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周南3市の子ども医療費助成

【金曜記者レポート】光市は中学生まで無料化、下松、周南市は小学生対
 子育て支援へ子どもの医療費を助成する範囲を広げる自治体が増えている。光市は8月1日から医療費を全額負担する対象を所得制限つきながらこれまでの小学3年生以下から中学3年生以下までに大幅に引き上げる。所得制限の有無の違いはあるものの、下松、周南市は小学6年生まで無料。3市の現状と今後の見通しを探った。(山上達也)

170728h

 子どもの医療費の自己負担分の助成は周南3市とも、まず国庫負担を含む乳幼児医療費の無料化を土台に、対象年齢を広げている。子育て世帯の負担軽減になるため“都市間競争”の様相も帯びているが、恒久財源の確保が課題だ。

【光市】医療のセーフティーネットに
 光市は入院医療費を乳幼児から高校生(18歳到達後、最初の3月末まで)まで所得制限つきで負担する制度を2013年に導入。一昨年8月には小学1~3年生の通院医療費の無料化に踏み切り、さらに今回、対象を中学卒業までに拡大した。今年度は全体で1億4,000万円を計上している。
 所得制限があるため対象になるのは児童生徒の約6割。こども家庭課保育・子育て支援係の升克頼係長は「経済的に困窮しても安心して医療が受けられるセーフティーネットとして導入している」と説明。西村功課長も「『おっぱい都市宣言』の市にふさわしく安心できる子育て環境を届けたい」と話す。

光市の無料化拡大を知らせるポスター

光市の無料化拡大を知らせるポスター


【下松市】保育園民営化で財源を
 下松市は乳幼児から小学6年生まで医療費が無料で、所得制限はない。今年度は全体で2億3,400万円を計上。鬼武良光子育て支援担当部長は「所得に関係なく、安心して医療が受けられる環境が大切」と説明する。
 井川成正前市長は市立保育園を民営化することでその財源を子どもの医療費無料化の拡大にあてる方針を打ち出し、すでに移行している園も含め来年度までに3園が民営化する。1園ごとに年間1億円が浮くとしており、所得制限なしで無料化に踏み切る財源になっている。
 無料化は人口増加の追い風にもなり、片山弘美子育て支援課長は「子育て支援が充実しているから転入したという声をよく聞く。子育て世代に喜んでもらえる政策を展開したい」と話す。

【周南市】制度維持へ財源確保を
 周南市は昨年4月、小学6年生まで所得制限つきで医療費を無料化した。対象は約6割弱と見られ、今年度は全体で2億2,500万円の予算を組んでいる。
 次世代支援課の石光一こども給付担当係長は「子育てするなら周南市。医療面の不安を取り除き、安心して子育てをしてもらえる環境を提供したい」と話す一方「無料化は始めたら簡単にはやめられない。財政部門との協議で恒久財源を確保し、市民に不安のないように制度を維持したい」と言う。
 今後、対象を拡大するかは未定としつつも「学年が高くなるほど受診者数は少なくなる傾向があり、対象を広げても乳幼児や低学年ほどの財源は必要ないかもしれない」とも見通している。

「本来は国がやるべき」
 これら医療費無料化の対象者には、申請に基づいて「医療福祉費受給者証」が交付され、県内どこの医療機関で受診しても医療費を支払わなくていい。これは歯科受診や調剤も対象になる。
 しかし3市の担当者とも共通して「子どもの医療費無料化は本来は国がやるべきことではないか」と話す。
 県市長会を通じて県内13市連名の要望書も国に提出しており、国が財源難を理由に難色を示す中で今後の展開が注目される。