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逃げようと転んでケガした児童も

周南市・昨年度の野犬被害情報49件
 8月3日に周南市内で50歳代の女性が野犬にかまれた事件を受け、9月12日に開かれた市議会一般質問で今後の対応などが問われた。その中で昨年度は野犬に追いかけられた、群れに囲まれた、車を傷付けられたなど被害の情報が49件寄せられ、そのうち小学生が逃げようとして転んですり傷を負った事案が2件あったこともわかった。

野犬=13日、周南緑地東緑地公園で

野犬=13日、周南緑地東緑地公園で

 野犬については島津幸男議員(無所属)がただした。今回、被害にあった女性は市野球場付近でランニング中、野犬の群れに囲まれ、うち1匹に右太ももをかまれたもの。市内では周南緑地公園などを中心に市街地の広い範囲で野犬の増加が問題になっているが、人がかまれたという報告はこれが初めて。
 女性は軽微な内出血だったが、その後の市の対応を問われると木村市長は「治療費などの問い合わせもあったが、市としてできる誠心誠意の対応をし、自費でとご了承いただいた」と報告。事件後は担当の環境政策課に加え、公園花とみどり課、文化スポーツ課で協力して夕方の見回りをし、周南緑地公園周辺に大型捕獲おりを設置したことなど対策も説明した。
 また昨年度の被害の情報について島津議員が「公表しなかった理由」をただすと、市長は「ホームページなどで公表はしていたが、被害の数は出していなかったので、今後は定期的に公表したい」と答えた。
 さらに島津議員が市内の小中学校での対策をただすと、久行竜二教育部長は「周南緑地など遭遇の可能性が高い小中学校には、保護者を含めてむやみに刺激することなく、目を合わさず、背中を向けて走り去らないようにしながらすぐに離れるなど具体的な対応や、学校などにしっかり連絡するよう指導している。喫緊の被害が予測され
そうな時は教員同伴で一斉下校、保護者に引き渡すなどの対応をマニュアル化している」と述べた。

バルーンアートで実物大新幹線

企業紹介、飲食で下松アピール 16日・周南JC「星ふるまちくだまつ」
 周南、下松市で活動している周南青年会議所(JC=中川智加良理事長、84人)は「星ふるまちくだまつ~ひと☆まち☆しごと☆ここにしかないもの」(新周南新聞社など後援)を16日午後3時から下松市の下松スポーツ公園グラウンドで開き、等倍の新幹線を作るバルーンアートやLED(発光ダイオード)を10万球使ったイルミネーション、地元企業紹介ブースなども並ぶ。

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 下松や周南エリアの産業や人材の魅力、地域資源を再発見してアピールしようと、まちづくり委員会(冨永佳宏委員長)の主管で開く。新幹線車両を製造している日立製作所笠戸事業所にちなんで新幹線の先頭車両をバルーンアートで作り、下松・周南地域の地元企業の体験ブースや地元グルメがそろう“おしごと周遊まっぷスタンプラリー”もある。
 ステージでは書道パフォーマンスやよさこい演舞が続く。イルミネーションの点灯は7時半から。企業ブースを回ると先着500人に光るスカイバルーンをプレゼント。消防や警察車両、ミニべんけい号も展示される。
 無料。問い合わせは同JC(0834-29-1436)へ。参加企業次の通り。
 企業ブース=日立製作所笠戸事業所、山下工業所、光井鉄工所、兵庫ボルト、弘木技研、三和産業、浅海畳材、渡辺愛樹園、下松べんけい号を愛する会、県室内装飾事業協同組合、下松市消防署、下松警察署、イワタニ山陽東山口支店、原田、書Cafe、Happily、テクニ建工、JA周南、おおすみ会館下松
 飲食ブース=くだまつ観光・産業交流センター、下松商工会議所青年部、朝日屋、ボンディ・パートナー・システム、周南造園、ホルモン横丁下松店、金分銅酒造、笑酎屋ぶにせ、津々浦々、萌えサミット実行委員会、ライトアップ周南、下松特用林産、鉄網ダイニング雅味、就労継続支援施設第三よろこび

介護者のよりどころ

周南(新南陽)周南認知症を支える会が30年、数井さんの講演に350人
 周南市主催の認知症講演会と、周南認知症を支える会・福寿草の会(国兼由美子会長)の30周年記念式典が9日、市学び・交流プラザで開かれた。会場の多目的ホールに入りきれない350人を超える人たちが訪れるほど高い関心を集め、交流室にも講演などを中継した。

