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木質繊維で断熱材

マット、シートに加工 県産業技術センターと周南地域の3企業
 光市立野の西日本技術開発有限会社(西岡栄祐社長)と周南市今宿町の株式会社タケデン(竹村恭典社長)、下松市葉山の多機能フィルター株式会社(丸本卓哉社長)は宇部市の県産業技術センターと、木質繊維を瞬時に製造する技術や、木質繊維を使った断熱材など軽量材の開発を進めている。樹皮や繁茂が問題となっている竹など未利用の生物資源の有効活用が可能となることから期待がふくらんでいる。

マットの試作品などを持つ左から西岡、丸本、三国、竹村さん

マットの試作品などを持つ左から西岡、丸本、三国、竹村さん

 この開発への取り組みは6日、開発した西日本技術開発と多機能フィルターで実演をまじえて明らかにされた。
 木質繊維の製造は機械開発の西日本技術開発が以前に開発していた乾式解繊機「ファイバライザ」を活用。この装置は木材や樹皮、竹、紙などを粉砕する際、引きちぎるようにして細かくするため、植物の繊維が残り、薬品処理などで繊維を取り出す方法に比べて大幅なコスト減が見込まれている。
 同センターでは数年前からこの装置を生かせないか粉砕条件をさまざまに検討してきたが、容易に木質繊維や微粉を取り出す技術の開発に成功。合わせてこの装置で得られた木質繊維を使って断熱性能の優れたマットやシートを作成する技術も開発した。装置では種類の違う材料を複合粉砕することもでき、その組み合わせで高性能なマットやシート、ボードを作れることがわかった。
 そこでタケデンと多機能フィルターがこの技術を使って暖房用の断熱剤や農業用資材の製造を目指して試作を重ね、このほどほぼ狙い通りの機能を持つ製品の実用化の見通しが立ったため、同センターの協力で機能の測定、販路の開拓などを進めることになった。
 6日はまず西岡社長(77)、竹村社長(62)、県産業技術センター企業支援部の三国彰副部長(59)が西日本技術開発にあるファイバライザを使って報道陣を前に粉砕する様子を実演。多機能フィルターに移動して山口大学名誉教授でもある丸本社長(74)も加わって今後の可能性について説明した。
 粉砕した繊維を固めて多機能フィルターが長年、製造している緑化シートの不織布で包むことでマット状の断熱効果も高い断熱材ができることを紹介し、将来は緑化シートに入れているピートモスの代わりにこの繊維を使えないか、さらに研究を進めることも話した。
 県産業技術センターの呼びかけでこれまでつながりのなかった企業が連携して新製品の開発に結びついたことになり、丸本社長は断熱材は「1年以内には製品化したい」と意欲を見せていた。