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産学官連携の共同研究に成果

【金曜記者レポート】徳山高専テクノ・アカデミア20周年 優秀人材育成にも寄与

 周南市の徳山高専と企業が連携しながら共同研究や人材育成などを進めている徳山高専テクノ・アカデミア(勝井優会長)が設立20周年を迎えた。核事業の1つ、会員企業と同高専教員による共同研究開発への助成は世界に通じる製品の誕生にも寄与し、インターンシップやロボットコンテストなどへの支援も続けて学生の育成、地元企業との雇用のマッチングにもつながっている。これまでの歩みとこれからをまとめた。(安達亮介)

2013年の高専ロボコンで全国優勝した「色とりドリィ」と学生

2013年の高専ロボコンで全国優勝した「色とりドリィ」と学生

人材養成講座=徳山高専提供

人材養成講座=徳山高専提供


◇20年で会員1.75倍に
 徳山高専テクノ・アカデミアは1997年12月に同高専の大山超元校長を会長に発足。小野英輔サマンサジャパン会長が会長を引き継ぎ、現在の勝井会長は岩国市の勝井建設社長。会員企業の情報交換、世界に通用する新商品開発を目指す共同研究開発の促進、各種講習会を通じた技術者養成、同高専への支援、フォーラム開催などによる地域振興を主な目的としている。
 年間の会費は1口10万円だが、企業間の連携や人材確保につながる効果もあってか、周南地域が中心の会員企業は発足当時の24社から、現在は休会中の1社を含め42社と1・75倍に増えている。今年は東京の1社も加わった。

◇多彩な製品誕生に寄与

 2000年からは会員企業と同高専教員による共同研究に対し、1件あたり上限30万円の助成も毎年3~7件ていど続けている。資金は会費からねん出しているため、会員企業が間接的にほかの企業を支援することになる、全国的にも珍しい取り組みという。
 この研究で生まれた製品の中には、今年、県知事賞を受けた光市の光メタルセンターのイチゴ栽培ハウス用ヒーター「クラウンヒーター」や、周南市の多機能フィルターの海外展開もしているのり面保護・養生マット「多機能フィルター」などもある。

◇インターン受け入れや旅費助成

 高専生への支援も主要事業の一つで、専攻科生の海外インターンシップなどの旅費助成や全国高専ロボットコンテスト(ロボコン)など各種コンテストへの助成も継続して人材育成に貢献。インターンシップでは昨年度は学生34人を最長2カ月間、会員企業で受け入れている。
 このほか人材育成へ技術セミナー、人材養成講座も続け、会員企業の多くや学生が学ぶ場を作っている。

◇20周年記念で長大橋、ハッカソン

 今年度は20周年記念事業として、同市の産業道路の東進へ徳山下松港の蛇島(さしま)に橋を架ける長大橋プロジェクトを作って学生が測量などに尽力。来年2月3日オープンの新徳山駅ビルにあわせて3月23日から25日まで中心市街地で開く、プログラマーがアプリを作り上げるイベント「石巻ハッカソンin周南」も市と共催する。
 テクノ・アカデミアをとりまとめる同高専テクノ・リフレッシュ教育センターの山田健仁センター長(60)は「今後も会員企業を増やしながら産学官連携の共同研究を強化していき、地元に優秀な人材を供給できるよう教育にも力を入れていきたい」と話している。