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大津島回天神社創建へ

人間魚雷の戦没者祭る
馬島の記念館近くに

 周南市の大津島の馬島に人間魚雷回天の搭乗員の戦没者を祭る「大津島回天神社」が今年11月に創建されることになり、9日に現地で地鎮祭が開かれる。5月30日に同神社設立準備委員会(河村敏夫委員長)が宮の前の山崎八幡宮(河谷昭彦宮司)で記者会見して計画を明らかにした。

記者会見に出席した準備委員と原田さん(後列右)

記者会見に出席した準備委員と原田さん(後列右)

神社の完成予想図

神社の完成予想図

 人間魚雷回天は太平洋戦争末期に登場した旧海軍の特攻兵器。大型魚雷をもとに開発され、搭乗員が乗り込んだまま敵の軍艦に体当たりした。大津島にはその訓練基地が置かれた。搭乗員は20歳前後の若者だった。大津島には遺影、遺品、遺書を展示する回天記念館や慰霊碑はあるが、戦没者を祭る神社はなかった。
 神社の建設予定地は馬島の連絡船の桟橋近くで、観音像の隣。桟橋から記念館に向かう途中でもある。みかげ石で社殿、灯籠、鳥居などを造る。社殿には終戦まで訓練基地で楠木正成を祭っていた木製のほこらを納める。
 このほこらは「海軍上等機関兵曹八木誠之助命神霊外四柱命神霊」「海軍少佐樋口孝命神霊外六柱命神霊」「海軍中佐上別府宜紀命神霊外九拾四柱命神霊」の3基の霊璽(れいじ)とともに戦後、大津島の氏神の山崎八幡宮が預かり、毎年、11月20日に慰霊祭をしてきた。
 山崎八幡宮は帝人徳山事業所内にあった白浜神社に祭られていた回天烈士の御霊も同事業所の撤退で白浜神社がなくなることから2017年11月から預かっており、回天神社創建に伴って一緒にお祭りする。
 回天神社は山崎八幡宮の末社となるが、創建は前県議の河村さん(79)を委員長に設立準備委員会を作って進めている。土地は大津島出身の石丸輝太さんが創建に必要な敷地と周辺を合わせて256.25平方メートルを同八幡宮に寄付した。
 社殿などの建設に1千万円が必要だが、そのうち600万円は新南陽出身の溝口祥子さんが寄付した。溝口さんの夫の早稲田大学時代の友人が回天の搭乗員で、太平洋のマリアナ諸島近海で戦没した水知創一大尉だった。このため溝口さんの夫は生前、回天顕彰会(原田茂会長)が開く追悼式にも毎回出席していたことから協力した。200万円は帝人から寄付があり、残額は原田さんらが募金を呼び掛ける。
 河村さんは「子どものころ、徳山湾の島の砂浜に打ち上げられた回天の残骸を見たことがあり、以前から何とかしたいと思っていた」、記者会見に同席した原田さんは「神社を建てる場所からはコンビナート企業もよく見え、安全と世界の平和につながるよう祈りを込めてお参りしたい」と話していた。
 問い合わせは同八幡宮(0834-62-2410)へ。

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