一言進言

空き家対策はリノベーションから

~福川も室積も可能性あり~
全国で空き家対策が悩みの種だ。周南地区でも中山間地域はもちろん、周南市新南陽地区の福川や光市の室積など市街地周辺でも深刻だ。先日、福川を歩いたが、メーン道路から1本入ると、ほとんど生活のにおいがしない。明らかに空き家とわかる建物だらけだ。福川駅周辺は地の利がすこぶるいい。国道2号に近く、駅前は県道が走り、防府方面でも、車で徳山の中心市街地にも15分か20分足らずで行ける。電車も利用できる。
先日、NHKの番組で、全国で注目されている大島芳彦さんというリノベーションで有名な建築家が取り上げられていた。リノベーションはもともとの性能以上に新しい価値をつけて再生させること。古いアパートを周辺住民を巻き込みながら再生し、地域の拠点のようなスペースにしてしまうとか、市営住宅を改造、結婚式場にも使える場所に変身させたりと、実に見事だ。大阪府のある市では、エリア全体を委託され、緻密な計画に盛り上がっていた。
身近にも日本を代表するリノベーションの専門家がいる。全国に展開している「R不動産」の創始者、藤井建之さんは周南市出身で、まだ若い。「R不動産」は家主と借り主をつなぐだけでなく、設計士と工務店とグラフィックデザイナーなどを融合させ、エリアの光景を変える活動を始め、全国で多くの成功例を上げている。
もうかるからと周南地区にもマンションが乱立している。一方で空き家だらけの地域も増えている。マンションとマンションの間に空き家が点在する光景は醜い。そこには人の暮らしや働いている人の汗を感じることはない。例えば周南市二番町のイタリアレストラン「カカ」は古民家をリノベーションして開店、周りの空気を変えた。
広島県尾道市などは空き家対策をリノベーション集団に委託した。あっという間に百数十件の物件が登録された。築後120年の民家を素敵なシェアオフィスに生まれ変わらせたり、坂道だらけの不便さを逆手に取った使い方もうまい。成功例は数えきれないほどある。ただし、そこには熱い想いを持った、優れたプロデューサーがいる。周南市にも「カカ」や「日下医院」などを手掛けた人たちがいる。活躍の場は無限にある。
木村周南市長はクリエイターを集めると宣言している。地元にもいる。また藤井さんのような人もいる。まずは空き家対策をそうしたクリエイターたちに全面的に委託したらどうか。職員2、3人分の給料をつぎ込めば、地域は大変身すること請け合いだ。職員だけでは、久米の開通した道路のように、街並みもエリア分けも無茶苦茶な、残念な結果になる。クリエイターの使い方を考えるべきだ。(中島 進)