一言進言

働く人、納入業者の不安を払え

働く人、納入業者の不安を払え~道の駅赤字に経営陣、行政は?~

□中小企業の経営者は、もしもの時は家屋敷を投げ出す覚悟で経営している。借り入れはすべて個人保証だ。オープン前、随分と周南市の道の駅「ソレーネ周南」について書いてきた。周南ツーリズム協議会なるものを市役所主導で作り、そこに管理を業務委託する構造に、果たして責任は誰が取るのかと疑問符を投げてきた。わずか10万円の出資で社団法人を作った。何億円の商いをするというのに、11団体の110万円の資本金なのだ。
□どう考えても無茶な話だった。赤字の時は市が補てんしてくれると信じての設立だった。市はそんなことは言ってないと言うが、江本駅長は設立前の市の臨時職員だった時、市役所の立場ではっきり「10万円以上絶対に負担することはない」と言ったと証言している。つまり、お金が足りない時は市が補てんすると言う意味だ。こんな子どもじみた話で周南ツーリズム協議会はスタートした。業務委託管理を引き受けた。
□3年程度はいいだろうが、徐々に苦しくなるだろうと予想はしていたが、2年目にして2,200万円もの赤字を計上した。テントを買ったり、臨時の出費が増えたからと江本駅長は説明している。江本駅長を責める気はない。一従業員だ。経営責任は経営側のツーリズム協議会にある。突然の決算報告で赤字を知った各団体は一応に驚いたようだ。
□月々の試算表作成は当然のことだ。出費が多い時、止めるのは経営者の務めだ。経理が手薄でちゃんと把握できなかったという説明だ。会社経営で最も重要な経理がずさんで、もうかっているか、赤字を出しているのか、まるでわからなかったのは、江本駅長だけの責任ではない。経営者としての自覚がツーリズム協議会になかった。根本はそうした団体を作り、経営にあたらせた行政に責任がある。
□借り入れをするにも誰も保証人になる人はいない。資産は皆無に近い。もし、資金不足で従業員への報酬が滞ったらどうするのか。納入業者への支払いが遅れたらどうするのか。当たり前の予測を片側に置いて、道の駅はスタートした。決算は終わっているはずの6月議会で、行政はすこぶる順調ですと胸を張った。また、こんな団体に委託することに市議会も目をつぶった。関係者全員が他人事のように感じていた。そこに働く人への配慮も、納品する業者への思いも至らなかった。
□犠牲者が出ないと問題にならない行政。無責任な議論で予算や指定管理の議案を通過させた議会。簡単に働く場、ものを扱う場を請け負った団体。日本の縮図を見るような無責任な構造に不安を覚えるが、また弁明の渦が巻きおこりそうだ。木村市長の本当の手腕はこんな時に出てくる。公約違反までして開設した道の駅だ。働く人、業者に不安を持たさないことを期待したい。(中島 進)