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2016年度決算と意見書

【金曜記者レポート】
周南市・「市債残高抑制を」 下松市・基金残高が減少 光市・法人市民税が10分の1

 周南各市の2016年度決算の認定が3日までに市議会に提案され、光市では可決、周南、下松市は議会で継続審査している。市の財政は毎年3月議会に新年度の予算案を提出、可決されたあと執行され、年度の終了後に決算としてその結果をまとめて、市議会に認定を求める仕組みになっている。決算は各市の監査委員も審査し、9月に意見書を市長に提出する。各市の意見書などから一般会計の財政の特徴や課題を探った。(延安弘行)

①概要、財務分析指標

 市の予算、決算は一般会計と、国民健康保険、介護保険などの特定の業務だけの特別会計の2つに分かれる。一般会計の規模は歳入決算額で周南市が約654億8,000万円、下松市が222億2,200万円、光市が219億8,700万円。
 これから歳出を差し引いた形式収支は3市とも黒字だが、翌年度に繰り越すべき財源や財政調整基金への積み立て、取り崩し、地方債の繰り上げ償還などを加味した実質単年度収支では、下松市と光市は赤字となっている。
 周南市はこの金額は監査委員の意見書に記載がなかったが、市財務課の説明では、前年度は赤字だったが、16年度は黒字になったという。
 歳入は大きく分けて市税や基金からの繰入金などの自主財源、地方交付税や地方消費税交付金、国庫支出金、市の借金である市債などの依存財源に分かれている。16年度の自主財源比率は下松市が60%、周南市が54.2%、光市が52.6%を占める。
 財務分析指標のうち経常収支比率は80%を超えると財政構造の弾力性が失われつつあるとされるが、周南市は前年度より0.5ポイント下がって92.8%▽下松市は7.5ポイント上がって93.9%▽光市は5.2ポイント上がって99.4%。
 財政力指数は3カ年の平均で、周南市は0.793、下松市が0.881と高く、光市は0.731となっている。

②市債・基金

 借金にあたる市債残高は周南市が865億6,600万円、下松市が201億5,700万円、光市が234億200万円。
 貯金にあたる基金は、周南市は財政調整基金53億2,200万円、減債基金11億8,500万円、地域振興基金37億5,000万円などを合わせて153億1,000万円で、前年度より20億9,400万円増。
 下松市は財政調整基金17億9,400万円、減債基金3億4,600万円、下松市まちづくり推進基金22億9,800万円などを合わせて53億1,500万円あるが、前年度からは16億5,700万円の減。
 光市は財政調整基金17億2,200万円、減債基金10億5,000万円など35億1,300万円で、5億5,300万円減。

③監査委員の指摘

 意見書では財政面から市の課題なども指摘。自主財源で大きな比率を占めるのが市税だが、そのうち法人市民税について光市の意見書では、前年度比26.6%減の4億3,000万円になったが、これは過去のピーク時の10分の1で、市税の確実な収入が自主財源確保には重要と述べている。
 法人市民税は下松市も6億7,000万円で25.3%減。周南市は34億6,400万円で前年度比42.3%増になっている。
 周南市の意見書では次世代の負担軽減のために地方債残高の抑制に取り組むことや、製造業の集積、水素関連など先進的新産業創出の取り組み、中山間地の特性に根差したまちづくりについて「これらの『もの』やそれらを支える『ひと』は本市の宝であり、地方自治体として守り育て、次世代に引き継いでいくことが求められている」と述べている。
 下松市ではこれまで福祉、教育、文化などの施設整備が進められてきたが「これからは既存施設の延命化や施設の機能をいかに発揮させるかに時代は変わってくる」と方向性を示している。
 光市でも「費用対効果や選択と集中に基づく事業、施策の効率的かつ効果的な実行」などを求めている。
 予算に比べ、話題になることの少ない決算だが、その分析からは各市の現状と未来も見えてくる。施策などの効果の検証とともに注目していきたい。

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