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無投票」砕く取り組みを

【金曜記者レポート】下松・来年の県議補選と市議選
県議補選に森繁市議・依然低調な市民の関心

 下松市では来年1月の県知事選に合わせて1人が欠員になっている県議会議員の補欠選挙、4月には市議会議員選挙(定数20)がある。同市はここ数年、市長選挙を含め無投票や無風の選挙戦が続き、今回も県議補選は無投票の可能性が浮上する一方、市議選は定員割れさえ予想される。県内の市町で唯一人口が増加し、東洋経済新報社の住みよさランキングでは中四国地方1位だが、選挙戦が低調なのは市民の市政への不満が薄いからだけなのか。2つの選挙の動きを探った。(山上達也)

三つ巴か無投票か不透明に
 県議補選は下松市区定数2のうち昨年4月に市長選出馬のため辞職した国井益雄氏(68)の欠員を補うもの。
 現時点で出馬の意向を示しているのは森繁哲也市議会議員(37)=駅南=だけ。森繁市議は2007年の県議選に自民党所属で27歳で出馬して落選。その後、10年の市議選には無所属で挑んでトップ当選し、現在2期目。

森繁市議

森繁市議

 今回は3月の自民党下松支部(守田宗治支部長)の総会で党公認を申請しており、ほかに申請者がいなければ来月にも県連が公認を決める見込み。こまめな街頭演説や後援会だよりを自身が歩いて支持者に配布するなど、出馬へ向けて浸透を図っている。
 同支部長で同市区の現職、守田宗治県議(65)は6月に副議長に就任した県政の重鎮の1人。補選の当選者が本選では対抗馬になるが、今回は「当選した人と下松のために力を合わせたい」と話す。
 このほか前回の県議選の次点で、民進党の森本真治参院議員(広島選挙区)の公設第1秘書、古賀寛三(ひろかず)前市議(47)=東豊井=、松尾一生市議(56)=古川町=に出馬を期待する声があるが、古賀さんは「現時点では白紙」、松尾市議は「結論は出していない」と話している。

注目される井川前市長との距離
 県議補選のカギを握るのは今も大きな影響力を持ち、国井市長の後援会長でもある井川成正前市長。市長在任中は、森繁市議とは距離があり、昨年4月の市長選も井川さんが続投なら森繁市議が立候補を予定していた。一方、古賀さんと松尾市議はともに井川さんに近い立ち位置だ。
 古賀さんは市議3期の間は井川前市長に近い会派の新生クラブ所属。民主党推薦・無所属で出た15年の県議選では敗れたが、翌年の市長選では国井候補へ民進党や連合山口の推薦を取り付けるために奔走した。
 松尾市議も古賀さんと同じ06年に市議に初当選し、現在3期目。新生クラブに所属して井川、国井氏の市長選挙戦では2人の支援へ積極的な動きを見せ、国政選挙でも自民党候補の支援に動いてきた。
 この2人の動き次第では激戦にも無投票にもなるだけに、その動きが注目される。

【市議選】複数の現職引退に新人の動きなく
 一方、市議選は6月の会派代表者会議で現在の定数20を維持する方針を全会派一致で確認した。しかし森繁市議ら複数の現職の、くら替えや引退がうわさされる一方で、新人の動きは現時点ではなく、無投票どころか定数に達しない可能性もある。
 前回の14年4月の時も告示3日前に新人が出馬表明するまで無投票が濃厚だった上、投票率は過去最低の46.56%だった。
 市議会は議会報告会の開催など市民に身近な議会にしようと動いてはいるが、市を二分するような課題が特に見受けられないためなのか、争いを避けたいのか、市民の市政への関心は薄い。
 また選挙管理委員会が候補者の経歴や公約を掲載する選挙公報は県内で市長、市議選で発行していないのは同市と美祢市だけだが、その発行なども論議にのぼらない。市民の市政への関心をどう高めるのか、議会の姿勢が問われている。