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新徳山駅ビルを“交流”の場に

【金曜記者レポート】
【周南市】市民活動支援センター
午後10時まで、年末年始以外は無休

 周南市に3日、新しい徳山駅ビル、徳山駅前賑わい交流施設がオープンした。駅周辺のにぎわいと交流の場の創出を目的とした施設。その3階にあるのが市民活動支援センター。ボランティア活動などをしたい市民にグループを紹介したり、印刷などができる機器もあり、活動への助成金などの情報も提供する。同センターがあることで、同施設内の3部屋の交流室を使った相談会などのイベントもすでに開かれ、同施設の“交流”機能を担うと期待されている。(延安弘行)

市民活動支援センター

市民活動支援センター

 同センターは旧徳山駅ビルにあったが、解体、新築のため、この3年間は新南陽地区の西部市民交流センター内に移転し、同施設の完成で徳山駅前に帰ってきた。
 同施設の徳山駅前図書館や交流室、カフェなど飲食施設はカルチュア・コンビニエンス・クラブが指定管理者となって運営しているが、同センターは市の直営で、地域づくり推進課が担当している。
 同センターの休館日は年末年始の12月31日から1月3日までで、開館時間は午前9時半から午後10時まで。駅前図書館などに合わせ、年末年始以外は無休で、土、日、祝日も午後10時まで利用でき、臨時、嘱託職員か、夜間などは市シルバー人材センターから派遣されたスタッフが常駐している。
 センターの広さは132.87平方メートル。受付と情報、交流、ワーキングコーナーがある。交流コーナーはテーブルと椅子が並ぶフリースペース。申し込みなしで、無料で打ち合わせなどに利用できる。
 情報コーナーはNPO、ボランティア、コミュニティー団体など市民活動グループが情報交換や郵便物の受け取りもできる情報ボックス、メンバー募集やイベント情報などの掲示板、活動報告などのパンフレットなどを入れられるスタンドもある。

印刷機などがあるワーキングコーナー

印刷機などがあるワーキングコーナー

 ワーキングスペースでは市民活動グループバンクに登録していれば、格安か無料でコピー機、印刷機、紙折り機、丁合機、印刷物を切る裁断機、A4サイズの原稿をポスターや看板のサイズにできる拡大機を使用できる。
 同バンクには19日現在で272団体が登録。団体はホームページでも公開し、検索すると活動内容や連絡先、代表者名とグループのPRも見ることができる。
 交流室では市民活動分野のイベントも開かれ、20日は県などが主催して地域の課題をビジネスの手法で解決するソーシャルビジネスの創業支援無料相談会が開かれた。
 今後も3月17日に市が推進している共創プロジェクトの「ケミカルデザインラボ」が開かれ、人気のボルダリングやスラックラインの体験もできる。
 このほかにも補助金の説明会なども予定され、徳山駅前賑わい交流施設は市民活動の場としても注目されそう。地域づくり推進課は市民活動グループバンクへの登録も呼びかけている。
 問い合わせは同センター(0834-32-2200、FAX32-2210)へ。

スタートアップ企業集積へ

【山口F.G.】Unicornプログラム
 山口銀行などの山口フィナンシャルグループ(FG)(吉村猛社長)は新しいビジネスモデルで成長を目指す「スタートアップ企業」を集積させるための支援プログラム「Unicorn(ユニコーン)プログラム」に取り組むことを決めた。まず山口、広島県や九州北部の地域の課題解決を志す企業10社ていどを3月30日まで募集する。
 これはスタートアップ企業と大手企業が協力して短期間で革新的アイデアをビジネスモデルとして完成させる「アクセラレーションプログラム」の取り組み。3大都市圏に集中する革新的企業を地域に呼び込んで経済成長を図るのが狙い。
 スタートアップ企業を提携、出資などで支援するアクセラレーターには9日時点で山口県知事や周南3市を含む県内各市町長など行政機関や企業、大学、投資会社など45団体が参加し、最終的には100団体の協力を得る予定。代表アクセラレーターは防府市出身の宮坂学ヤフー社長が務める。
 募集するスタートアップ企業は法人、個人、拠点、年齢なども不問で、重点項目は観光分野、ヘルスケア、IT、ものづくり。事業概要書などによる予選を経て5月24日に下関市の山口銀行本店で本戦があり、選ばれた企業は約半年で提携や出資などの支援につなげる。
 Unicornプログラムでは今後、アクセラレーター、スタートアップ企業の育成もしながら、企業価値が10億ドル以上と評価される非上場のベンチャー企業「ユニコーン企業」の誕生を目指す。
 問い合わせは山口FG投資共創部(083-223-3582)へ。

