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小説「市長交代」

【下松】井川市政誕生もとに高橋さんが出版
 下松市の日立製作所笠戸工場(現笠戸事業所)で総務部長を務めた高橋省悟さん(69)=東京都昭島市=が小説「市長交代 山口 2000 A.D.」を文芸社から出版した。架空の地方都市を舞台に、ある企業の総務部長の目を通して、フィクションとしながらも市議会議員だった井川成正さん(87)が現職を破って当選を果たす2000年の下松市長選挙の動きをリアルに描き出している。

出版した本を持つ高橋さん

出版した本を持つ高橋さん

 高橋さんは愛媛県新居浜市生まれ。東京大学法学部を卒業して日立製作所に入社し、定年退職後は厚生労働省の労働保険審査会の参与や、八洲(やしま)環境技術振興財団の理事を務めた。
 「市長交代」は「赴任」「構造改革」「政治風土」「無投票か」「選挙突入」「新市長誕生」の6章とプロローグとエピローグで構成したA5判118ページ。
 バブル崩壊の中、下松市に見立てた周防市の笠戸電機周防事業所に主人公の“真吾”が単身赴任するところから始まり、現市長の5選阻止のため周防事業所の息のかかった候補者を立てるべきだと説く地元有力者の話から、選挙にからむ人間関係に巻き込まれていく…。
 井川さんを含め企業幹部や国会議員、知事、県議、商工会議所会頭、市議会議長ら実在の人物はすべて似た名前で登場。文中で“木川氏”と表現される井川さんがさまざまな思惑がからみながらも周囲に推されて出馬を決意し、現職の高齢や多選、合併の是非を争点に選挙戦が進んでいく様子が描かれていく。
 エピローグでは真吾が東京に戻ったこと、そして木川市政は「平成28年まで続き、市民に惜しまれながら後継者に後を託した」と記し「今後とも周防市が、全国有数の住みやすい、活力漲(みなぎ)る街として発展していくことを遠くから真吾は期待している。」と結んでいる。
 高橋さんは「下松で得難い体験をさせてもらったことのお礼を、フィクションの形でこの本にまとめた。日本のどこにでも起こりうることとしてたくさんの人に読んでほしい」と話している。
 税別1,000円。周南地域でもブックスとんだなど主な書店で6月から発売される。問い合わせは文芸社(03-5369-2299)へ。