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3市で10年間に117件

【金曜記者レポート】
公用車の事故根絶に全力
ペナルティーや市長辞令

 周南3市で公用車の交通事故を抑止する取り組みが進んでいる。損害賠償を伴うため市議会に報告されるが、3市の交通事故件数は2008年度からの10年間で117件にのぼる。事故の現状と事故抑止の取り組みを探った。(山上達也)

 公用車は各市の本庁や支所、公民館(市民センター、コミュニティセンター)などの出先機関に配置されている。3市ともほぼ全職員が運転免許証を持ち、各市とも安全運転の励行の啓発に力を入れているが、損害賠償を伴う事故は残念ながら起きている。
 事故に伴う賠償費用は基本的に全国市有物件災害共済会から支払われるため市財政に直接の影響はなく、保険の掛け金も事故の有無にかかわらず変わらないシステムという。
 市の業務は多岐にわたり、各市とも多くの職員を抱えていることから一定数は避けられないともいえるが、限りなく事故をゼロにする努力が求められ、各市とも職員の交通安全への意識の向上に力を入れている。

【周南市】
課全体で公用車洗車ペナルティー

周南市の「交通安全運転の心得10カ条」

周南市の「交通安全運転の心得10カ条」

 市域が広範囲で350台の公用車を運用する周南市は、公私を問わず交通違反で違反点数が1点でもついた場合、その職員が所属する課全体が「連帯責任」で全員で公用車の洗車をする。
 行政管理課の穴田典子主幹兼行政安全対策室長は「安全運転の意識付けが大切。連帯責任を負うことで多くの職員に安全運転の意義が伝わる」という。各職場に「交通安全運転の心得10カ条」を掲示しているが、議会に公用車の事故が報告されなかった年度はない。
 損害賠償を伴う事故を起こした場合、過失割合や事故の程度によって訓告などの処分が科される場合もある。

【下松市】
市長名で「安全運転」辞令

下松市長が全職員に発行している辞令

下松市長が全職員に発行している辞令

 2005年に5件の損害賠償を伴う公用車事故があった下松市は同年、井川成正市長自身が約500人の職員一人々々に毛筆で書いた「安全運転の励行」を求める辞令を発行した。その成果もあり、翌年度は1件に激減。国井市長が就任して以後も市長名の辞令を各職員に発して安全運転の徹底を図っている。
 それでも初歩的な事故が多いのも事実。交通事故を起こした職員に対するペナルティーはなく、議会では「民間並みに懲戒処分は課さないのか」と厳しい声が上がる。
 職員は5年ごとに交通安全研修を受けているが、藤本泰延総務部長は「交通安全の要綱を他市の事例を含めて研究、検討する」と話している。

【光市】
公私問わず減点で交通立哨

 光市の取り組みもユニーク。公私を問わず交通事故や違反で点数が1点でもつけば所属長を通じて市長に報告し、市役所本庁前の交差点で始業時間前までに立哨活動をしなければならない。もし所属長への報告を怠れば、判明した時点で1.2倍の処分が科される。
 それでも事故は根絶できない。昨年は運行を民間に委託している市営バスが乗用車に接触する事故も起きた。
 小田哲之総務部長は「全庁的な対策をとり続けるしかない。軽微な違反でも必ず市長まで報告を上げるのは、交通安全の意識付けの徹底のため。この繰り返ししか予防策はない」と話している。

180525h

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