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16年目の視座~周南市の課題~

 任期満了に伴う周南市長選(4月14日告示、21日投票)が近づいてきた。4年に一度の市長選は市政のありかたを見直す機会でもある。特に今回は合併特例措置が2018年度で終了することを受けての市長選。2003年の合併から合併特例債で大型施設を次々に建設し、新市庁舎も間もなく完成する。しかし、合併時から言われてきた課題が解消したわけではなく、新たな課題も浮上する。何が問題なのかを追う。

中山間地振興
人口減少、高齢化続く
目指せ、新たな産業育成

大津島は10年で半減

 バレンタインデーの2月14日、周南市で若者たちの注目を集める徳山駅前図書館1階。市の共創プロジェクトで誕生した発泡酒「島麦酒SUDAIDAI」の発表会が開かれた。大津島のかんきつ類、スダイダイを使い、昨年は330ml入りで6千本作ったが、今年は1万8千本に増やした。みなみ銀座の「まちのポート」では1本650円で販売。同図書館でも扱う。
 発表会では2年前に大津島に移住したデザイナーの松田翔剛さんと大津島コミュニティ推進協議会の安達寿富さんが島の魅力を解説した。徳山港から船で20分ほど。石切り場跡など知られていないスポットも紹介した。

「SUDAIDAI」の発表会

「SUDAIDAI」の発表会

 離島の大津島。支所や市民センター、大津島ふれあいセンター、回天記念館などに加え市は2013年に体験交流施設「海の郷」も開設した。大津島巡航の赤字補てんも続けている。生活面では道の駅「ソレーネ周南」の移動販売車を派遣する買い物支援にも取り組んでいる。
 それでも人口減少に歯止めがかからない。大津島は05年の国勢調査では人口459人だったが15年は244人と10年で半減した。今年1月末の住民基本台帳による人口は238人。64歳以下はそのうち46人。

中山間地プロジェクトの成果

 同市では大津島を含む11地区が中山間地と位置付けられている。大津島のほかは鹿野、和田、三丘、高水、八代、中須、須金、須々万、向道、長穂。周南市の面積の約7割、人口の約12%を占める。人口減少、高齢化が市域全体より進む地域。その衰退を抑制できるのか、市の課題となっている。
 15年度から19年度まで5年間の第2次まちづくり総合計画・前期基本計画の7つの主要プロジェクトの一つに「中山間地域振興プロジェクト」を掲げ、各地区の実情に合わせて多様な事業を展開している。
 地域の夢プランづくりと実践、地域の拠点づくり、生活交通の確保、地域産品のブランド化、6次産業化推進、UJIターンの促進、新規就農者など担い手の確保などの施策が並ぶ。 
 取り組みの結果、新規就農者は28年度からの3年間で67人。「トマト・わさび・ホウレンソウ・イチゴ」の産地化を進める。
 そのために技術研修と農地の確保、温室などの機械・施設、住居の確保までを一体にした「パッケージ支援」制度を創設。温室など施設の経費負担の不安を解消、若者たちが農業に取り組みやすくしている。鹿野地区では以前から特産であったわさびのブランド化へバイオ苗生産施設「あぐりハウス」で育てた苗の提供などに力を入れている。
 移住促進のための「里の案内人」の配置や交通弱者対策として生活交通システムも導入し、新年度からは須金地区と須々万地区の間でも始まる。
 鹿野地区には地域の将来計画の夢プラン策定を支援する集落支援員を配置している。コアプラザかのを増改築して鹿野総合支所を統合する計画も進んでいる。しかし鹿野地区でも05年の4,122人が15年は3,270人へ千人近く減少した。

生かしたい潜在的な力

 中山間地プロジェクトに掲げる目標は人口減少の中でも「安心して誇りをもって暮らし続けられる地域」と「人・自然・経済が循環する活力あふれる地域」。活力をもたらす新たな産業を育てることが求められている。
 旧新南陽市は1996年、米光企業団地、住宅団地を完成させ、和田小中の児童生徒数の減少を食い止めた。旧鹿野町は石鍋工業団地を造成し、町独自に住宅団地も造った。
 スダイダイやワサビ、高瀬茶や須金のナシ、ブドウなど全国に発信できる産物もある。一方で食品加工や精密機器など製造業の企業も立地し、潜在的な力は大きい。これを生かす方法はないのだろうか。

(延安弘行)

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