新駅ビル生かし活性化

【周南市議会】
新たなまちづくりへ意見交換
TM会議と中心市街地特別委

 周南市議会は19日、市民と議会の意見交歓会「ミニコン」を徳山駅前賑わい交流施設交流室で開き、議会の中心市街地活性化対策特別委員会(福田文治委員長)の12人が、市中心市街地活性化協議会タウンマネージメント(TM)会議(黒神直大委員長)の11人を招いて「新徳山駅ビルを生かした中心市街地の新たなまちづくりについて」をテーマに話し合った。

話し合う参加者

話し合う参加者

 TM会議は2013年に国に認定された市中心市街地活性化基本計画の推進などに取り組んでおり、この日は黒神委員長や宮本治郎中心市街地活性化協議会長などが出席した。
 事務局の松本健一朗さんは、以前は商店街の店舗数が減少を続けていたのが、新規出店に対して市から補助も受けられるテナントミックス推進事業などによりこの5年間は横ばいになったと説明。
 商店街の飲食店、物販店計12店に聞き取り調査した新駅ビル開館直後の3、4日の回遊状況も紹介し、9店が主に1、2割の来店客増につながったと回答したことも報告した。
 中村富美子議員(共産党)は「リピーターを増やす手段はあるか」と質問。黒神委員長は「隣同士の店が紹介し合うなど盛り上げていく気持ちを持つことや、若手が新しいコミュニティーを作ることにも期待したい」と答えていた。
 福田文治議員(六合会)は「このチャンスを逃すことなく、にぎわいを取り戻すため知恵を出し合いたい」と話していた。

エコアクション21

【周南(徳山)】徳山オイルクリーンセンターに10年継続で感謝状
 周南市晴海町の徳山オイルクリーンセンター(城安市社長)がエコアクション21認証・取得10年継続事業者表彰で持続性推進機構エコアクション21中央事務局から感謝状を贈られた。環境省が策定したガイドラインに沿って10年以上省エネ・省資源を中心に環境保全活動を実践し、地球温暖化の防止に貢献したことで表彰された。

記念の盾を前に感謝状を持つ田中工場長

記念の盾を前に感謝状を持つ田中工場長

 同社は1977年1月に周南コンビナートの企業18社の出資で設立。従業員は19人。9,405平方メートルの敷地内にはロータリーキルン方式の焼却施設があり、廃油、汚泥、廃プラスチックなど産業廃棄物を焼却処理している。燃焼温度は800度で、この熱を利用して蒸気を作り、隣接する㈱トクヤマの工場に供給。燃え殻の一部は業者を通じて各地のセメント工場に運ばれてリサイクルされている。

ロータリーキルンなどの設備

ロータリーキルンなどの設備

 2013年3月には優良産業廃棄物処理業者認定制度で優良認定許可証も受けている。
 廃プラ、汚泥など固形物の処理にあたっては長年の経験を生かし、重機を使って均一にかくはん・混合して200リットル入りのドラム缶に詰め、ドラム缶からキルンに投入する方法をとっている。1日の処理能力は40トンで、年間330日稼動、約11,000トンを処理している。
 引き受ける廃棄物のうち半分は出資者の周南コンビナートの企業だが、残りは一般企業の産業廃棄物を引き受け、処理量は少しずつ増えている。
 エコアクション21認証・登録制度は環境省が中小企業の環境への取り組みを促進するために始めたもの。取り組む企業は環境に対する負荷を自己チェックして環境方針、環境活動計画を策定、計画を実施して取り組み状況の確認、評価、見直し、環境活動レポートを作成して公表する。
 同社は2008年1月に認証・登録し、2年に1回の審査などを経ながら現在まで継続している。環境活動レポートでは環境方針、活動体制や異常時の連絡、苦情調査体制、処理量やその内容、廃棄物の削減、温室効果ガスの排出量、総エネルギー投入量など環境への負荷の状況、最終処分量なども明らかにしている。
 表彰式は9日、山口市の県労働者福祉文化中央会館で開かれ、今回は同社と宇部市のヒラキ産業が表彰され、感謝状と記念の盾を贈られた。
 10年間の活動の成果に、田中真人工場長(62)は「安全、安定、フル操業で地域に貢献、会社の地位をあげる活動を継続したい」と話している。