報告する国兼さん

報告する国兼さん

 式典では木村市長らが祝辞を述べて介護者の心のよりどころとなっている長年の同会の活動をたたえ、国兼会長が同会の30年のあゆみを報告した。そのあと大阪大学大学院医学研究科精神医学教室講師の数井裕光さんが「その物忘れ、大丈夫?知っておきたい認知症の話」と題して講演した。
 同会は1987年に認知症を発症した人を介護する家族やボランティアで光、下松、徳山、新南陽市、熊毛、鹿野町をエリアに徳山地区痴呆性老人家族会として発足。2003年に周南市、光市、下松市に分かれてそれぞれ独立して活動、現在は熊毛地区にも同様の会がある。04年に「痴呆」から「認知症」に呼称も変更している。
 国兼会長は報告で毎月第2火曜に徳山社会福祉センターで〝集い〟を続け、最初は体験を語り合っていたが、医師や看護師など専門家を招いての勉強会や、施設の見学会、リフレッシュ会などを開き、15年度からは当事者と家族、地域の住民などが気軽に集える「かふぇ福寿草」も集いと同じ日に開いていることなどを説明。「一人で悩まないで下さい。隣の人に伝えて下さい。頑張らない介護をしていただきたい」と呼びかけた。

講演する数井さん

講演する数井さん

 NHKのテレビ番組にも出演している数井さんは認知症についてうつ病など似た別の症状と比較するなどして説明。診療の流れでは一緒に住んで患者の様子をよく知っている家族の話を聞くことや、認知症の種類と治療法などをわかりやすく解説し、聴く人を引き込んでいた。

全国へブドウ、ナシ

【周南(徳山)】須金で“ゆうパック”出発式
 周南市須金特産のナシとぶどうを全国に届ける日本郵便の“ゆうパック”の出発式が7日、金峰のふれあいプラザ須金で開かれ、郵便局の関係者と生産者合わせて40人が参加して送り出した。今季は須金ぶどう・梨生産組合(高橋勝己組合長)の各農園から24,000件以上の出荷を目標にしている。
 須金は14の観光農園があり、郵便局がチラシなどで特産品として購入を呼びかけるふるさと小包と、各農園からも直接、ゆうパックでナシ、ブドウを各地へ発送している。ゆうパック全体の取扱量は2015年度は21,600件、16年度は22,000件だった。
 今年も1日からゆうパックによる配送が始まり、ふるさと小包はブドウのニューピオーネとナシの二十世紀を合わせて4.5キロの詰め合わせ6,200円などを最長10月10日まで受け付けている。

ブドウ、ナシのパックを持つ高橋組合長(左)、長谷川支社長

ブドウ、ナシのパックを持つ高橋組合長(左)、長谷川支社長

 出発式には日本郵便中国支社の長谷川実支社長や県内の郵便局長らが出席。高橋組合長は「今年は春の天候に恵まれ、夏の日照も十分にあったので、糖度が高く甘いブドウ、ナシができました」とあいさつした。
 続いて高橋組合長から手渡されたナシ、ブドウの詰め合わせを長谷川支社長がトラックに積み込み、トラックの前でテープカットして拍手に送られて出発した。

問われる運転者マナー

【金曜記者レポート】周南・中央分離帯ポイ捨て、対応に苦慮
車で移動中に信号待ちをしている時、ふと中央分離帯に目をやると、ビニール袋、空き缶、たばこの吸い殻などのごみがあることに気づく。主には走行車両から捨てられたものと思われるが、吹きだまりとなる場所のほか停止時間が長い交差点などは恒常的に散乱している。道路を管理する行政機関も回収に取り組んではいるが、車が行き交う車道の真ん中に位置するため作業が危険であることや、人手などの問題もあって対応は追いついていない。苦慮する現場を追った。(安達亮介)

たばこの吸い殻やごみが散乱する中央分離帯=周南市遠石交差点

たばこの吸い殻やごみが散乱する中央分離帯=周南市遠石交差点


1カ月放置の場所も
 道路のごみは国道は主に国、県道は県、市道は市が管轄する。県道の場合、347号下松新南陽線と366号徳山下松線が交わる周南市遠石交差点などはごみが目立ち、347号の代々木公園周辺も市民からごみについての苦情が多い。
 県周南土木建築事務所は周南地域の県道を週2回ていどパトロールし、市民からの電話を受けて現場の確認もしている。目立ったごみがあれば、そのつど職員や委託業者が回収しているが「県道の範囲も広いため、ひっきりなしに捨てられるごみをすぐに全部回収するのは難しく、1カ月くらい置いたままになっているところもある」とこぼす。

