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世界初の水素製造システム

淡水と海水の塩分濃度差利用、今夏、東部浄化センターで実証
 淡水の下水処理水と、海水の塩分濃度差を利用した世界初の水素製造システムの実用化に向けた実証事業が今年夏ごろから周南市鼓海の徳山東部浄化センターで始まることになった。
 この事業は国土交通省の下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)。県が水素先進県を目指していることから県産業技術センターがコーディネートし、山口大学と福岡市の正興電機製作所の山口営業所、日本下水道事業団の共同研究体を実施者に上限3,000万円でこのほど採択を受けた。

徳山東部浄化センター

徳山東部浄化センター

 このシステムは海水からの食塩製造、しょうゆの脱塩などに利用されていた技術を応用し、下水処理水と海水の塩分濃度差を利用して水素を製造するもの。
 効率的かつ低コストで安定的な水素製造が可能で、高純度の水素ガス以外に酸素ガスも得られ、消化工程を採用していない下水処理場でも海水の取得が容易ならば水素製造が可能、下水処理場はエネルギー消費地に近いため水素の輸送コストが抑えられるなどの利点がある。
 昨年度に福岡市の海水淡水化センター・まみずピアで処理ずみの濃縮海水を使った基礎調査をしており、今年度は徳山東部浄化センターで実際の海水を使って本格的な調査に着手し、水素、酸素製造能力の向上や前処理装置の確立技術を評価する。
 専用の膜製品は周南市のアストムが提供している。
 今後は夏ごろにプレハブの研究プラントを設置し、約1年間、調査・研究を進める。