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小泉元首相講演会に1,800人

【周南(徳山)】
「誤ち認め脱原発運動」国民と政治の意志で
 「脱原発」を訴えて全国で講演している小泉純一郎元総理大臣(75)の県内初の講演会(新周南新聞社など後援)が6日、周南市文化会館大ホールで開かれ、満席の約1,800人が“小泉節”健在の「日本の歩むべき道」と題した話に聞き入った。
 小泉さんは30歳から自民党の衆議院議員になり、2001年から06年まで首相。09年に引退した。現役時代は原発を進める立場だったが、東日本大震災による福島原発事故を機に脱原発を唱えている。
 講演会は小泉純一郎さんのお話を聞く会(小沢克介代表)の主催で、開場の4時間前から行列ができた。小沢代表は「小泉氏から私たちの子孫に何を残すべきか、何を残してはいけないかを学ぼう」とあいさつした。

満員の客席

満員の客席

講演する小泉さん

講演する小泉さん

 小泉さんは総理の時は「原発は必要なものと信じていた」が、福島原発事故後、おかしいと感じ、フィンランドのオンカロの核燃料最終処分場を視察したと話し「使用済み核燃料は10万年たたないと放射能の危険性は減らない。原発は絶対安全という原発推進論者のうそがわかった以上はほおかむりできないと思い、誤ちを認めて原発ゼロの国民運動を展開することにした」と述べた。
 顧問をしていた経団連のシンクタンクの幹部から「総理経験者がそんな発言は控えてほしい」とか「原発即時ゼロとは無責任だ」と言われたが「今すぐ決断した方が安全だし費用も安いじゃないか」と反論して顧問を辞めたと述べた。
 さらに「日本の原発安全基準は米国のレベルに及ばない。日本は地震国、火山国で津波も多いのにまだ原発を作ろうとする政府の気が知れない」と批判。
 「総発電量の30%を占める原発の電力はいずれ自然エネルギーに転換できる。すでに太陽光発電だけで原発10基分の電力を生産し、福島原発事故後の6年半は原発ゼロで全国の電力をまかなえた」と訴え「自然エネルギーはコストも安く環境にいい。蓄電機能の発達で安定供給も心配ない」と説明した。
 ミサイル襲撃や自爆テロの危険性にも触れ「国内に原発があることは、国民に向けた“原爆”を置いているようなものだ」と危険性を指摘。そして「山口県からは安倍首相が出て、県選出国会議員は全員原発賛成。しかしこの講演会を成功させたい皆さんの熱意に応えてきょうはここに来た」と述べて拍手を浴びた。
 最後は「悲観はしていない。自然エネルギーで電力をまかなう国の方針がいずれ決まる。原発ゼロ総理が出ればあっという間に変わる。国民と政治の意志次第。資源獲得競争が不要な時代を迎えよう」としめくくった。