「気持ちと技術の両輪で」

楠会長が創業時からのソーダ事業語る
㈱トクヤマ徳山製造所で100周年講演
 周南市の総合化学メーカー、㈱トクヤマ(横田浩社長)は16日で創業100周年を迎え、この日、御影町の徳山製造所(安達秀樹所長)本事務所でソーダ事業100周年記念講演を開き、横田社長やソーダ事業に携わる従業員など約80人を前に、楠正夫会長(70)が「ソーダ灰事業100年に思う」の演題で話した。

講演する楠会長

講演する楠会長

 同社は1918年2月16日、当時輸入品に依存していたソーダ灰(炭酸ナトリウム)の国産化を目指して「日本曹達工業」として徳山町(現周南市)で設立され、周南コンビナートの中核を担ってきた。社名は「徳山曹達」を経て、94年に現在の名称になった。
 無機関連事業、石油化学関連事業、スペシャリティ・加工型事業などさまざまに事業を拡大してきたが、ガラスや石けんなどに使われるソーダ灰の製造は他社が撤退する中でも続け、現在は唯一の国産メーカーとなっている。
 楠会長は大阪出身で、ソーダ灰事業にも長く携わっており、講演では創業から10数年を経て黒字化したことや敗戦、オイルショックの影響、業績低迷から内部撤退論があったことなども話した。
 取材に楠会長は「順調な時ばかりじゃなかった。化学業界で創業の仕事が続いているところはあまりなく、大変うれしく思う。関係者や地域の皆さんにも感謝したい」と述べたうえで「気持ちと技術の深さ、広さの両輪があってこそ100年もったと思う。今後も伝統事業、新事業合わせて国際競争力を磨き、マザー工場の徳山製造所から世界に発信していきたい」と話していた。

新斎場建設大きな反対なく

【金曜記者レポート】
御屋敷山斎場整備費計上
清掃工場跡地へ

 下松、光市と周南市の徳山、熊毛地域を対象にした火葬場、下松市西豊井の御屋敷山斎場は、修繕や改修では対応が困難なほど老朽化が進み、一方で近い将来、火葬件数の増加が予想されることから新しい斎場の整備が急がれている。運営する3市の周南地区衛生施設組合(組合長・国井下松市長)は下松市末武下の旧下松清掃工場跡地を移転候補地に決め、地元に説明、理解を求めてきたが、大きな反対の声はなく、7日に開いた組合議会には2018年の一般会計当初予算に基本設計策定などの新斎場整備費9050万円が盛り込まれた。(山上達也)

御屋敷山斎場

御屋敷山斎場

移転候補地の清掃工場跡地

移転候補地の清掃工場跡地


・市広報で特集、反対意見なく
 御屋敷山斎場は1971年に完成し、年間約2500件の火葬を受け入れている。しかし老朽化した上に国道188号からの進入路も急角度で狭く、駐車場も不足し、利用者のニーズに十分な対応はできていない。
 移転候補地は昨年3月に選定。かつては塩田で、現在は更地になっており、市道より約3メートル高い。下松市は規則で火葬場は「住宅、学校、病院などから220メートル以上離れている」としているが、候補地から220メートル以内にわずかにかかる西市沖自治会(45世帯)と中島町自治会(110世帯)には秋から5回の説明会、2回の先進地視察をしている。
 また昨年11月の市広報に2ページを割いて斎場の現状や移転の必要性を説明した。これに市民からは1件の反応もなかった。直後の12月議会でも一般質問で取り上げられることもなく、3月議会で1人が経過や今後を問う予定。

・最新鋭施設の視察で理解深化
 地元の2自治会が視察したのは広島市や大阪市の最新鋭の斎場で、周囲に煙や異臭が漂うことはなく、外観も美術館のようなモダンさで、旧来の負のイメージが薄いことが反対の声が表だって出ない理由と見られる。
 斎場とともに迷惑施設とされる旧下松清掃工場の建設に際しては、計画が発表された1971年に地域を挙げた反対運動が起きた。
 市史によると1万117人の反対署名が出され、一部反対派が山口地裁に清掃施設の位置決定処分の取り消しの訴えも起こしたが、組合と市が厳しい公害防止協定を締結するなどで決着した。

