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進まぬ野犬対策

[金曜記者レポート]周南市長選の焦点に

 周南市で今年度、住民が野犬にかまれてけがをする事案が4件起きている。周南地区は保健所による犬の捕獲数が全県の6割を超す「野犬王国」。行政の対応は成果を上げられず、増加に歯止めがかからない。野犬対策を地域課題に挙げる市民は多く、4月の市長選で焦点の1つになりそうだ。(井藤進吾)

周南緑地の駐車場をうろつく野犬

周南緑地の駐車場をうろつく野犬

 駐車場を取り囲む草むらから「カサカサ」と草の擦れる乾いた音がする。目を向けると野犬が群れをなしてうろついている。
 周南緑地公園。市民のスポーツと憩いの場も近ごろは野犬の巣窟(そうくつ)の悪名で知れ渡るようになった。
 昨年5月~今年1月、久米政所の路上で住民が野犬に脚をかまれる被害が3件発生し、70代女性ら男女3人がけがをした。平原町の住宅街でも2月21日、60代女性が襲われて足を負傷した。現場はともに緑地公園から半径1.5キロ圏内で、緑地に生息する野犬が行動範囲を広げた可能性がある。
 市に寄せられた野犬に関する苦情は昨年4~11月で223件に上る。地区別では桜木30件、秋月29件、岐山、久米が24件ずつと緑地公園周囲の地区が目立つ。
 県周南環境保健所管内の犬の捕獲頭数はグラフの通り。昨年度は1032頭で全県(1680頭)の5分の3を占める。年度別でも増加の一途で特に2016年度は前年比175頭増、昨年度は174頭増と200頭に迫るペースで増えている。

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 増加の最大の原因は自然繁殖だ。緑地で定期的に餌を与える個人、グループがいて増殖を促している。彼らは善意で餌やりをしていると思われるが、その行為は結果的に住民に迷惑をかけ、不安がらせている。けが人の出る局面に発展した以上、迷惑で済む話ではなくなった。
 市は緑地公園の餌やり現場は4カ所とみている。保健所と協力して巡回を重ねているが、行為者の特定に至っていない。
 市は11年、迷惑行為禁止条例でペット以外の動物への餌やりを禁じ、違反者には氏名を公表する制裁を科すと定めた。だが、条例化後8年間1度も適用されたことがなく、空文化している。
 制裁適用の前提となる餌やり行為の現認もなく、監視の甘さが指摘されている。保健所も人的被害のあった現場におりを仕掛けて捕獲を試みているが、危害を加えた犬はまだつかまらず、不安は解消されていない。
 50代の男性会社員は「野犬対策は一義的には保健所を持つ県の仕事なのだろうが、市も無関心ではいられないはず。今度の市長選の候補者がどう考えているのかを知り、投票行動の判断材料にしたい」と、野犬問題が市長選の焦点になるべきだと考えている。

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