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市民の心つかむのは?

[周南市長選・市議補選]
争点希薄“ワン・ニャン”選挙!? 木村氏VS藤井氏

 周南市長選が告示される4月14日(投票21日)まで1カ月になった。これまでに出馬を表明したのは現職で3期目を目指す木村健一郎氏(66)と8日に4期務めた県議を辞職した藤井律子氏(65)。両陣営とも地区ごとに集会で支持を訴えている。市民の批判が強い「しゅうニャン市」や災害時の対応、職員の官製談合法違反など課題を抱える中での市長選。争点は何なのかを探った。(延安弘行)

“共に”への共感求める

 10日に菊川市民センターで地元の小林雄二市議会議長らも参加して開かれた木村氏の市政報告会。50人の参加者を前に、スクリーンに映像を映しながらの木村氏の報告は謝罪や疑問視されてきた政策についての説明から始めた。

「ガンバロー」の木村氏

「ガンバロー」の木村氏

支持者と握手する木村氏

支持者と握手する木村氏

 入札前に設計金額を業者に漏らしたとして職員が官製談合防止法違反に問われている事件では「私の指示で警察に相談したことが事件の発覚につながった。再発防止は市長である私の使命」と強調。
 死者も出た昨年の7月豪雨災害で災害対策本部を設置しなかった問題では災害対応で21項目を見直したことや、4月に防災情報収集伝達システムが稼働することを説明して「全国でも最高のシステム」とした。
 公設民営の徳山駅前図書館の指定管理料として年間1億4千万円を支払っていることには人件費、高熱水道費を含み、365日開館、周辺ではイベント開催など新しい動きが出ていると説明した。
 シティプロモーションの「しゅうニャン市」プロジェクトでは4,600万円を投入したが、ふるさと納税が以前の20倍になったのはこのプロジェクトによるものと主張した。
 ボートレースからの繰入金を積み立てる子ども末来夢基金の創設、基金を使った中学生までの医療費無料化、年中無休で高齢者などからの相談に応じる「もやいネット」、地域の夢プラン作成などを実績として取り上げた。国とのパイプも作ってきたとも述べた。
 今後の事業では市民館跡に国の合同庁舎を建設、市民ホールを入れることも検討していると述べ、バイオマス材生産モデル事業を取り上げて「まちが大きく動き始めた。加速させるのは現職の市長だからできる」と強調。選挙に向けたスローガンの「“共に”挑む。」への共感、理解を求めた。
 最後は「ガンバロー」三唱で盛り上げ、参加者の帰り際は木村氏夫妻が握手して見送った。

「市民の声に推されて」

 この日、久米市民センターでは「藤井律子を励ます会」が開かれた。藤井氏を支援している市議の青木義雄、福田健吾、古谷幸男氏も参加し、115人が集まった。
 藤井氏が最初に語ったのは、なぜ市長選に鞍替えしたのか。昨年12月まで県議選に向けた後援会活動をしていたが、支持者を回る中で「しゅうニャン市」への不満から市長選への出馬を求める声を多く聞いた。官製談合法違反による逮捕の影響でこの声は1月になっても高まるばかり。この市民の声に推されて1月16日に決意し、2月2日に記者会見した。

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支持者と握手する藤井氏

支持者と握手する藤井氏

 責任感、正義感、使命感から「私自身が決めたこと」とし、政策ではまず「誇りと品格のあるまちを取り戻したい」と述べ、「しゅうニャン市」を批判。7月豪雨災害発生後の全国キャラバンは取りやめるべきだったと述べた。
 次に「公平公正で透明性のある市政」で官製談合が起こらないようにしたいと述べ、県、国とのパイプを生かして産業基盤を整備、経済を元気にしたいと述べた。
 続いて強調したのが「人の意見を聞く市政」。具体的には子育てにやさしいまちにし、障害者や高齢者など弱者を大切にし、中山間地を守りたいと述べ、特に「すべての子どもが幸せになる、家庭の喜びを知ることができるまちにしたい」と述べた。
 市民の声を聞く例として野犬問題を指摘。県と市の役割分担をきちんとし、捕獲は県、えさやりの摘発は市が担当することや、巣穴をなくす太華中そばの竹林伐採も紹介した。16年間、県議として活動した経験を活かして「次のステージに進み、住みやすい周南市を作りたい」と訴えた。
 最後は「ガンバロー」コールで締めくくった。帰り際の握手では集会の興奮からか藤井氏に抱きつく支持者もいた。

接点も多く、重なる地盤

 木村氏と藤井氏。いずれも周南市で生まれ育ち、経歴を見ると似通っている点も多い。
 木村氏は1952年8月生まれ。旧徳山市の中心部で育ち、徳山高、早稲田大学法学部を卒業、81年に司法書士を開業した。徳山青年会議所や徳山商工会議所青年部で活動、周南市が誕生した2003年4月に県議会議員に当選した。
 1期務めたあと市長選に転じ、2度目の挑戦で11年5月に市長に就任。15年に再選を果たしたが、戦いの相手はいずれも現在は市議の島津幸男氏だった。島津氏は今回も立候補の動きを見せたが藤井氏支持に回った。
 藤井氏は1951年8月に中山間地の須金で生まれ、徳山高に進学。木村氏の後輩になる。卒業後は広島大学医学部付属看護学校を卒業、同大学病院に勤務していたが、79年3月に徳山市議だった藤井真氏と結婚。藤井氏はその後、県議会議員選に当選して副議長にも就任したが2001年9月に死去した。
 真氏の後継者として03年4月の県議選で初当選。木村氏と同期になる。藤井氏は県議を続け、選挙では4回連続してトップ当選。自民党県連の副会長でもある。
 4年前の市長選では終盤、保守系の国会議員や県議が木村氏を支援して大差での当選に貢献。藤井氏もその一人だった。木村氏、藤井氏とも今回の選挙では自民党に推薦願を提出している。これまで市長選は木村氏、県議選は藤井氏を応援していた市民も多く、地盤が重なっている。
 保守系同士となりそうな市長選。産業振興、中心市街地活性化、中山間地振興、防災対策、子育て支援など人口減対策、高齢になっても住み続けられる地域づくりなど、政策面では両陣営にまだ大きな違いは出てきていない。
 争点は政策以前の「しゅうニャン市」プロジェクトの受け止め方や、野犬対策への不満など市民の声、感覚をどう施策に反映させるか。リーフレットに木村陣営は「“共に”進めよう。」、藤井陣営は「市民の声を大切に」とある。どちらがより多くの市民の心をつかむか、市民の判断が注目される。

【きょうの紙面】
(2)しゅうニャン市の費用削減求め、修正予算案
(3)21~25日・ゆめタウン下松でラーメン博
(4)周南市の新上迫自治会に河川愛護表彰
(5)太華中で櫛浜婦人会が郷土料理「つしま」指導

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