・周南、光市長も早期推進要望
 組合は新年度から基本計画策定や測量地質調査、生活環境影響調査を進めることになるが、一昨年策定した新斎場整備基本構想では、事業着手から供用開始まで5年前後を予定し、総事業費は同規模の斎場を参考に28億千万円を見積もっている。
 7日には木村周南市長と市川光市長がそろって下松市役所を訪れ「新斎場建設の早期推進を」と要望書を國井市長に提出して地元対策も念頭に「協力はできるだけのことをしたい」と申し入れた。
 これには高齢社会が進展し、いわゆる団塊世代も人生の晩年にさしかかっていく中、火葬施設の整備は待ったなしの状況に陥るという危機感がみてとれる。
 組合の内山教雄事務局長は「タイムリミットは設けていない。地元のご理解がいただけるように全力を尽くしていく」と話している。

【周南市】【光市】新年度予算案

周南市一般会計は9.2%減の643億円
新年度予算案・子育てや安心安全に重点
緊急財政対策の策定も

 周南市は13日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比9.2%減の643億3500万円▽特別会計は10.8%減の316億305万3千円▽企業会計は19.9%増の622億456万8千円。一般会計は新庁舎建設や2月に開館した徳山駅前賑わい交流施設完成に伴い、過去最大だった前年度を約65億円下回っている。

予算案を説明する木村市長

予算案を説明する木村市長


・庁舎建設、駅周辺整備費が大幅減
 この日、市役所で記者会見した木村市長は新年度予算のキャッチフレーズを「未来へ向けた新たな一歩」と述べ、大型事業が終了し、一歩々々未来に向かって進んでいくため、特に子ども関連、地域づくり、耐震・防災関係の事業に強い思いを込めたと説明した。
 一般会計の歳入は歳入総額の39.9%を占める市税が前年度比1.8%増の255億1267万6千円で、そのうち法人市民税は企業収益の動向から29%増の36億9608万7千円。繰入金は34.6%減の32億2552万9千円、市債も35.5%減の76億2520万円で、それぞれ庁舎建設費関連を主要因に減った。
 歳出は人件費が退職者の増加などで5.8%増の116億5904万千円。建設事業費は36.1%減の96億2244万8千円で、うち庁舎建設事業が41億7781万7千円減の27億1909万千円、徳山駅周辺整備事業が19億3255万5千円減の4億9324万円。

・防災情報収集伝達システム完成へ
 新規の重点事業は3件で、JR新南陽駅前広場の路線バスやタクシー乗降場、送迎車停車場を整備する交通結節点環境整備(733万8千円)▽外部人材1人から福祉行政への助言を受ける福祉政策アドバイザー(31万4千円)▽老朽化した休日夜間急病診療所を中央病院近くに移設して建て替えるための地質調査や測量の休日夜間急病診療所整備(400万円)。
 主な重点事業は従来の妊婦健康診査に産婦健康診査も加えた母子健康診査(1億5854万8千円)▽給付型の修学支援奨学金、貸付型の定住促進奨学金にそれぞれ月額1万円の上乗せもする奨学金貸付等基金(169万5円)▽5校で整備、9校で設計する中学校普通教室空調設備整備(3億6677万9千円)▽11校で大規模改修や非構造部耐震改修などの小中学校改修(6億755万9千円)▽18年度中に1、2期工事を終える庁舎建設(27億1909万千円)▽18年度中に完成の防災情報収集伝達システム整備(4億4792万8千円)。
 西消防署の20年度完成に向けた解体、設計の西消防署整備(1億9339万5千円)▽同署整備に伴い新南陽総合支所を8月にイオンタウン周南に移転させて仮庁舎とする総合支所管理運営(3723万2千円)▽架け替えの調査設計や渋滞対策工事などの古川跨線橋整備(9431万3千円)▽長穂などの市民センター整備(1億6205万4千円)▽19年度までの徳山駅北口駅前広場整備の徳山駅周辺整備(4億9324万円)▽新ゾウ舎建設工事などの動物園リニューアル(5億3784万4千円)▽地域おこし協力隊を新たに1人配置もする須金地区の中山間地域戦略プロジェクト(627万4千円)▽市美術博物館での林忠彦生誕100周年記念展覧会などの特別展覧会等開催(1103万8千円)▽“しゅうニャン市”を生かしたシティープロモーション事業(1695万8千円)など。
 特別会計は国民健康保険が15.4%減の165億880万3千円▽国保鹿野診療所が3.4%減の6721万9千円▽後期高齢者医療が5.6%増の24億7843万3千円▽介護保険が6.2%減の122億5310万9千円▽地方卸売市場事業が38.9%減の1億6749万3千円▽国民宿舎が4.5%減の9204万6千円▽駐車場事業が25.6%減の3595万円。
 また5つの企業会計は水道事業が3.2%減の58億9365万8千円▽下水道事業が8.4%減の88億1204万4千円▽病院事業が2.1%増の38億1382万円▽介護老人保健施設事業が1.3%減の4億2323万2千円▽モーターボート競走事業が35.2%増の432億6182万4千円。

