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今秋 自然学習館、野鳥観察所オープン

“そぎ落とし”総事業費50億円維持 徳山動物園・15カ年のリニューアル事業
 周南市の徳山動物園(三浦英樹園長)は2013年度から本格的なリニューアル事業に着手し、昨年春の周南の里ふれあいゾーン「るんちゃ♪るんちゃ」に続き、今年秋には自然学習館、野鳥観察所がオープンする。並行して進めているゾウ舎は18年度に完成する。総事業費50億円をかけ、2027年まで続く事業の現状を報告する。(延安弘行)

スリランカゾウで計画変更
 同動物園は1960年にオープンし、北園と南園を合わせて約5ヘクタールの園内では昨年3月現在で112種類の動物を飼育展示している。2013年にはスリランカから国交樹立60周年を記念して贈られたスリランカゾウのナマリー、ミリンダが入園した。
 リニューアル事業は当初、2011年度から23年度までの期間で計画した。ところが、財源は事業費の半分まで利用できる国土交通省の社会資本整備総合交付金などを利用するが、東日本大震災で国の助成を受けられるか、不確かになった。

ゾウ舎などの予定地

ゾウ舎などの予定地

 さらに当初は先に北園を整備して動物を北園に移し、南園を整備する予定だったが、スリランカゾウの繁殖が可能な施設を先に作ることになり、15年に南園と北園を並行して整備するよう計画を変更した。期間も延長して13年度から27年度までの15年間にしたが、50億円の事業費は据え置いた。
建設中の自然学習館、野鳥観察所

建設中の自然学習館、野鳥観察所

 13年度は2億8,000万円の予算でまず北園の駐車場を整備、14年度は2億5,000万円、15年度は1億6,000万円で雨の日でも動物とふれあえる「るんちゃ♪るんちゃ」を作るとともに自然学習館などの建設にも着手。16年度は7億8,000万円をかけ、同館をほぼ完成させ、ゾウエリアの建設予定地を造成した。
 17年度は5億9,000万円で同館をオープンさせ、ゾウエリアの建設を進めて18年度に完成させる。ここまでで事業費は28億円。しかし最も費用がかかると見られる自然学習館、ゾウエリアが完成することから、総事業費は当初予定の50億円ていどにできる見通しという。
 今後は20年度にマレーグマ、コツメカワウソ、シロテナガザルなどのアジアの熱帯雨林ゾーン▽21年度にニホンザル、ツキノワグマなどの周南の里ゾーンと南園のエントランスと駐車場▽22年度に南園の広場ゾーンのフードコート、休憩所▽24年度に北園のオオカミ、トラ、トナカイなどの極東アジアや北極圏の自然ゾーン▽25年度に南園のキリン、シマウマ、カバ、ライオンなどのアフリカのサバンナゾーン▽27年度に北園にホッキョクグマエリアと南園の広場ゾーンの広場と、毎年のように新施設のオープンが続く。
 木原一郎園長補佐(48)は事業費について「動物の環境、お客様の満足を優先しながらできる限り無駄をそぎ落として身の丈にあった最低限必要なものにしている。ゾウ舎ではほかの動物園に比べて半額に抑えられた」と話す。

議会が入園料値上げに意見
 リニューアル事業を17年度の場合で除いた動物園の経費は職員の給与、教育普及、飼育などを合わせて年間約3億2,000万円。このうち飼育事業費と教育普及費などソフト事業分は入園料でまかなうという考え方。
 入園料収入は27年度決算で5,583万8,774円と5,600万円前後だが、大人410円、子ども100円の入園料を、今年10月からはそれぞれ600円と300円に値上げする。大人は11年ぶり、子どもは31年ぶりの料金改定。市内の高校生以下の無料入園は続けるが、年間で約3,000万円の増収を見込む。
 この入園料の値上げ後でも全国53の公立動物園で金額は「中ごろではないか」という。昨年10月には市議会予算決算委員会の決算の審議に伴い「安い入園料は、いつでも行けるという心理が働くため、動物園リニューアルの付加価値を高めるためにも入園料を含め検討すべきである」という意見書も付けられていた。
 自然学習館は3階建てで、講義用のホールや会議室とレッサーパンダの展示場もあり、階段を昇りながら観察できる。野鳥観察所は半径13メートル、高さが8メートルのケージで50種類、150羽の小型、中型の鳥を飼育、ケージ内を歩きながら鳥のさえずりや果実や昆虫を食べる様子、水浴びなどを観察できる。
 同園は、今春は大道理芝桜まつりの入場券で入場料を半額にするなど、内外の観光施設などとの連携にも取り組んでおり、観光の拠点としても役割が大きくなっている。