一言進言

欧米化進む大企業

~地域との関係希薄にならないか~

グローバル化の波は地方にも押し寄せ、いろんな面で体験するようになった。郊外に大手資本の店が乱立、小売業への影響はすさまじく、街中から店は消え、地域の商業地図は大きく塗り替えられた。電気店、ドラッグストアなど大手資本の進出で、地元店の多くは傘下に入ったり、買収や廃業を余儀なくされた。
大企業も大きく様変わりしてきた。創業200年を超す武田薬品工業の社長はフランス人。最近は外国の製薬会社買収で7兆円という話題で盛り上がっている。株価は6千円台から4千円台へと急落した。それより、光工場と地域との関係などは二の次という感じが強くなった。グローバル企業に光市の存在など目に入らないだろう。もはや日本の会社ではない。
日新製鋼は新日鉄住金の子会社となり、徳山鉄板からの歴史に終わりを告げようとしている。出光興産も上場の末、昭和シェルとの合併話で注目され、グローバルな会社に変身を遂げようとしている。外国資本に対抗した民族資本としての立場も消滅しようとしている。徳山が製油所発祥の地というのは死語になるかもしれない。東洋鋼鈑は来年4月、東洋製罐の完全子会社になる。
会社の歴史が消えることにちゅうちょしなくなった。世界経済の流れではあるが、社風も大きく変化する。出光の家族主義は日本的な伝統を残す貴重な存在だった。あれだけの会社で労働組合もないのは珍しかったが、今後は変わるかもしれない。多くの会社が欧米の合理主義に走りだした。中国資本の攻勢もすさまじい。いったい企業理念はどこに向かうのか。
何より心配なのが、地域とのつながりだ。歴史を捨て去るのと並行して、地域との関係が希薄にならないか、いや、すでに希薄になりつつあるのが気掛かりだ。どの企業も地域社会への貢献を大きく掲げていたが、世界に目を向けている企業に、地域社会の動向は取るに足らない事象として受け止められていないか心配だ。一部の企業は寄付金などの減額が始まっている。
企業からの市議会議員も激減してきた。地方政治への関心もグローバル化が理由かはわからないが、大きく減少してきた感じもする。投票率の低下に関係しているかも知れない。
企業城下町として発展してきた周南地区で、企業のグローバル化は確実に変化をもたらしている。各自治体も地場企業の育成にもっと力を入れないと、一気に空洞化が進む危険を抱えるかもしれない。難題だ。(中島 進)

高校がなくなる!

~無関心な自治体、政治家~

周南でも各市で市立幼稚園の統廃合が進むなど少子化の波は止まることを知らない。一昨年、県は高校の再配備計画を発表、高校関係者に衝撃が走った。対象になった12校のうち周南地域は熊毛北、華陵、南陽工、そしてすでに地元での説明会も終えた光丘の4校。分校も募集停止の対象に入っている。徳山の徳山北分校と鹿野分校だ。
中山間地区の小中学校はすでに統廃合され、人口減少は加速度を増した。それでも若者定住をと自治体は躍起になって移住者を募る。農業者は特に手厚く支援し、移住促進を図っている。学校はなくして、子育て世代を募る。数人の子どものために学校は運営できないと言うのなら、若者に移住を勧めるのはやめた方がいい。
親にとってその地域に子どもを行かせたい学校があるかどうかは大きな問題だ。通学圏内に選択肢が多いところを生活の根城にしたいと思うのは自然だ。高校は子どもの将来に関わる重要なポイントだ。進学か、就職かの別れ道でもある。
今回の高校統廃合が示されて一番驚いたのは、大人たちの無関心さだ。特に行政、政治家の無反応にはあきれてしまった。2年前、周南3市の市長の座談会で、市川光市長が地域として取り組もうと呼びかけたが、その後全く動きはない。県の仕事だが、対象は地域の子どもたちの将来だ。市議会も何ら反応がない。県議会議員も動かない。一体どういうことだろうか。
今年から全国的に高校生がどんと減少していく。いわゆる18年問題だ。いかに若者たちを地元に残していくか、今までとは違った取り組みをすべき時だ。高校の数も合理的に考えると減らすべきだろう。一方、高校教育の有り様を考え直すチャンスでもある。地域には、今後、深刻な人手不足が待っている。解消に向けて、高校の統廃合は最大のチャンスだ。どんな教育を求められているか、地域のニーズに合ったきめ細かさが必要だ。医療、福祉関係は、サービス業関連ではどうか。いくらでもニーズはある。
県は総花的な施策しかできない。各地域の自治体が、もっと細かい要望を出し、それを各地域の県議がつないでいくことが肝要だ。市議会も県の事業だからと敬遠せず、もっと論議して要望をまとめる作業が必要だ。今からでも遅くない。高校統廃合を機に、新しい、地域にあった高校教育とはどんなものか、知恵を出し合おう。これからの地域を担う若者たちのために。(中島 進)