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東ソー・エフテックの4人にヨウ素学会賞

新合成法と新装置開発
 生物の生存に必須の元素で、貴重な天然資源でもあるヨウ素の研究や産業の発展に貢献した人をたたえる今年度のヨウ素学会賞を周南市開成町に本社を置く東ソー・エフテックの研究員4人が受賞した。環境に負担のかかるハロンやフロンの代替物としてエッチングガスや消火剤などに使われるトリフルオロヨードメタン(CF3I)の工業的生産プロセスを確立したことが評価された。

賞状を持つ森国さん(左)と長崎さん

賞状を持つ森国さん(左)と長崎さん


 この賞はヨウ素学会が2007年度から奇数年は学術的、偶数年は技術的な分野を対象に1件ずつ表彰している。今回受賞したのは研究の中心メンバーの長崎順隆さんと、森国義男さん、加登幸治さん、現在は東ソー所属の鈴木紳正さん。
 東ソー・エフテックは東ソーの子会社で1975年にハロン類を製造する会社として設立されたが、その後オゾン層を破壊する物質の使用が制限され、93年に代替のCF3Iの大量生産のための技術開発に着手した。
 従来の合成法は高価なヨウ素を使い切れない非効率性があったことからまず「気相触媒連続反応」による新合成法を開発したが、固定型だった製造装置を大型化したとたん、反応が不安定になるという問題が発生したため、管を回転させて反応を促すロータリーキルン型の装置を使うことを考案した。
開発したロータリーキルン(NEDOウェブサイトより)

開発したロータリーキルン(NEDOウェブサイトより)


 ロータリーキルンはセメント製造などに使われるが、気体を扱うためにはより高い技術が必要で、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援も受けて量産化を可能にする装置を実現させた。同社は2006年の試作装置完成から15年には増設もしてCF3Iを生産している。
 当初から研究に携わってきた同社研究所長の長崎さんは今までにない装置の設計など試行錯誤を繰り返して苦労も多かったと振り返り「長年やってきたことが評価されてよかった」と話していた。