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女王のお召し列車に

「クイーン・エリザベスⅡ」と命名、日立笠戸製列車に「快適、早かったわ」
 下松市の日立製作所笠戸事業所(川畑淳一事業所長)で英国向けに製造された鉄道車両「クラス802」が13日、ロンドン市内を走るエリザベス女王のお召し列車に使われ、快適な乗り心地に女王は「クイーン・エリサベスⅡ」と名づけられた。“下松発”の日立車両の技術がお墨付きを得た形で、英国を拠点とした日立のビジネス展開に追い風が期待される。(山上達也)

「クイーン・エリザベスⅡ」の前で命名に喜ぶ正井常務(左)とボズウェル社長=日立製作所提供

「クイーン・エリザベスⅡ」の前で命名に喜ぶ正井常務(左)とボズウェル社長=日立製作所提供


175年前の国王初の列車旅と同日に
 日立は英国鉄道省から高速鉄道車両866両を受注し、76両は完成品として、残りは英国の工場で内装や組み立てをするため半完成品で出荷する。これまでに約300両を下松第2公共ふ頭から送り出している。
 下松側で製造と輸送が順調に進む一方、英国では今年秋からの営業運転に向けた準備が進む。今回のお召し列車の運行はそのデモンストレーションで、1842年6月13日にビクトリア女王が英国王として初めて列車で旅をしてから175年後の同じ日に、同じ区間でエリザベス女王が追体験した。

女王が正井常務らに直接ねぎらい
 運行区間はウインザー城近くのスラウ駅からロンドン・パディントン駅までの約40キロ。関係者によると女王は「快適でとても早かったわ」と上機嫌で、その場で正式にこの列車を「クイーン・エリザベスⅡ」と命名した。
 お召し列車が到着するパディントン駅には日立製作所の前笠戸事業所長の正井健太郎執行役常務や、現地法人の日立レールヨーロッパのカレン・ボズウェル社長が出迎え、女王から直接、ねぎらいの言葉を受けたという。

パディントン駅に停車した「クラス802」=日立製作所提供

パディントン駅に停車した「クラス802」=日立製作所提供


英国の新高速鉄道受注の追い風に
 正井常務は「我々が設計、製造した車両が英国で受け入れられることは大変意義深い。車両の安全性が高い評価を受けたことが、きょうにつながった」と感激。電化区間と非電化区間が混在している英国の鉄道に配慮して電気でもディーゼルでも走れるハイブリッド仕様になっていることに女王は高い関心を示したという。
 エリザベス女王自らの命名は、日立がドイツのシーメンス、カナダのボンバルディア、フランスのアルストムと競っている英国の新高速鉄道「ハイスピード2」の受注へ追い風にもなりそう。下松市内外の日立の関連企業に波及効果も期待される。
 関連企業31社の日立笠戸協同組合の弘中善昭理事長は「エリザベス女王からのお墨付きに感激した。各企業とも異なる分野で長い歳月をかけて継承、洗練させてきた技術を持っている。日立を源流とするものづくりに一層精進していく」と話している。