2022年08月08日(月)

コラム・エッセイ

No.70 うれしい誕生日会でした。

美人薄命 走れ!おばさん 中村光子

 6月18日は私の誕生日でした。何歳になったの?などと言う野暮なことは聞かないで下さい。娘と我が子同様の娘の友人が、中華料理店に招待してくれました。

 久し振りの外食に心うきうきです。お気に入りの一張羅の洋服をタンスの奥から引っ張り出し、鏡の前で後ろ姿を確認し、ついでに笑顔もして見ました。

 さて予約席に通されて、ふたりはメニューを見ながらあれこれと相談しますが、なかなか決まらない様子でしたが、やがて

 「スミマセーン、ギョーザ、ひと皿、お願いしまーす」と言いました。「えっ、ひと皿」驚きのあまり、私は言葉もありません。

 出てきました!ギョーザ一皿。小皿には6個のギョーザがのっていました。ひとり、2個ずつです。ハイ。

 食べ終わると、ふたりはまた、メニューとにらめっこです。ふたりの優しい心根はわかりますが、私には考えもつかない注文の仕方なのです。ご馳走になるのですから、母親と言えども差し出がましい口をきくことはできません。むかし人間の私にしてみれば、料理人の方をおもんばかってしまうのです…ハイ。

 しかし、運ばれてきた料理は、目先の代わったご馳走ばかりです。ふたりの心遣いに感謝しながら、ひと口でパクリ、ふた皿を仲良く3人で分け合うのです。

 「お母さん、まだ少し残っているよ」

 なんと指摘も受けます。いえ、私のために残しておいてくれたのでしょう。

 「ハイ、ハイ、パクリ」と、大急ぎで口にほおりこんだ。いえいえ、美味しくいただいたのであります。

 おいしいお料理にはお酒がつきものです。

 娘の友人は全くお酒が飲めません。私は最初ビールで、次にレモン割ハイボールで、とってもいい気分になってしまいました。

 昔、夫が元気な頃はお酒が大好き、いえ、飲んべえでしたので、糟糠(そうこう)の妻(私のことです、念のため)は、あまり飲ませたくなかったので、相伴していたら、私も飲んべえになっていました。

 あっ思い出しました。お見合いのあと仲人さんが「動物園にお行きなさい」と言われました。が、彼はいきなりビアホールに誘ったのです。

 「あら、ビールって苦いのですね」

 「はい、これにはホップというものが入っているのです」

 この会話、一字も違えず覚えています。

 食事を終えた時、勘定書をちらりと盗み見したら結構な値段でした。少し負担かけたなあー、と思いながら感謝しました。

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