「マナーの問題」
 光、下松、周南、防府市の主な国道を管轄する国土交通省山口河川国道事務所防府国道維持出張所には市民からの中央分離帯のごみに関する通報はあまりないというが、1日おきにパトロールして、目についたものを拾っているほか、定期的に草刈りをする際には同時に回収している。
 周南、下松、光市はそれぞれポイ捨て禁止条例を設けている。しかしポイ捨て行為に過料1,000円の罰則がある周南市では近年、罰則の適用はなく、条例が形骸化している現実もある。
 大もとであるポイ捨てをする人を取り締まることができるのか。周南署に聞くと「粗大ごみなどを捨てた場合廃棄物処理法の対象になる。空き缶やたばこなども軽犯罪法などの違反になるが、マナーの問題とも言えるのではないか」という説明だった。

ポイ捨て禁止を訴える看板=周南市岐山通

ポイ捨て禁止を訴える看板=周南市岐山通


ポイ捨てで渋滞も
 中央分離帯のごみを片付ける際、交通量の多いところは車両規制をして回収作業にあたることもあり、その場合は本来は起こらない渋滞の発生にもつながるため、無責任なポイ捨ては景観を損ねるだけでなく、一般の道路利用者に実害を及ぼすことにもなる。
 防止策として、何もないところより、すでにごみが捨てられている場所の方がポイ捨てしやすいという心理も考えられることから、こまめな清掃でごみをなくすことや、啓発看板の設置など一人々々のマナー向上に向けた取り組みの一層の推進が求められている。

新駅ビルで謝罪求める決議可決

周南市議会 9月定例会が開会
 周南市の9月定例議会が5日開会し、一般会計補正予算案など執行部提出の27議案のうちこの日可決された人事案件2件を除く25件が委員会付託された。新徳山駅ビルの外壁に掲示する施設名が、議会などへの報告なしに〝徳山〟の部分が削られていたことに対して市長に説明責任を果たし、謝罪を求める決議を中心市街地活性化特別委員会(福田文治委員長)が提出し、可決された。
 正式名称の「周南市立徳山駅前図書館」から“徳山”を削ることは3月に決定していたが、市議会には8月10日の特別委で報告した。その後、特別委で木村市長が陳謝した上で削ったまま進める方針を示していた。
 討論では決議に反対の立場で米沢痴達議員(新誠会)が「議会に報告しなかったのは失態だが、市長は特別委員会で陳謝しており、委員会中心主義を旨としてきた議会にとって説明責任は十分果たされている」、兼重元議員(同)が「改めて謝罪を求める目的が理解できない。謝罪は犯罪などを想起させ、違法行為のような印象を与えるため慎重にする必要があり、決議提案は市政のネガティブなイメージづくりという潜在的意図を感じる」などと述べた。
 賛成の立場では尾崎隆則議員(嚆矢会)が「指定管理者との交渉が一番大事な時に担当部長が何度も変わり、すでに施設南側には名称が設置されていることは市民や議会を無視した行動で、最高責任者である市長の謝罪は当然のこと」とし、福田健吾議員(六合会)と藤井康弘議員(同)も賛成意見を述べ、採決では反対は3人だけで賛成多数で可決された。
 この日は国が地方議員を厚生年金の加入対象とする法案提出を検討していることに反対する「地方議会議員の厚生年金への加入に対する慎重な取り扱いを促す意見書」を田村勇一議員(新誠会)が兼重議員、福田吏江子議員(同)を賛成者に提出し、企画総務委員会(青木義雄委員長)に付託された。

大津島から平和発信

【周南・下松】30艇が海上パレードも、16~18日・回天メモリアルヨットレース
 太平洋戦争中、特攻兵器「回天」の訓練基地だった周南市大津島から世界に平和を発信するピースカップ2017回天メモリアルヨットレース(新周南新聞社など後援)が16日から18日まで大津島周辺の海域で開かれる。周南でのマリンスポーツの普及も目指し、今回は17日に集合地点の下松港からレース海域までをパレードする。
 実行委員会(堀信明会長)の主催。レースは2014年に始まり、昨年は台風で中止になったため今回で3回目。周南ヨットクラブ、県周南中小企業経営者協会の共催。1、2回目は西日本各地から約30艇が集まった。

