一言進言

学校を減らすな

学校を減らすな~教育は最後のとりで~
就農支援など中山間地域に対する支援策は多岐にわたる。空き家情報などいろんな手を使って応援している。結果は、何千万円もかけてわずか数人の若者が移住しただけだ。一方、周南市に顕著だが、山間部の学校は多くが廃校になった。若者を増やせということと、合理化で学校をなくすことを並行させる矛盾に、中山間地域の難しさがある。
7、8月の集中的な雨で須金地区への国道ががけ崩れで通行止めになった。同地区には中学校がなく遠回りして須々万地区まで通う。中山間地区には当たり前の光景だ。しかし、こんなところに子育て世代の若者が定住するのだろうか。学校は子育てをするには切実な問題だ。
高校の統廃合もさらに検討されている。南陽工高、華陵高、光丘高などが対象にあがっているが、あまり話題にならない。卒業生はじめ、地域の無関心さにがく然とする。確かに2018年以降、生徒が激減する予定だ。限られた財源で高校を維持するのも大変だろう。しかし、地方にとって教育は最後のとりでだ。
効率や合理化の論理を教育現場に持ってくるのは究極の選択だ。公務員の数、無駄な公共投資、見直すべきことはほかにないのか。教育を放棄した地域に未来はない。子どもが多い方が教育には良いと語る人もいる。へき地で複式学級で学ぶ子どもは、そんなにいびつになのか。学力が衰えたのか。
高校がなくなることが地域の将来にどんな影響をもたらすか。大人たちの勝手な合理主義が、地域をどれだけ廃たれさせたか。落ち込みの激しい山口県は、何によって持ちこたえるか。産業だ、観光だと言うが、最後は子どもたちだ。子育てしにくい山口県に将来があるのか。教育費を削り、公務員は旧態依然。外郭団体への補助金もそのまま。目の前のハエを追い払うことだけに熱心な大人たちの姿に、子どもたちは何を思うか。
学校を失くしながら、若者定住を叫ぶ大人たち。こんな地域に魅力を感じる若者がいるわけがない。団塊世代が一斉に現役を退いて労働人口が激減した。政府は失業率が過去最低だと威張る。そりゃそうだ、働く若者が少ないのだから人手不足は深刻だ。
子育てを放棄した地域にどんな夢を持てるのか。10年先、20年先を見据えて施策を考えるのが大人の役目だ。20年先、子どもをどれだけ増やすのか、計画があるのか。教育は先行投資だ。子どもが少ないから学校を閉めるという発想ではなく、学校を維持するためにどれだけ若者を増やすかを考えることだ。Uターンしたい若者の相談窓口すら十分に周知されていない。優先順位を間違っている。(中島 進)