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「運動会は秋」崩れる

[金曜記者レポート]
熱中症対策で5月開催急増
小中学校の運動会

 かつては運動会といえば秋に開かれるのが一般的で、秋の季語にもなっているが、ここ10年ほど前から全国的に5月に開く学校が増えている。周南3市でもその傾向が強くなってきた。現状と現場の声を追った。(山上達也)

地域と合同の小規模校は秋が主流

 運動会、体育祭は保護者や地域住民も足を運んで、学校を核に地域の交流の場の機能を果たしてきた。
 昭和の時代から長らく9、10月に開かれ、小学校は特に低学年児童に十分な練習時間が必要という考えから、中学校も1学期は多くの学校で3年生の修学旅行の時期に当たることもあって「運動会は秋」が定着してきた。
 しかし近年の猛暑による熱中症対策で、小学校の運動会の5月開催も多くなった。

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 下松市と光市は地域と合同で運動会を開く小規模校は9月に開催しているが、そのほかはすべて5月の開催に移行。周南市は5月と9月がほぼ半々だが、9月開催の小学校は熱中症対策のため午前中で閉会する場合が増えている。

低学年の演技習熟度に課題

 下松市の下松小(701人)も6年前から5月に開いている。藤本哲城校長は「1年生は入学して1カ月で運動会になり、練習を十分に飲み込めない児童も多い。しかしそれも経験。保護者も温かく見守ってくれている」と話す。気温が高くなく、快適に演技できることが児童にも教職員にも好評という。
 光市でも小学校11校のうち9校が5月の開催。市教委は「熱中症対策もあり、練習も本番も快適にこなせる5月開催が主流」という。
 周南市は学校の規模によらず5月開催と9月開催が半々。多くの学校が児童・生徒、保護者や教職員の意見も聞いて、学校現場で判断しているようだ。

午前中で終了の運動会も

 再来年3月末で休校する下松市の米川小(15人)は地域と合同の運動会で、9月開催を変えていない。山間部のため9月でも熱さがそれほど厳しくないという事情もある。大野真司校長は「地域全体が子どもを育てる伝統が根付いており、運動会は地域最大の行事。学校単独の行事ではないし、春にしようという声も地域にはない」と言う。
 周南市では秋月小など小学校6校が午前中で終了するプログラムを導入。昼食前に帰宅させる学校がある一方で、持参させた弁当を運動会の後に食べさせる学校もあり、対応はまちまちだ。

地域社会で果たす役割を再考

 今でも運動会の昼食時間には校庭内にシートを敷き、子どもとその家族が一緒に弁当を食べる姿が見かけられる。そのため、明け方から場所取りを目的に校門の前に行列を作る保護者がいる学校が周南3市でも多くある。
 運動会は文部科学省の学習指導要領では「特別活動」に相当する。学校行事の「健康安全・体育的行事」に位置づけられ、連帯感、協力心、協調性、団結力の育成が目的とされる。
 3市とも運動会で熱中症で倒れた児童・生徒はここ10年はいない。小学校で運動会の開催時期が多様化している今、コミュニティースクールの推進と連動させて、運動会の持つ意義や役割を地域社会の中で再考することが必要となっているのではないだろうか。

【きょうの紙面】
(2)中国5県交通安全功労で糀谷さん表彰
(2)15日に徳山大でLGBTセミナー
(3)徳山ビジネス専門校が有楽ホテル跡にセミナーハウス
(4)全国障害者スポーツ大会などに周南から10人

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