実行委員たち

実行委員たち

 今回も同程度の参加を予定。16は前夜祭と艇長会議を下松市内で開き、17日は午前8時15分に下松湾を出発して参加艇などがパレードする。パレードは1時間かけてレース海域に向かい、野島沖を通過して大津島の回天の発射訓練施設の沖合に到着する。
 ヨットは大きさによって速さが異なるため、レースは航程15マイルと9マイルのコースを用意し、さらに主催者が各艇にハンディキャップを付け、スタートからゴールまでの時間にハンディキャップを掛けて順位を決める。表彰式とパーティーは大津島。18日は徳山湾で青少年ヨット体験クルージングも開く。
 堀会長は「回天という特攻で青春真っただ中の若い人が亡くなったこの地から世界に平和をアピールしたい」と話し、事務局長で回天顕彰会の会長でもある原田茂さんは「ここで訓練をした若い人たちのその精神を残していくべきだし、ヨットレースは平和に向け、訓練に使われた立派な海を知ってもらうチャンス」と話している。
 周南ヨットクラブ会長で実行委員長を引き受けている土生健介さんは「パレードは笠戸島の道からも見ることができ、ヨットの乗員は前日から集まってきます」と話して交流の広がりを期待している。

前回のレース

前回のレース

 事務総括で、ヨットレース開催を提唱した広文仁さんは「韓国のヨットマンにも声を掛けており、今年は実現しなかったが、来年は参加してほしい。日本に滞在する外国人のヨットマンにも参加を呼びかけたい」と話す。
 本部船となるクルージングパワーボートを出す高藤弘樹さんは「全国に名前が知られ、マリンスポーツに関心を持ってもらうことにつながるのが一番」と張り切っている。
 問い合わせは事務局(080・1744・6953)へ。

「万引き防止警戒隊」結成

【周南署】小売店で巡回強化へ
 周南署は店舗で商品を盗む万引き行為が今年、同署管内で多発していることを受けて、8月31日に「万引き防止警戒隊」を結成した。当面は9月末までの1カ月間、大型商業施設やドラッグストア、コンビニエンスストアなど約90店で制服、私服の署員が巡回を強化する。

出発式の署員ら

出発式の署員ら

 同署は熊毛地区を除く周南市が管轄だが、管内の今年7月末までの万引きの認知件数は85件で、前年同期の52件から約1.6倍に増加。治安のバロメーターとも言われる刑法犯認知件数の増加の主要因にもなっていることから、抑止につなげようと初の警戒隊の編成を決めた。

店内を見回る署員と防犯連絡所指導員

店内を見回る署員と防犯連絡所指導員

 隊では生活安全課が毎日必ずパトカー2台の4人を出動させるほか、ほかの課も普段の業務の合間をぬって各店を訪れるようにする。
 初日は同署駐車場で署員や防犯ボランティアら約20人が参加して出発式があり、花屋充宏署長が「万引きは安易だが、店に相当な損害をもたらし、存続すら左右する。徹底した職務質問などで被疑者発見に努めてほしい」と呼びかけた。
 その後、参加者は久米のマックスバリュイオンタウン周南久米店に移動して店内での万引きに目を光らせた。
 同署によると、検挙した万引き犯は未成年が約1割、20~64歳が約6割、65歳以上が約3割だった。

県境越え、広域連携

【光地区消防組合】消防が相互応援協定 広島市と光、柳井、岩国市
 光市と周南市、田布施町で作っている光地区消防組合(管理者・市川光市長)は8月28日、広島市消防局と消防相互応援協定を締結した。大規模災害の発生時に県境を越えて応援を要請、隊員や車両を派遣する。

左から市川市長、福田岩国市長、松井広島市長、井原柳井市長=光地区消防組合提供

左から市川市長、福田岩国市長、松井広島市長、井原柳井市長=光地区消防組合提供

 広島市役所で開かれた締結式には、市川市長、小松和司消防長と、同様の協定を広島市と結ぶ岩国市と和木町の岩国地区消防組合から福田良彦岩国市長、柳井市と周防大島、平生、上関町の柳井地区広域消防組合の井原健太郎柳井市長も出席。4市長がそれぞれ協定書に署名した。
 協定は国を通じて緊急に消防援助隊を要請するほどの大規模災害ではなく、消防組合などの連携で対応できる規模を想定している。広島市広域都市圏の取り組みの1つで、光市と周南市(熊毛地域)は同都市圏に入っていないが、田布施町が含まれているため協定に加わった。
 広島市消防局には大型ファンの送風で煙を排出させたり、化学物質や放射性物質を検知する機能を備えている特殊車両もあり、この協定で山口県側にこれら特殊車両の派遣が可能になった。

団員の減少・高齢化進む

【金曜記者レポート】
周南3市は定員確保、消防団・将来へ向け対策も

 東日本大震災や毎年の豪雨災害などでも活躍が報じられる消防団。団員は全国で約86万人、県内は昨年4月末現在で13,312人(うち女性団員494人)。周南3市では現在1,884人が活動している。団員の高齢化と減少が全国的に課題となる中、周南市は約86%、下松、光市はほぼ定員通りの団員を確保している。しかし将来に向けては人口が減少する地域を中心に不安もあり、対策が求められそうだ。(延安弘行)

