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[金曜記者レポート]

バイオマス発電導入進む
周南コンビナート
CO2削減アピール

 周南コンビナートで木質系燃料を燃やして発電する「バイオマス発電」の導入が進んでいる。防府市で国内最大級の発電所が試運転を始めたほか、㈱トクヤマ徳山製造所、東ソー南陽事業所、出光興産徳山事業所(いずれも周南市)が稼働を軌道に乗せたり、大規模発電設備の建設に乗り出したりしている。各社ともCO2削減に迫られ、バイオマス発電で環境対策に取り組む姿勢をアピールしている。(井藤進吾)

試運転を始めたエア・ウォーター&エネルギア・パワー山口のバイオマス発電所(防府市)

試運転を始めたエア・ウォーター&エネルギア・パワー山口のバイオマス発電所(防府市)

 防府市のバイオマス発電所はガス事業のエア・ウォーター(大阪市)と中国電力(広島市)の出資する「エア・ウォーター&エネルギア・パワー山口」が運営する。出力は11.2万キロワット。バイオマス発電では国内最大規模で発電量は福岡市全体の消費電力に匹敵する。石炭とバイオマス燃料を50対50の比率で燃焼して発電する。
 カネボウ防府工場跡に建設し、試運転を始めた。発電した電力は固定価格買い取り制度(FIT)を通じて電力会社が買い取るほか、電力小売事業者に売電(うりでん)する。7月に営業運転に移行する。
 トクヤマは徳山製造所内の石炭火力を主とする発電設備5基(出力計55.2万キロワット)のうち3基で石炭とバイオマス燃料を混焼して発電している。電力は主に所内で自家消費し、一部を売電する。バイオマス燃料の混焼率は6%で将来的に15%以上に上げて石炭の比率を下げ、CO2削減を図る。
 製造所東工場では関連会社の周南パワーが出力30万キロワットのバイオマス発電所を建設中で2022年に運転を開始する。
 東ソー南陽事業所のバイオマス発電の導入は比較的早く、08年に運転をスタートさせた。現在は6基中4基で石炭、バイオマス燃料で混焼発電し、所内で消費している。今後バイオマス燃料の比率をアップさせる。
 出光興産は徳山事業所に出力5万キロワットのバイオマス発電所を建設する。年間発電量は3億6千万キロワットで10万世帯分の電力に当たる。100%バイオマス燃料で年23万~30万トンのCO2を削減できる。電力は一部を除いてFITで買い取りを受け、22年度の営業運転開始を目指す。

晴海埠頭に陸揚げされるバイオマス発電燃料のヤシ殻(徳山下松港)

晴海埠頭に陸揚げされるバイオマス発電燃料のヤシ殻(徳山下松港)

 バイオマス発電の燃料はヤシ殻や間伐材、木質ペレットなどで主に東南アジアから輸入している。徳山下松港の晴海埠頭に15万トンを保管できる面積1.7ヘクタールの専用ヤードがあり、徳山海陸運送(周南市)が陸揚げし、各発電所に運ぶ。
 バイオマス発電化の流れは地球温暖化を招くCO2の削減が企業に求められていることが背景にある。コンビナートの発電設備は主に石炭火力で、大量のCO2を排出している。バイオマス発電はカーボンニュートラル理論でCO2は増えないと見なし、CO2抑制の有効打に位置付けられている。
 FITの浸透もバイオマス化の理由に挙げられる。バイオマス発電や太陽光発電など再生可能エネルギーで生産された電力は国が助成する有利な固定価格で電力会社が買い取る仕組みで、この制度を使って発電事業に参入する事業者が全国に増えた。
 コンビナート各社は「バイオマス燃料の混焼率を上げ、CO2量削減を図る」(トクヤマ徳山製造所)、「地球温暖化防止を目的とした非化石エネルギーの活動拠点として生まれ変わる」(出光興産)と環境対策に熱心な姿勢を打ち出している。

【MEMO】
カーボンニュートラル バイオマス発電もCO2を排出するが、そのCO2はもともと植物が成長する過程で大気中から吸収したものと見なし、結果としてはCO2量は変化しないと考える。

【きょうの紙面】
(2)下松市民憲章制定50年標語、写真表彰
(3)周南地区食品衛生協会が功労者など表彰
(4)11月に県大会引き受け、光ユネスコ協総会
(5)下松小で夏を前にプールの清掃作業

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