ヘッドラインニュース

「特定空き家」周南市3件、光市1件

自主解決多数、課題も
 人口減少などに伴って全国的に増加している空き家の対策へ「空家等対策の推進に関する特別措置法」が全面施行されて2年近くが過ぎた。放置されて老朽化することで倒壊の危険や、防犯面、景観を損なうなど問題があり、周南各市でも空き家対策の条例を制定するなどしてその対策に取り組んでいる。解決に結びつく事例がある一方、所有者と連絡がつきにくいなどの課題もある。現状を追った。(安達亮介)

空き家解体後、駐輪場整備が進む周南市の櫛ケ浜駅そば

空き家解体後、駐輪場整備が進む周南市の櫛ケ浜駅そば

 空き家は少子高齢化や核家族化など社会的要因や相続問題、経済的理由などからも増加傾向にある。このため地域で生活環境に深刻な影響を及ぼすのを防ぐため特別措置法が作られた。
 同法では「倒壊など保安上危険となるおそれがある」「著しく衛生上有害となるおそれがある」「著しく景観を損なっている」などの状態の空き家は市町村の立ち入り調査を経て「特定空き家」と認定され、市町村は所有者に解体や修繕をするよう助言・指導する。解決されない場合は固定資産税などの税負担が上がる勧告、敷地内への看板設置を伴う命令もでき、最終的には強制的に解体することもできる。
 周南市は2013年10月に空き家の適正管理に関する条例を施行。市生活安全課によると、空き家に関する相談、情報提供は03年の周南合併以降、今年2月末までに146件あり、このうち「特定空き家」に認定されたのは3件。
 そのうち2件は市から勧告を受けている最中で、別の1件は勧告の次の段階の命令を受けて敷地内に看板も立てられている。
 一方、相談があったうち41件は所有者が自主的に解体するなど、立ち入り調査に進む前に解決。情報提供を受けた市が手紙などで所有者と連絡をとったことなどがきっかけとなっており、この事例として櫛ケ浜駅東側の長年、空き家が数軒並んでいた場所では、各所有者が15年度までにすべて解体し、現在は土地を市が借りて駐輪場の整備を進めている。
 光市も特別措置法施行前の14年7月から空き家の管理に関する条例を施行。市生活安全課によると、これ以降に「瓦が落ちてくる」「草木が繁茂して困っている」などの苦情や相談などが2月末現在で86件あった。
 そのうち1件が「特定空き家」に認定されたが、その後の助言、指導で所有者が自主的に空き家を解体して解決している。
 下松市では独自の条例は設けていないが、特別措置法施行以前から空き家の苦情などがあれば所有者に対策を依頼している。市住宅建築課によると、市民からの空き家に関する苦情や売却などの相談件数は15年度は16件、今年度は2月末現在で30件。
 基準がないため「特定空き家」の審査はできなかったが、今年3月に「市空家等対策計画」を策定。今後はこの計画の基準に基づいて対策を進めていくという。
 13年の住宅・土地統計調査によると、周南市は住宅総数71,920戸のうち賃貸用などを除く空き家は推計4,980戸。13、14年度に独自調査した下松市は住宅総数26,700戸のうち1,172戸。光市は未調査のため不明だという。