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団員の減少・高齢化進む

【金曜記者レポート】
周南3市は定員確保、消防団・将来へ向け対策も

 東日本大震災や毎年の豪雨災害などでも活躍が報じられる消防団。団員は全国で約86万人、県内は昨年4月末現在で13,312人(うち女性団員494人)。周南3市では現在1,884人が活動している。団員の高齢化と減少が全国的に課題となる中、周南市は約86%、下松、光市はほぼ定員通りの団員を確保している。しかし将来に向けては人口が減少する地域を中心に不安もあり、対策が求められそうだ。(延安弘行)

県操法大会へ向けて訓練に励む団員

県操法大会へ向けて訓練に励む団員


仕事しながら災害時に出動
 消防団は消防組織法に基づいて市町村に設置されている消防機関。団員は通常、自営業や会社員などそれぞれの仕事をしながら地域で発生する火災や災害時に出動し、訓練や防災活動に取り組んでいる。
 災害時以外は7月の操法競技大会、年末年始の夜警、1月の消防出初め式、地域のイベントでの警備や毎月1回の機材の点検などがあり、通常は年に10日ほど出勤する。
 報酬もあり、周南市の場合で年額34,500円。このほか1回の出動に6,700円の手当と一定期間以上勤めた団員には退職報奨金もある。定年は団員が60歳、幹部が65歳。
 県の防災年報によると、1980年は団員15,994人(女性4人)だったが、95年には14,767人(209人)、2010年には13,639人(385人)と減り続けている。平均年齢も80年は41歳だったが、昨年4月では46.2歳になっている。
 一方、この間、消防職員は1980年の1,340人から1,941人と増加しているが、消防団員の7分の1。広い地域が同時に被害を受ける豪雨災害や地震などで地域の実情を熟知する団員が果たす役割は限りなく大きい。

光市は市職員が1割以上
 周南市消防団(神本康雅団長)は周南市の誕生に伴って発足。18の分団があり、定員は1,184人だが、団員の実数は1,017人(14人)。地域間の差が大きく、充足率が90%を超える分団もある一方、大津島の第15分団は定員46に対して28人と定員の6割。そのほかにも7割前後の分団がいくつかある。
 このため今年4月には、独立した分団だった大向を鹿野下と一緒にして第8分団にし、一方で団員の定数が53人、実数48人と規模の大きい須々万を分団に格上げして第6分団とした。
 光市消防団(小西輝保分団長)は12分団で530人の定員に対して現在は522人(19人)。5年前から消防団のホームページを開設してPRに生かしている。
 同市の特徴は市職員など公務員が多いこと。4月時点で517人だった団員のうち市職員が61人、県職員が2人の計63人と1割以上を占めている。公務員の入団は国も促進しているが、下松市では11人にとどまる。周南市は42人の公務員が入団している。
 下松市は光市とほぼ同規模の人口だが、消防団(村田丈生団長)の定数は9分団で、定数350人。実数345人(18人)でほぼ定数を確保。女性は全員が女性分団に所属している。各分団の幹部が新入団員の勧誘にあたり、団員確保の広報活動は特にしていない。

「地元に貢献が魅力」
 16日には山口市で県消防操法大会が開かれる。周南市消防団からは7月16日にあった市操法大会のポンプ車操法の部で優勝した徳山地区の市街地を管轄する第11分団、小型ポンプの部で優勝した加見・富岡の第14分団が出場する。
 大会は決められた操作をどれだけ短時間でできるかを競い、8月21日から津田恒実メモリアルスタジアム前で合同練習を始め、大会まで週に4回は夜、この場所でポンプの操作や放水などの訓練を続ける。
 この訓練に参加する第14分団の有井純一郎さん(32)は会社員で、団員になって3年目。市の大会前から訓練を続けてきたが「1秒伸びるごとに練習の成果が出ていると感じ、楽しくやらせてもらっている」と張り切り、消防団について「有事の時、地元に貢献できるのが一番の魅力」と話す。
 小型ポンプは県大会で優勝すると全国大会に出場でき、訓練にも力が入る。
 見守る神本団長は消防団に入って30年。副団長を4年間務めて4月から団長に就いた。訓練を見守りながら「この数年、団員一人々々の心構えがしっかりしてレベルアップしてきた。先輩が積み重ねてきた気持ちを伝えていきたい」と話す。
 都市部から過疎地まで多様な地域がある中での団員の確保には「今からが大変」と話し、地域の人口など実態に合わせた組織、団員定数の見直しだけでなく、大学生に団員になってもらうことや、定年で退団したあとも“予備役”として団員を補助してもらうことなども課題とし「分団をバックアップしていきたい」という。
 地域のために何かしたいという人は今も少なくない。一方、消防団の活動も火災や災害現場にとどまらず、日常的な防災活動、イベント開催の支援など多彩。災害時だけでなく地域づくりの核としての役割は大きい。
 定員数に柔軟性を持たせて学生や女性団員を増やし、フェイスブックといったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用など、市民への情報発信の多様化も進めてほしい。