・5年間の緊急財政対策
 この日は「市緊急財政対策」を策定したことも発表した。18年度で合併特例債など合併優遇措置が終了し、今年度の当初予算で財政調整基金を約29億4千万円取り崩す中で、財源不足を予算編成で解消するための具体的取り組みを定めるもの。
 計画期間は17年度から21年度までの5年間で「当初予算で財政調整基金に頼らない財政構造の構築~5年後を目途に財政調整基金繰入金をゼロにする」ことを目標とする。
 一般財源が市税や地方交付税の減で減少し、少子高齢化で扶助費が増加する見込みであることや、財政調整基金と減債基金の残高は約36億3千万円で18年度以降の財源不足をまかなえないことなど現状を説明し、財源確保に向けては収納率の向上や使用・手数料見直しなど歳入確保と維持管理経費削減、事務事業見直しなど歳出抑制対策も掲げた。
 これらによって5年間の財源不足85億2200万円に対して歳入確保で17億9300万円、歳出抑制で34億7300万円を解消できるが、残り32億5600万円は現時点では財政調整基金などで対応せざるを得ないため、緊急財政対策の推進を実行していく中で基金に頼らない財政運営を実現していくとしている。

光総合病院移転新築
光市新年度予算案・一般会計は4.8%増の218億円
本庁舎建て替えは「長期的課題」

 光市は13日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度より4.8%増の218億9千万円▽6つの特別会計は9.8%減の142億355万千円。この日、市役所で記者会見した市川市長は「第2次総合計画の事業実施と財政健全化の推進という相反する取り組みを両立させるべく、先例にとらわれることなく長期的視点と柔軟な発想で編成した」と方針を説明した。

予算案を発表する市川市長

予算案を発表する市川市長


・新病院、大和CSの大型事業も
 一般会計の歳入は歳入総額の35.2%を占める市税が2.9%減の77億787万6千円。このうち個人市民税は0.1%増、法人市民税は市内企業の業績の見込みから7.8%減を見込んだ。歳入総額の17.6%の地方交付税は38億6千万円で、前年度比1.3%減。
 繰入金は財政調整基金から2億8500万円、減債基金から1億6千万円を取り崩し、新年度末の基金残高は26億2千万円の見込み。市債は70.3%増の33億6600万円、市債残高は248億6669万6千円で、前年度比6%増の見通し。
 歳出は人件費が退職者の減少などで前年度比6.2%減の31億7086万3千円。来年2月完成の光総合病院の移転新築は事業費の4分の1を一般会計から出資するため病院事業会計出資金15億9620万円を計上。来年4月に供用開始の大和コミュニティセンター整備事業費4億3789万円と、2つの大型事業がある。

・コンビニで証明書交付や納税
 新規事業は54件。そのうち住民票の写しなど証明書のコンビニエンスストアでの交付は384万千円、市県民税、軽自動車税などのコンビニ納付215万4千円。4月から開始し、本庁と大和支所の証明書自動交付機は廃止する。
 このほか室積新開の心身障害者福祉作業所つつじ園の機能の市立つるみ幼稚園跡地移転に60万3千円▽島田川洪水ハザードマップ整備に660万7千円▽塩田地区の上水道整備に向けた給水区域認可変更申請など900万円▽旧勤労青少年ホーム解体3816万7千円などを新たに計上している。
 継続事業では、下水道整備に12億5千万円。新年度も室積地区で重点的に取り組み、完成後の市内の下水道普及率は80.6%になる。