県操法大会へ向けて訓練に励む団員

県操法大会へ向けて訓練に励む団員


仕事しながら災害時に出動
 消防団は消防組織法に基づいて市町村に設置されている消防機関。団員は通常、自営業や会社員などそれぞれの仕事をしながら地域で発生する火災や災害時に出動し、訓練や防災活動に取り組んでいる。
 災害時以外は7月の操法競技大会、年末年始の夜警、1月の消防出初め式、地域のイベントでの警備や毎月1回の機材の点検などがあり、通常は年に10日ほど出勤する。
 報酬もあり、周南市の場合で年額34,500円。このほか1回の出動に6,700円の手当と一定期間以上勤めた団員には退職報奨金もある。定年は団員が60歳、幹部が65歳。
 県の防災年報によると、1980年は団員15,994人(女性4人)だったが、95年には14,767人(209人)、2010年には13,639人(385人)と減り続けている。平均年齢も80年は41歳だったが、昨年4月では46.2歳になっている。
 一方、この間、消防職員は1980年の1,340人から1,941人と増加しているが、消防団員の7分の1。広い地域が同時に被害を受ける豪雨災害や地震などで地域の実情を熟知する団員が果たす役割は限りなく大きい。

光市は市職員が1割以上
 周南市消防団(神本康雅団長)は周南市の誕生に伴って発足。18の分団があり、定員は1,184人だが、団員の実数は1,017人(14人)。地域間の差が大きく、充足率が90%を超える分団もある一方、大津島の第15分団は定員46に対して28人と定員の6割。そのほかにも7割前後の分団がいくつかある。
 このため今年4月には、独立した分団だった大向を鹿野下と一緒にして第8分団にし、一方で団員の定数が53人、実数48人と規模の大きい須々万を分団に格上げして第6分団とした。
 光市消防団(小西輝保分団長)は12分団で530人の定員に対して現在は522人(19人)。5年前から消防団のホームページを開設してPRに生かしている。
 同市の特徴は市職員など公務員が多いこと。4月時点で517人だった団員のうち市職員が61人、県職員が2人の計63人と1割以上を占めている。公務員の入団は国も促進しているが、下松市では11人にとどまる。周南市は42人の公務員が入団している。
 下松市は光市とほぼ同規模の人口だが、消防団(村田丈生団長)の定数は9分団で、定数350人。実数345人(18人)でほぼ定数を確保。女性は全員が女性分団に所属している。各分団の幹部が新入団員の勧誘にあたり、団員確保の広報活動は特にしていない。

「地元に貢献が魅力」
 16日には山口市で県消防操法大会が開かれる。周南市消防団からは7月16日にあった市操法大会のポンプ車操法の部で優勝した徳山地区の市街地を管轄する第11分団、小型ポンプの部で優勝した加見・富岡の第14分団が出場する。
 大会は決められた操作をどれだけ短時間でできるかを競い、8月21日から津田恒実メモリアルスタジアム前で合同練習を始め、大会まで週に4回は夜、この場所でポンプの操作や放水などの訓練を続ける。
 この訓練に参加する第14分団の有井純一郎さん(32)は会社員で、団員になって3年目。市の大会前から訓練を続けてきたが「1秒伸びるごとに練習の成果が出ていると感じ、楽しくやらせてもらっている」と張り切り、消防団について「有事の時、地元に貢献できるのが一番の魅力」と話す。
 小型ポンプは県大会で優勝すると全国大会に出場でき、訓練にも力が入る。
 見守る神本団長は消防団に入って30年。副団長を4年間務めて4月から団長に就いた。訓練を見守りながら「この数年、団員一人々々の心構えがしっかりしてレベルアップしてきた。先輩が積み重ねてきた気持ちを伝えていきたい」と話す。
 都市部から過疎地まで多様な地域がある中での団員の確保には「今からが大変」と話し、地域の人口など実態に合わせた組織、団員定数の見直しだけでなく、大学生に団員になってもらうことや、定年で退団したあとも“予備役”として団員を補助してもらうことなども課題とし「分団をバックアップしていきたい」という。
 地域のために何かしたいという人は今も少なくない。一方、消防団の活動も火災や災害現場にとどまらず、日常的な防災活動、イベント開催の支援など多彩。災害時だけでなく地域づくりの核としての役割は大きい。
 定員数に柔軟性を持たせて学生や女性団員を増やし、フェイスブックといったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用など、市民への情報発信の多様化も進めてほしい。