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聴覚障害者の医療受診

【周南(徳山)】バリアフリーへシンポジウム 当事者と医師が意見交換
 県中途失聴・難聴者協会(信木章会長)の呼びかけで「聴覚障害者の医療受診におけるバリアフリーにむけて」と題したシンポジウムが24日、周南市東山町の徳山医師会病院で66人が参加して開かれ、聴覚障害者や要約筆記者、医師をパネリストに、難聴者が医療機関を受診する際の不安とその解消策などで意見を出し合った。

発言する坂本さん(左)

発言する坂本さん(左)

 このシンポジウムは昨年、山口市で開かれたのに続いて2回目。最初に山口市の耳鼻咽喉科かめやまクリニックの金谷浩一郎院長が「難聴者対策と問題点」と題し、聴覚障害者にも生まれつき音が聞こえない人や、中途失聴者などさまざまなタイプがあり、難聴のていども多様で、大きな声で話してもらっても逆に聞き取りにくい場合もあることを紹介した。
 パネリストは同協会の副会長で難聴者の玖村和久さん、理事の重村智子さん、要約筆記者の河本紀美子さん、今回の同病院でのシンポジウム開催にも尽力した周南市の坂本耳鼻咽喉科の坂本邦彦院長の4人。
 玖村さんは口の動きで何を言っているのか知るため、医師がマスクをしていたり、パソコンの画面などを見て患者の方に顔を向けていない時は、何を言っているのか、わかりにくいことや、看護師が大きな声で話してくれるが、かえって聞き取りにくいなど、体験から話した。また個人病院では受け付けから支払いまで窓口が1つなので困ることが少なく「ちょっとした配慮があれば難聴者のよりどころになれる」と話した。
 重村さんもゆっくり、はっきり、口を開いて話してほしいと述べ、手話ができる医師と出会った時のうれしさなども話し「お大事にの一声だけでも手話で話せば、この先もこの先生に見てほしいと思うのでは」と述べた。
 河本さんは要約筆記で医師が言っていることを患者に伝えるが、病名などはメモしてもらえば正確に伝えられることや、要約筆記者でなく難聴者を見て話してほしいと訴えた。
 坂本さんはカルテの表紙に筆談が必要かを書き込むことや、検査方法の指示ではイラストの利用、病気の解説は本の文書を示し、後日、自分で文書にして患者に渡す場合もあることなどを紹介した。
 そのほか、大きな病院では受付、診療、支払いとそれぞれの部署で難聴者であることを説明しなければならなかったり、診断の順番が来て名前を呼ばれたが聞こえず、長時間待たされた場合もあったことが報告された。難聴の自覚がなく、補聴器を使っていない人も多いという指摘もあった。

耳マーク

耳マーク

 対策では医療関係者が難聴のていど、聞こえ方はさまざまであることを理解するため、研修の場を設けることや、聴覚障害者のシンボルマークの「耳マーク」を活用して難聴者であることを示したり、補聴器を使用する場合に音を聞き分けるリハビリテーションの必要性など幅広い意見が出された。