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学校トイレ洋式化・山口県は全国最下位

耐震化優先で 光市は12.2% 周南市は和式だけも
 家庭での洋式便器の普及が進む中、文部科学省は昨年11月、4月1日現在の全国の公立小中学校のトイレの洋、和便器の設置状況を公表した。全国の洋便器率は43.3%だったが、山口県は26.7%と全都道府県で最も低かった。市町村別の調査結果も公表され、周南では下松市は50.7%と全国平均を上回ったが、光市は調査時点では10%と県内で最も低く、現在も12.2%、周南市は30.6%になっている。周南3市の実態を調べた。(延安弘行)

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 この調査は多くの小中学校が避難所になった4月の熊本地震を受け、高齢者などから洋式トイレを求める声が出たことなどを背景に全国で実施された。
 下松、周南市では耐震化や校舎の新築時に可能な限り洋便器を増やしたが、設置には便器を取り替えるだけでなく、1区画の大きさや配管も変更するなど大がかりな工事が必要になる。
 文科省は普及が進んでいない自治体は学校の耐震化などが優先されて改修に至っていないのではないかと分析しており、県内は数年前まで耐震化率でも全国で下位を占めていたため、そうした理由が考えられる。

 突出して低い光市の市立小学校は11校、中学は5校。体育館などのつり天井の落下防止を2015年度に一気に進めるなど耐震化を優先したことから洋便器の導入が遅れた。
 その中で16年度は大和中の屋外トイレを改修し、37基のうち20基を洋式にした。市全体の洋便器率も2%上がった。しかし、そのほかは室積小が50基のうち20基で洋便器率40%だが、室積中など2基だけの学校も4校ある。今後は17年度に工事をする学校はないが、2校分の設計の経費を予算案に計上、洋便器の導入を進める。
 周南市は小学校が27校、中学が15校の計42校。耐震化工事に合わせてトイレを改修した学校は比較的洋便器が多いが、耐震改修の必要はなかったが、洋便器が普及する前に建てられた校舎で和便器が多くなっている。
 遠石、久米、櫛浜、秋月、鼓南小、熊毛中では半数以上が洋便器だが、須磨小、鼓南中、鹿野中は和便器だけ。大規模校でも岐陽中は87基のうち洋便器は男子3基、女子1基の4基だけになっている。
 下松市は小学8校、中学が3校で、末武中は80基のうち78基、久保小は52基のうち48基で、洋便器率は90%を超える。一方で、久保中は60基のうち7基と11.6%、東陽小も10.1%にとどまっている。
 また文科省の調査ではトイレに対する教育委員会の方針も調べているが、光市と下松市は「おおむね洋便器(洋便器率90%以上)」を目指すのに対し、周南市は「各トイレに1基ていど和便器を設置し、ほかは洋便器(洋便器率60%以上)」としている。

 洋式トイレは洗浄機能つきのものも一般的となり、洋便器しか体験したことのない世代も増えている。高齢者や障害のある人には特にニーズは高く、学校は災害時の避難場所に指定されているケースも多く、コミュニティスクールの取り組みも進められ、地域にますます開放されるものになっている。
 このため洋便器が全くない、あるいは極端に少ないという状況は解消されるべきだろう。洋便器率だけが学校の快適さの尺度ではないが、限られた予算の中で何が子どもたちに必要なのか、何が優先されるべきか、市民の理解が得られる論議が求められる。