一言進言

小学6年まで医療費無料の下松

小学6年まで医療費無料の下松~人口増の下松と、光、周南の違いは?~
地方自治体の力は目安を何にするかで評価が違ってくる。ちなみに10年前と人口を比較すると、光市は2,500人、周南市は6,200人ていど減少、下松市は2,000人ほど増えている。分母が違うのでそのまま比較にはならないが、3市の中で下松だけは増えている。周南市、光市は合併で中山間地域を抱えているのも要因だが、どこでこんな差が出たのか。
政策にどんな違いがあるのか。水道料金は確かに下松市が安い。特に違うのが子育て支援だ。下松市は8月から医療費を所得制限なしで小学校6年生まで無料化した。周南市の医療費は所得制限つきで小学6年まで無料、光市は所得制限つきで小学3年までだが高校卒業までの入院費が無料だ。下松市の政策は子育て世代には相当の魅力だろう。さらに、下松市は第二子以降は保育料が無料だ。
一時期、財政再建団体に陥った下松市は、緊縮財政を強いられたが、それをバネに見事な復活を遂げた。職員給与も圧縮、ケチケチ作戦をしてきたが、子育てには力を注いできた。インフラ整備ではザ・モール周南南側の道路計画は、見事なまでの碁盤目状で建設が進んでいる。店舗が張り付き、住宅がどんどん建てられている。子育て支援がそれをさらに促進している。
若者が1人定住すると、その自治体にどれほどの効果があるか。ある研究者の試算によると、所得にもよるが、生涯で3,000万~5,000万円もの税収増が見込まれると言う。子どもが増えればさらにその効果は増していく。将来を担う若者を増やすことは、最優先課題だ。防府市は市が商工会議所に委託して市内の企業約140社のカタログを作成、市内の高校生全員に配った。市内へ就職、定住してほしいと動いている。
山口県も若者定住を標ぼうする。Uターンを盛んに訴える。しかし、Uターンして創業する若者支援は、県内全域でわずか3件しか予算化されていない。優秀な若者を呼び戻そうなど、よくぞ口に出しているなと、あきれるばかりだ。行政の本気度が地域間格差を生み、将来を予想させる。周南3市ももっと連携して未来予想図を共同で描く作業を始めるべきだ。周南市はもっとしっかりして、そのリーダー役を演じることだ。未来予想図は老人の町ではない。(中島 進)