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黄綬褒章に森田さん

【下松】〈秋の褒章〉
黄綬褒章に森田さん(弘木工業)
後進に“人に教える力”を
 秋の褒章の受章者が2日発表され、下松市西豊井の弘木工業で製缶課作業長を務める森田豊さん(59)=瑞穂町=が黄綬褒章を受章する。県内からは森田さんら黄綬褒章4人と藍綬褒章3人の計7人。全国では775人と22団体だった。

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 黄綬褒章は長い間、業務に精励し、他の人の模範となる人に贈られる。森田さんは一昨年、全国の卓越した技能者に贈られる厚生労働省の“現代の名工”に選ばれている。周南からの受章は森田さんだけで、14日に東京の厚生労働省で伝達され、この日、天皇陛下に拝謁する。
 森田さんは岩国市南河内出身。下松市末武下の金属加工業、三和産業で働きながら下松工高の定時制で学び、20歳で鉄道車両製造の弘木工業に入社した。
 同社は当時、先進技術だったアルミニウム溶接に取り組んでおり、森田さんも製缶工として腕を磨いて、鉄道車両の溶接作業で生じる鉄板の曲げやゆがみを一部分に加熱と冷却を加えて補正する“お灸方式”をマスター。板の厚さが異なる鉄板同士を溶接する技能にも優れ、製品の品質向上に貢献してきた。
 これまでに文部科学省の創意工夫功労者表彰、県知事表彰も受賞。職場では高度熟練技能者として16人の部下をまとめて技術の伝承に努め、耳の不自由な2人には自ら学んだ手話で作業工程を指示している。職場外でも学生に溶接技能を指導している。
 森田さんは「ゆがみやひずみは0.5ミリ以内に抑えるのが鉄則。小さな誤差も絶対に許されない」と話し、受章に「私のような者でも受けていいのか迷った。これからも定年の66歳まで現役で働き、人に教える力を後進に身につけてもらうように技術を伝えていきたい」と笑顔を見せている。