・市庁舎建て替えに関連予算計上なく
 懸案の老朽化した市役所本庁舎の建て替え関連の予算は組まず、今年度新設した公共施設等整備基金への新たな積み増しも計上しなかった。同基金の現在の残高は5億5千万円。
 市長は「今の建物を耐震改修することは市としてすでに困難だと結論づけているが、長期的課題として慎重に検討したい。あすからでも着工したいが、財政状況を考えないといけない」と述べた。
 財政指標は経常収支比率は前年度比2.5ポイント悪化して101.3%と100%の大台を超えた。実質公債費比率は前年度比0.2ポイント上昇して9.9%と比較的良好。財政力指数も0.7ポイント改善されて67.7%を見込んだ。

「健幸都市しゅうなん」

徳山大学「健幸(ウェルネス)都市しゅうなん」の拠点へ
文部科学省の研究ブランディング事業に

 周南市の徳山大学(岡野啓介学長)の「健幸(ウェルネス)都市しゅうなん」構築に向けた研究・活動拠点の創設が文部科学省の私立大学研究ブランディング事業に採択された。事業の期間は2017年度から5年間で、教職員が一体となって地域と連携した生涯スポーツの実践などで健康で豊かな生活、介護が必要な住民には“充実した介護支援”の実現に向けた研究拠点を学内に構築する。

岡野学長

岡野学長


 研究ブランディング事業は全国で188の大学が応募し、60大学が採択された。各大学には5年間、年2,500万円が助成され、初年度はこれとは別に準備のための補助もある。
 学長のリーダーシップで取り組む必要があるため、徳山大学では事業のスタートに合わせて岡野学長(68)を本部長とする「ブランディング推進本部」と学長がセンター長の「生涯スポーツと福祉情報研究センター」をすでに設置している。
 同大学は経済学部と福祉情報学部があり、経済学部ビジネス戦略学科にはスポーツマネジメントコースがある。学生からはオリンピック選手を輩出、全国レベルで活躍する学生も多く、健康運動指導士養成校の認可も受けている。また福祉情報学部は「福祉情報」の名称を冠する全国で唯一の学部で、ICT(情報通信技術)を活用した福祉サービスの効率化、高質化に向けた研究をしている。
 事業では両学部の特質を生かし①幼児・児童・生徒対象の「健康と生涯スポーツ」②中高齢者対象の「介護予防と生涯スポーツ」③「介護支援の充実と福祉情報」④「健幸度の評価」の4つの研究に取り組む。
 「健康と生涯スポーツ」では、健康寿命の伸長を目指し、市教委などと連携して幼稚園や保育園児の体力運動能力を測定、幼児教育現場でのスポーツ指導のマニュアルを開発する。児童・生徒を対象にした体力向上プログラムも開発、モデル校で実施する。
 「介護予防とスポーツ」では市民向けに多彩な講座がある同大学エクステンションセンターと協働し、中高齢者の体力を測定、分析して介護予防プログラムの開発、提供、効果の検証と、中高齢者スポーツ指導者を育成するための基礎講座の開発や講座実施などを計画している。
 「介護支援の充実と福祉情報」の研究は、市社会福祉協議会とともに、介護が必要になった人への日常生活支援の体制を構築するもの。
 企業と提携して最先端のICTを活用した福祉現場でのコミュニケーションの促進、介護の記録情報の標準化やイラストなどにするピクトグラム化と、これを基盤として構築される福祉ネットワークを介した介護支援の効率化、外国人などを含む介護専門職員の育成にも取り組む。
 岡野学長は「福祉、経済学を総動員して大学が地域に貢献できるようにし、地域から認められ、自立できるようにしたい」とこれまでの活動も生かした地域との連携に期待している。

FCV指標を下方修正

周南市水素利活用計画
 周南市水素利活用協議会(会長・稲葉和也山口大学大学院教授)が7日、徳山保健センター健診ホールで約50人が参加して開かれ、市水素利活用計画の基本目標に掲げる燃料電池自動車(FCV)の指標を2020年度末に670台としていたのを200台と3分の1以下に見直した。

