円。級地が上から5番目の「3級地―1」の下松、光市ではこれよりわずかに低くなる。
 加えて医療扶助や家賃の住宅扶助も受給者の大半が利用している。これらに伴い、3市の2016年度の扶助費は1世帯当たり年間200万円(月額約16万7,000円)前後となっている。

周南減、下松横ばい、光増
 厚労省によると、2017年2月時点の生保受給者数は全国で約214万人で、15年の約216万人をピークに減少に転じている。しかし65歳以上の高齢者世帯は増加傾向にあり、被保護者のうち約45.5%は高齢者。
 周南3市では周南市が12年度は世帯数1,263世帯、被保護者1,594人だったのが16年度は1,212世帯、1,469人と減少。生活保護の開始世帯数で見ると、09年度は275だったが減少傾向が続き、16年度は122で廃止世帯数144を下回っている。
 下松市は12年度の349世帯、433人から16年度は351世帯、443人と大きな変化はない。一方、光市は12年度が305世帯、431人だったのが16年度は365世帯、455人と微増している。
 保護率は全国平均が1.7%なのに対して山口県は1.07%(14年度)。県内19市町別では宇部市が1.83%で最も高く、周南市は1.08%、光市は0.8%、下松市は0.79%で、阿武町が0.46%と最も低い(13年度)。
 近年、保護率が安定状態になったのは、人手不足から就業しやすくなっていることや、15年に生活困窮者自立支援制度が始まったことなどが要因と考えられる。しかし世界金融危機以前に比べるといまだに高い水準にあり、高齢者の受給が増えて、65歳以上が半分近くを占めていることから、少子高齢化社会の中では今後大きな減少は見込めない現状となっている。
 国による扶助額の減額も進められて影響が懸念される一方、一部の人の不正受給の発覚は、働いて税金を納めている市民に不公平感を与えている。
 正しく運用されれば貧困の連鎖を断ち、犯罪抑止にもつながる大事な制度。よりよいあり方を検討しつつ、制度を維持していくことが求められるだろう。

180518h

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