一言進言

光市長選挙に望む

光市長選挙に望む ~民間人の活力、センスを引き出す市政を~
10月16日告示の光市の市長、市議会議員選挙まであと1カ月。かつては、市長選は当時は貞兼一県議と河野博之県議と派閥が明確で、市長選もそれが反映されて動いた。松岡満寿男元市長の影響も大きく、支援を取り付けるのに苦心していた。新日鉄も隠然たる力を持っていた。投票率の低下と比例するように、激しい争いも少なくなった。今回は無投票で再選されそうだ。新日鉄が新日鉄住金と新日鉄住金ステンレスになり、地方政治に注力しなくなって、ますます投票率が下がってきた。
市川現市長はボーイスカウトで培った行動力と繊細な気配りで、反対勢力の台頭を許さない体制を作った。市議会議員出身だが、行政を無難にコントロール、飛び抜けたアイデアは少ないが堅実だ。周南コンピュータカレッジの廃校後も専門学校の誘致に成功し、病院問題も終息に向かっている。
上関原発も工事再開の目途も立たないことから一時ほど話題にならなくなった。原発に賛成できないと明言する市川市長だが、賛成派からの反発もほとんど見られない。安定した市政運営ができそうだ。こうした時こそ、思い切った施策を実行できる。光市の宝は自然と多様な人材だ。
我が家のトイレには、光市の自然を描いたイラストのポスターが20年前からかけてある。「日刊新周南」でも連載していた奥田賢吾さんらが作った日本中どこに出しても誇れる素敵なポスターだ。年月が経っても色あせない。光市は人間国宝の山本晃さんをはじめ多彩なアーティストを輩出してきた。エコ活動家も多い。
行政の仕組みに民間人を参加させるのが一番難しい。どこもそうだが、施策を考え、決定するのは行政マンの役割だ。そう決めつけるのが従来の役所だ。周南市も民間人が動いて周南観光コンベンション協会を作った。観光事業を民間に託す大きなきっかけにと期待されたが、担当行政マンの人数を削減するわけでもなく、観光協会当時と感覚は変わらない。むしろ二重行政的になった。市川市長は若手職員を地域活動に参加させることに積極的だ。問題は民間の力を引き出す手法に工夫が足りないことだ。
いつまでも補助金で民間を応援している。発想を変えて、職員の削減を図り、浮いたお金で好きに使える予算を作り出すことだ。一人削減すると、少なくとも年間700万円程度は浮く。300万円出すから5000人集めるイベントを考えてくれと若者たちに委託することだ。施設の運営を民間に任せることだ。
若者たちは自由な発想で、イベントを楽しみ、施設の運営に知恵を絞る。そこに多様な人たちが集う。デザイナーだったり、大工さんだったり、経営者だったり、もっと柔軟な発想が生まれてくる。役所機構の中からセンスの良さを追求する思想はなかなか生まれない。(中島 進)