あいさつする稲葉会長

あいさつする稲葉会長

 この協議会はコンビナート企業から発生する大量の水素を生かしたまちづくりを推進する市の方針を協議して今回が8回目。
 利活用計画は15年度から20年度まで6年間が期間。当初の指標では計画の折り返しとなる今年度末はFCVなど水素を燃料にする乗用車数を70台としていたが、1月末時点の実績は27%に当たる19台にとどまっており、国が昨年末に策定した水素基本戦略の普及目標台数を参考に指標を修正した。
 市によると昨年末時点でFCVは全国に約2,300台あり、国は20年度に4万台を目標に掲げている。
 また市の計画ではエネファームなど定置用燃料電池の実績も309件と今年度末の指標600件の約半数となっているが、20年度の指標は当初の1,400件から変更していない。
 指標では市が進めている水素関連産業参入事業者数の項目を新たに追加し、市場投入された水素関連機器の製作などに携わる市内の事業者を20年度末までに20事業者と設定した。
 この日は15年9月から17年3月まで市地方卸売市場で取り組んだFCフォークリフトの実証実験の結果も報告された。主に夜間の青果の荷卸し作業などに使って353日、1,782時間稼働し、CO2排出量は約1,012キロでエンジンフォークリフトに比べて約8,654キロ削減でき、燃料費も近くの水素ステーションで充てんして25万9,236円とエンジンフォークリフトから10万5,881円を削減できたという。
 同市場では17年4月からは環境省委託事業として2台のFCフォークリフトが使われている。

ふるさと納税“収支”

[金曜記者レポート]
周南市、下松市は“赤字”に
周南3市のふるさと納税“収支”
流出超で悲鳴

 生まれ育った故郷など、応援したい自治体に寄付すると住民税などが軽減される「ふるさと納税」制度。全国的に利用が急増しているが、昨年度、周南3市に寄付された金額と、市民が市外に寄付することで流出した市民税の金額を比べると、周南、下松市は「赤字」、光市は「黒字」と明暗が分かれた。ふるさと納税をめぐる3市の現状を追った。(安達亮介)

ふるさと納税のウェブサイト

ふるさと納税のウェブサイト


下松は返礼品後発

 ふるさと納税は任意の自治体へ寄付することで2,000円を除いた額が国に納める所得税、地方に納める住民税から一定の限度額まで差し引かれる仕組み。限度額は年収や家族構成で変わり、実際に住民税が控除されるのは翌年度になる。
 ふるさとへの応援や、税収の異なる自治体間格差の是正などを目的に2008年度に始まった。当初はあまりなかった返礼品も各自治体で取り入れるようになり、豪華な品も扱われて、これらを比較する書籍や専用のサイトもあり、納税が返礼品目当てになって本来の趣旨からはずれているという批判もある一方で被災自治体への納税が増えた例もある。
 周南では周南市と光市は15年度、下松市は16年度に返礼品を導入し、市外在住の寄付者に対して特産品などを贈っている。

周南は大幅赤字、光は黒字に

 周南市の15年度の個人からのふるさと納税収入は1億789万3,000円で、市外の自治体に寄付したことによる市民税の控除額は3,313万円(寄付額7,773万3,000円)で、7,476万3,000円の黒字。しかし16年度は収入が大幅減の448万円、控除額は増加して6,026万6,000円(寄付額1億3,992万2,000円)で5,577万8,000円の赤字になった。
 16年度は、15年度に大口の寄付があったことに伴う収入の減に加えて市外への流出が2倍近くに増えたが、市広報戦略課は「理由がわからない」と困惑。今年度は返礼品の品数を従来の25品から100品以上に増やして収入増を図っている。
 下松市は返礼品のなかった15年度の収入が74万円、控除額がおよそ430万円(寄付額は日本赤十字などと重複があり不明)で約356万円の赤字、返礼品を導入した16年度は収入が359万5,000円へと増えたが、控除額はおよそ970万円(同)で約610万円の赤字だった。
 光市は15年度の収入が1,576万5,000円だった一方、控除額は1,059万5,000円(寄付額2,793万)で517万円の黒字。16年度も収入が2,439万2,000円、控除額が2,072万6,000円(寄付額4,729万8,000円)で366万6,000円の黒字に。16年度は返礼品の購入費やシステム使用料、送料などの経費790万5,000円を含めるとマイナスになるが、返礼品増による地域経済へのプラス効果を考慮すれば一概に赤字とは言えないだろう。

180209h
地域活性化策になるか

 全国各地で返礼品競争が過熱して「寄付の奪い合い」になっている現状。ふるさと納税制度による税収減のうち75%は交付税として国から補てんされ、中には返礼品を廃止している自治体もあるが、税収の確保は各市の重要課題。いかにふるさと納税を増やし、それを地域活性化に結び付けるか、対策が求められる。

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