一言進言

18歳で国家体制を決める役割

~制服姿の成人式はどうなる?~

若者に限ったわけではないが、政治に関心を持たない人が増えた。先日の防府市長選挙も投票率46・68%と低調だった。市を二分する市長選でこの低さはどうだろうか。直接生活に直結する地方自治体の選挙とは思えない。年代別の投票数はわからないが、18歳から20歳までの若者たちは、おそらくもっと低かっただろう。
18歳からを成人とする民法改正案が今国会に提案され、衆議院で可決された。成立すれば2022年4月1日の施行という。各地の成人式も開催が問題になっている。受験生が対象に入り、式典どころではない。そもそもなぜ18歳を成人扱いにしたのか。選挙権だけでなく、ローンの契約など、多くの権利も与えることになる。高校生たちが権利を求めたわけではない。
高校では政治活動は禁止されている。なのに選挙権は与えると言う。学生運動が盛んな時、反戦高校生たちがヘルメットをかぶってデモをしていた。退学になる高校生がいた。学外でのデモ参加などは自由になるのだろうか。成人の定義を少々変えるのだろうか。稚拙な法律制定としか思えない。考え方が固まっていない。
酒やタバコはだめだ。18歳から働く若者は多い。社会人として納税もしているのに、会社の宴会に参加してもお酒はだめだ。成人式では「大人として責任を持てる人間として生きていきます」と宣言する。大人として、罪を犯しても平等に扱われる。容疑者として名前も公表される。
万引きしても、大人は名前が記事に出る。高校生で万引きして世間に公表されたら、その後の人生にどう影響するのだろうか。少年法という枠の中で守られていた犯罪の扱いも難しくなる。国家の体制を決める権利を与えるなら、義務も大人と同様に扱うべきなのか。ほとんどの子どもが高校に行く時代で、整理がつかないまま法案が通る。
一方で、大人の自覚のない人も目立っている。平気でうそを言い、公文書を勝手に書き換える人もいる。学生に犯罪もどきのことをさせる大人もいる。18歳に大人の自覚をと語ることのできる大人はどれだけいるのだろうか。高校の制服を着た若者が、これからは成人式で、成人の誓いを述べるのだろうか。彼ら、彼女らに大人の自覚を持ちなさいと言える社会を目指すのが、今の大人たちの義務だ。まずは義務を果たす努力をしよう。(中島 進)